- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784861522598
作品紹介・あらすじ
画業25周年を迎える野又穫。
「空想建築」それは、どこか遠くに存在するような、記憶のデジャヴ。
しかし、それは決して存在しない、空想上の建築物である。
現実と非現実、過去でもなく未来でもない。
天に届くような伸びやかさ。孤高ともいうべき作品の存在感。
デビュー当時の代表作から、完成したばかりの最新作を含む、
約120点を収録した決定版。
頭上の無限、至上の明るさ。
……見る人が感じとるのはそのような思いなのだ。
意味や解釈、説明を必要としないで伝わってくるものが、
アーティストの世界を見る人に手渡す。
野又穫の場合、それはまさにもうひとつの世界の誕生としてある。
(クリエイティブ・ディレクター 小池一子「もうひとつの世界」より)
野又さんが描きたいのは、幻想性ではないのではないか。
どういえばいいか、野又さんの中には、未知の未来というコマッタモノがあって、
それは言葉でも絵でもちゃんとはとらえられないから、
仕方なく、せめてその予兆をなんとかキャッチしようと
キャンバスに向かっているのではないか。
野又さんの絵は、幻想的ではなく、予兆的である。
野又さんに先行する予兆の画家として、イヴ・タンギーしか私は知らない。
(建築家 藤森照信「予兆の画家——野又穫」より)
感想・レビュー・書評
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Last night I dreamed of a city unbuilt.
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2010年度群馬県立美術館での展覧会のカタログ。
2017年に第2刷が再販されたものを手に入れた。
藤森照信がエッセイで指摘しているが、どの建物も構造と細部の納まりがしっかりしており安心感がある。
最初ロマネスクのように厚い壁と小さな窓で作られていた組積造の建物は、どんどん風が通り抜ける軽く細い鉄骨造のようなものになり、さらにはテントや風船を備えたものになっていった。これは野又が西洋建築の歴史を、画家としての1人の生涯の中で、圧縮してなぞり直していると言うことだろうか。
してみれば鉄腕アトムやミッキーマウスとおぼしきポストモダンの時代も経ていることであり、これからはブロップでシームレスな形態の建築や、環境対応を重視した形態の建築が現れてくるのかもしれない。
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烏兎の庭 第五部 書評 1.27.16
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto05/diary/d1601.html#0127 -
空想建築画家、野又穫さんの画集。
現実にはない建築物や構造物を描いていて、人の気配のないその空間には無機質さがあるのに、冷たさを感じない不思議な魅力が溢れている。 -
ちがう世界の景色のよう。静かな存在感があります。
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空想建築!たまんねえ!!
ドキドキする。 -
もう大好き!!!!!