クリエイターズ・トーク 13人のクリエイティブ講義

著者 :
  • 青幻舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861523595

作品紹介・あらすじ

13人のトップクリエイターが語る、 時代を動かすものづくりのカタチ。

2011年1月~12年1月、東大情報学環・福武ホールで行われた連続講義を採録。
クリエイティブ業界のトップランナー13人が、「広告批評」元編集長の天野祐吉氏を聞き手に
具体的な制作物に即しながらその考え方とつくり方のヒミツを語る。
巻末に佐々木宏氏(シンガタ)のインタビューも新たに収録。

〈登場クリエイター〉
佐藤可士和(SAMURAI) / 箭内道彦 / 葛西薫(サン・アド)/ 澤本嘉光(電通) / 中治信博+山崎隆明(ワトソン・クリック)
福里真一(ワンスカイ) / 麻生哲朗(TUGBOAT) / 谷山雅計(谷山広告) / 中島信也(東北新社) / 伊藤直樹(PARTY)
前田知巳(フューチャーテクスト) / 大貫卓也(大貫デザイン) *巻末インタビュー:佐々木宏(シンガタ) ※敬称略、登場順

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。対談というのがいい。

    会話は普通、一段一段、積み重ねていく。
    1、2、3、4、5、6、7、8、9、10と。
    しかし優れたクリエイターは、1、3、5、10と
    2段飛ばし、3段飛ばしで、あるべき答えに辿り着いてしまう。

    テレビを見れば、ダムの問題、基地の問題、原発の問題などが、
    1、2、0、1、2と同じ段で足踏みをしている。

    クリエイティブの力が、
    こうしませんか?と鮮やかに次々答えを出していく。

    それはある意味、爽快ですらある。不可能なことなんか、
    ないんじゃないかって思えてくるから不思議だ。

  •  天野祐吉と広告を作る人々14人との対談。

     難しいことはさておき、「犬のお父さん」「キンチョール」「宇宙人ジョーンズ」などのCMの裏話がたくさん読めるので面白い本です。

  • いい本!ためになる本。
    何年か後に、行き詰まった時、また読みたい。
    天野さんの玄人すぎない視点がいいと思う。
    大貫さんは圧倒的なのだと感じた。
    CM天気図から、全ては始まったのかもしれないなぁ。と思う人は何人もいるでしょう。黙祷。

  • ゲストが中島信也の回のときだけ、天野祐吉の口数が少ないような気がするが…(笑)。

    としまえんの“プール冷えてます”と“牛乳に相談だ”の2つは、響きもいいし、気に入った。前者はディズニーランド開園という脅威、後者は若者の牛乳離れに頭を悩ませていたという。そんなクライアントの悩みを、軽快でちょっとおバカなコピーで流れを変えたクリエイターたち。お見事。

  • 広告批評・天野祐吉氏による13名のクリエイティブ談義。
    "今の日本に必要なクリエイテイブ、組み換え力"について 探っていく。メモ。(1)「疑うこと」。相手の中にある答えを探る為の考え方の 視点を動かすこと、お客様視点とお茶の間視点。
    (2)物語というものはそれが途方もない話であればあるほど、ディテールというものが正確に作られていなければだめだ。(ジョナサン・スウィフト)

  • 古今取り混ぜた様々なCMの誕生ストーリーや、作成秘話を知ることができて楽しい。CMはいろんな人の想いが詰まっているのだと知ってより興味がわいた。

  • 読んでいる内に脳内のシナプスがピコピコいってくる。何度も読み返したい一冊です。

  • 日本を代表とする13名のクリエイターの方々の、クリエイティブに関わる考え方やスタンスをインタビュー形式でまとめられている良本。

    クリエイターと言うかその立ち位置はコミュニケーションプランナー。
    クライアントの課題をどのように捉え、解決するか?
    その思考や視点、物事の伝え方のスタンスが分かりやすく見て取れる。
    ハッと驚かされるような鋭い視点が盛り沢山。

