春へ (DARIA BUNKO)

著者 :
  • フロンティアワークス
4.07
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本棚登録 : 292
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861345746

感想・レビュー・書評

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  • 朝丘さんの本4冊目。
    時間の経過で失っていくものと得るものは、その時たとえ無駄だと思えたものでも決して無駄にはならない。無駄にするのは自分自身だけなんだろうなと。
    読後ほろほろと感じさせてくれました。
    この作品と続けて「春恋」も読んだのですが、同じく時間が優しく、辛く、哀しく、美しく、そして誰の上にも思いを残しながら過ぎていくお話でした。

  • 高校生の小嶋十希、画家である工藤旭。
    十希は、亡くなった父の手紙を届ける為に、旭の家へと向かう。

    父が恋した旭。
    父を遠ざけた旭。
    その旭のことを十希も好きになってしまう。

    願うのと諦めるのは同じだった。

    同性を好きになった経験のある人なら共感しかしない一文で、この物語の中で十希が感じてる嬉しさや苦しさや切なさも全部共感しかなかった。

    子孫が残せないから。
    そんな倫理観だけじゃ、気持ちは止められない。

    「ときのたつ」

    十希の達つ。
    帰って来る場所がここなら良いなって、意味を聞いて、なんて良いタイトルなんだと思いました。

    アキと美里が仲良さそうで良かった。

  • とても良かった!

  • [아사오카 모도루/오구라 무쿠] 너무 아름답고 잔잔하고 눈같이 포근하면서 쓸쓸한 이야기. 특별히 뭐가 없어도 둘의 공감대와 교감, 감정의 변화가 너무 잘 그려져 있다.
    그림을 보는 센세의 시선도 재미있었음. 이 사람은 그림을 이런 시선으로 보고 해석하는 구나. 그림 묘사와 심리선 묘사가 묘하게 얽혀있는 것도 좋았고. 아버지의 투병 후 죽음을 받아들이는 모습과 그걸 겪은 자신을 주변이 어떻게 반응해주고 그것에 어떤식으로 대응하는지. 완전 이입했음. 그랬던 적이 있었지. 지금도 그렇고. 이렇게 마음으로 써낸, 비록 허구의 이야기라 할지라도 내 가슴 속 깊이 숨겨둔 비밀 이야기를 살그머니 어뤄만져준 느낌이라 벅차다. 감사감사.

    그리고 되게 두근 그렸던 게 엄마아빠 문제와 동성이라는 이유로 계속 토키를 거부하던 아사히가 자각없이 보이는 얼굴 빨개지는 거랑 부끄러워하던 모습. 토키가 마음으로 아사히를 좋아하는 게 진짜 많이 느껴져서 그런 작은 행동을 볼 때마다 마치 내가 토키가 된 것 마냥 너무 설레고 좋았음 ㅜㅜ

  • 評価的には★4なのだが、好みでいうと違うんだよね。呼び捨てにするところで受け入れられなくてなかなか読み進めず、後半は良かった。

  • あまり触れられてない気がしますが、十希くんの友達の予備校に通ってる子ってあめちゃんですよね……?

    朝丘さんお得意の愛情に飢えた不器用でささくれ立った大人とひたむきで真っ直ぐで思慮深い男の子のお話。
    柔らかな絵画のような風景と心情を優しく切り取る世界。想いの移りゆく様、ただひたすら絵に対して真っ直ぐで不器用で頑固な旭の生き様と、そんな旭にどうしようもなく焦がれてしまう十希の純粋さ。
    思うこと、向き合うこと、家族のあり方。
    ふわふわとあたたかな朝丘さんならではの世界でつづられる繊細で澄んだ感性で彩られた言葉の優しさは唯一無二なのですが……後半の十希くんがちょっと好きになれなかったかもしれない。
    地の文で「ぱんつ」、性的なことに極端に興味や関心が薄くてあまりにも子どもっぽい所になんだかむずむずして入り込めませんでした。残念……。
    朝丘作品はもうちょっと硬質なトーンの方で描かれているものの方が好きだなぁと。

    春恋/秋色 の秋山が橋渡し的な役割を果たしてくれたのはただ、良かったねと。
    美里と秋山が幸せそうでなによりです。

  • 朝丘先生初読み。
    すごく叙情的な文章を書くかただと思った。
    繊細で切ないお話でした。
    春恋とリンクしているとのことで、そちらも読んでみたいです。

  • 旭(画家)×十希(高校生)
    母を幼いころに亡くし、父を亡くしたばかりの十希。
    父の想いを伝えるため、父が高校生の頃に書いた手紙を旭に届けに行く。父が「好きかも」しれなかった旭。
    何度来るなと言われても会いたくなり、彼への気持ちに気づく十希。旭にとって大事な先輩カップルだった父母の子の立場で我侭とわかっていても通い続ける十希。
    絶対に旭は自分を受け入れない。父母の子としてしか見ていない。わかっていても彼を幸せにしたくて、自分を見て欲しくて旭の傍にい続ける。
    そして確かにお互いの想いが通じ合ったのに、やはり父母の子である十希は受け入れられることはない。
    父母の子だから旭に出会い、一緒にいられたのに、父母の子だから愛し合えない二人の物語。
    切ないです。旭がいじめるなよ。と言うのに十希がいじめるとことか超切ない。
    じわじわ泣きそうになりつつ読んだけど、号泣するほどではなかったかな・・・。

  • 十希の、旭への想いが詰まった本でした。
    精一杯好きでいる。嘘もつかない。この想いに誠実でいる。旭っていうひとりの人を、幸せにするために生きたい。
    両親のお墓の前での十希の告白の言葉が好き。
    先輩と奈々さん。二人の息子としてしか見てもらえない寂しいさ。将来への選択の迷い。
    両思いだとわかっても別れを選択したのは切なかった。
    旭、と名前に想いをこめて何度も呼ぶのが印象的。
    最後の章タイトルには嬉しかった。のに「ときのたつ」では戸惑った。最後は旭と結ばれて本当によかった。
    あとがきで章タイトルをつなげると旭の言葉になると知って思わずタイトルを探しました。
    秋山の、俺と美里の二の舞になるなってどういうこと⁉
    美里とどういう経緯があって結ばれたのか、気になります。
    読み返したくなる一冊でした。

  • ちらりとアキと美里が出てきます。本編よりもそっちに注目してしまった!

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