あめと星の降るところ -Complete Book 1- (ダリア文庫)

著者 :
  • フロンティアワークス
3.94
  • (5)
  • (5)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 112
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861349805

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 藍の身勝手な子供っぽさがどうにも苦手だったので身構えつつ読んだ「君に降る白」の続編が一番しっくりときました。
    自分を取り囲む問題から逃げていた藍と成瀬はお互いを労わりあい、欠けたものを環境や周囲の人間のせいにせず、きちんと向き合うよいパートナーシップを築き上げ、家族とも結果はどうあれきちんと話しが出来たんですね。
    姉が味方になってくれたあたりに良かったね、と。成瀬さんも包容力のある大人の男になり、ふたりきりの家族の絆が生まれているようで何より。
    メインはあめの帰るところ、記憶を失ってもう一度恋をして日々を積み重ねる千歳と先生の日々はぽやぽやしたかわいらしさとセンシティブな描写がないまぜ。
    能登のことを知った千歳の両親の態度に痛いなーとなるのですが、家族との関わりを一貫して描くのが朝丘さんなんですよね。
    積み重ねていく蜜月の向こうに絶え間ない愛が溢れている。
    星は本田さんの独占欲とぽやぽやかわいい裕太郎のいい子すぎるところにう〜〜んがあったのですが、愛情に飢えた本田さんを理解して包み込もうとする裕太郎の優しさ、家族でまるごと迎え入れるけれどやっぱり本当のこと全部は話せないもどかしさにむずむずと切なさといとしさが。
    まぁえろ方面に旺盛なのは若いから…笑
    いつの間にひろ、ゆうになってるんだ。ちょっとびっくり。
    ココロは不器用で傷つきやすく一見粗野な男とナイーブで傷を内に秘めた男の心の触れ合いのような淡い淡い恋模様。
    ボーイズラブが描けるセンシティブさで、時代や媒体の背景もありきの作品だと思います。
    リアリティラインにはてな? なところには目を瞑るとして…魂はどこにある、みたいな死生観が目を引きました。
    朝丘キャラのセンシティブさと傷をえぐるところが好きで、過剰な愛らしさにちょっとうーんとなるのですが硬質めな文体の方がより好みだなー。

全2件中 1 - 2件を表示

朝丘戻の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×