    ※一部抜粋
    ▼佐藤可士和氏
    •答えはクライアントの中にある
    •お客様目線とお茶の間目線
    ▼箭内道彦氏
    •広告する商品があって全ては始まるんだけど、表現と会うものを考えた時には、始めに商品ありきではない。
    始めに人間ありきで、そこに商品が絡んでくる。
    で、それが結果的には「始めに商品ありき」になるという、非常に逆説的な手の混んだ仕事が広告のクリエイティブ。
    ▼澤本嘉光氏
    僕らの仕事はコンサルタントみたいなもので、企業から言ってきた注文•悩みに対して、いろいろ相談相手になって答えを出すこと。
    で、答えを出す時に、企業が言ってることは「企業語」であるから、その"「企業語」を「生活語」に翻訳する。"それが僕らの仕事です。
    ▼中治信博氏+山崎隆明氏
    企業が言いたいことじゃなくて、消費者が見たいものを見せる方が効率がいい。広告を成功させるためにはある種の客観性が必要で、自分のところの商品をある程度客観視できないとダメ。
    "広告は社会に反射させて初めて効果が出るもの"ですから。
    ▼福里真一氏
    そもそもCMって、見た直後に走って行って商品を買うとか、そういうものではない。何となく家でテレビをつけてる時に見て、一回忘れちゃう。それからしばらくたって、喉が渇いたなという時にお店で自然と手が伸びるように、その商品がまとう"空気みたいなもの"をつけていく。それがCMの役割。
    ▼麻生哲郎氏
    CMをそれで完結するようなパッケージにはしたくない。見終わった後から何かが始まる感じというんでしょうか。15秒後に見る人の心にスイッチが入るような感じに仕立てていけたらいいなと思ってます。
    ▼谷山雅計氏
    コピーって汚れがよく落ちる石鹸みたいなもので、石鹸できれいになった人が褒められればいい。石鹸がすごいと言われる必要はない。
    ▼中島信也氏
    どういう芸で見せて、商品を好きになってもらおうか。これが非常に大事。いま、そんな風に考える広告主が少なくなってますね。
    "CMがつまらなくなることで、テレビそのものが見られないメディアになっていくことを心配してまして。"
    広告というのは歩いている人を振り向かせる力がなければいけない。
    ▼伊藤直樹氏
    面白い広告というのは、商品をダシにして楽しく遊んでいる広告なんですよね。クリエイターが商品を使って遊んでいて、それが世間で評判になったり、実はすごい広告効果をあげている。
    ▼前田知巳氏
    言葉というのはね、音なんです。意味じゃない。意味なんて二の次で、むしろ逆に、音の中いっぱいに意味があるという風に考えなきゃいけない。
    ▼大貫卓也氏
    自分の持っているデザインの技やコピーの技を見せるのが広告じゃない。企業そのものの素顔、つまり"企業のシズル感を見せるのが広告本来の役目"だということをハッキリ自覚した。

  • いま勢いがある広告クリエイターの人たちのインタビュー本のようなもの。

    文字から伝わってくる熱意?にやられた。生で話を聴講したら、どんだけ刺激受けられるんだろう?って思った。

    クリエイター目指す人じゃなくても読んでみると、新しいものの考え方ができるんじゃないかなと思った。
    (今、まさに今、読んで良かった。情報の鮮度が高いなって思ったから。)

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784861523595

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著者プロフィール

天野祐吉(あまの・ゆうきち)
コラムニスト。1933年東京生まれ。1979年に「広告批評」を創刊。2009年同誌終刊後、「天野祐吉作業室」を設立。主な著書に『広告論講義』(岩波書店)、『広告五千年史』(新潮選書)、共著に『広告も変わったねぇ。』(インプレスジャパン)、『可士和式』(天野祐吉作業室)など。

「2012年 『クリエイターズ・トーク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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