手紙。 (ピュアフル文庫 ん 1-6 ピュアフル・アンソロジー)

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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861764547

感想・レビュー・書評

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  • アンソロジー。 多分一人の作家さんだと物足りないけれど
    これだけ多様な短編が集まると面白い。

    ティーンが主人公で 彼等の必死さが 等に過ぎ去った身としては懐かしいのだけれど、確かに当時は交友関係大変だった。。

    それぞれ他作品も読んでみたい。

    小手鞠るい 「あした咲くつぼみ」
    切ない。。大人風にさらっと。
    安西みゆき 「グラノラトフィーバー」
    女子高ならではの関係が甘酸っぱい。
    梨屋アリエ 「雲の規格」
    結末が意外だけれど現実はこんなかも。
    神田茜   「赤い紙袋の中」
    物語ならではだけど青春ドラマの様。
    草野たき  「ヒーロー」
    一番強烈に残った。二人とも強い。
    若竹七海  「読めない手紙」
    変わり種。個性的な登場人物達。

  • 「手紙」をテーマにしたアンソロジー。姫野カオルコの全編「手紙」という小説『終業式』のような印象はないが、それなりに楽しめた。

    収録作のなかでは梨屋アリエの「雲の規格」がおもしろかった。主人公・河野健治の「オレはモテ男で、人気者で、すごい奴」だという自意識と、そこからうまれる同級生に対する「オレが1番で、あいつら2番以下」みたいな認識と、その間で「こんな弱みは見せられん」といったぐちゃぐちゃした感情や下心なんかがうずまくあたり。

    河野が、友人でクラスメイトで同じ部活仲間の福田和磨を、いつもの教室ではなくて生物室で弁当を食おうと誘ったときに、福田のほうが「ぼくはね、生臭くて埃っぽい生物室で、男と二人きりで弁当を食うのを愉快に感じるような変態男ではないんだな」(p.81)というあたりは、河野や福田の性のありかたがどうであるにせよ、こういうセリフが出てくるところに、なーんかカナシイものを感じる…(ホモフォビア=同性愛嫌悪はいやなくらい蔓延しているので、自分の性のありかたとは別に、拒否のポーズをとる人は多い)。

    若竹七海の「読めない手紙」に出てくる、絶縁状は赤い手紙というのは、どうもわからなかった。「真っ赤な封筒で手紙をもらう」、それが意味するところは「絶交」だと書いてあるのだが、そういう風習(?)の地域(?)あるいは学校(?)もあるのか?あるいは小説の中の創作なのか?(舞台となる高校が山の上にあって、曲がりくねった800メートルの山道が通学路、しかもそこでは「何が起こるか分からない」と新入生歓迎会でさんざん脅されるとか、山道を登っての通学で毎晩眠れないくらい筋肉痛だ、という設定もなかなかすごい。)

    (3/17了)

  • ちょくせつ言えない気持ちを、手紙にしたためて。

    うーん、なんかちょっと中途半端な話が多かった印象。短すぎて、「え、これで終わり?」みたいな。

    安西みゆき「グラノラトフィーバー」は、お菓子に思いを託す女子校の話。よくある感じだけど、なんかよかった。

    草野たき「ヒーロー」は、オチがシュール。狂気を感じた。完成度でいうとこれが一番好き。

    若竹七海「読めない手紙」は、ちょっと懐かしい時代(?)の雰囲気漂う女子高生三人組の友情モノ。続きが読みたくなる。

  • 草野たきと、梨屋アリエの作品が好きだった。最後を飾るのは若竹七海のコージー・ミステリで、アンソロジーの中ではかなり異色だが、それだけにいい味を出している。


  • 全体的に面白かった。
    「読めない手紙」が一番、手が進む話。
    3人の少女、それぞれの特徴が
    とてもでていて、終わりもなかなか面白い。

  • 手紙をテーマにしたアンソロジー。6人の作家のうち、知っているのは若竹七海氏のみだったが、ティーン向けの本と言うことで、ティーンは知っている方なのかしら?

    ティーン向けで手紙と言うとどうしてもラブレターは避けられず、6編中2編がラブレター、その他も恋愛を絡めたものが多い。その中で若竹七海「読めない手紙」が良かった。この世界観、短いこの話だけではもったいない!連作短編で彼女らの世界をもっと見てみたい気がした。

    メモ的一言感想、キーワード三つつきで。
    「あした咲くつぼみ」(小手鞠るい)キーワードは’ラブレター’’憧れ’’未来の私へ’かな?ストーリーは途中でわかってしまうが、定番ということでOK.
    「グラノラトフィーバー」(安西みゆき)同じくキーワード、’女子寮’’お菓子’’別離’キャラ設定が面白い(ちょっとラノベ的)のと、「お菓子言葉」という発想がおもしろい。
    「雲の規格」(梨屋アリエ)’モテ男’’ボトルレター’’ヘンな女子がちょっと気になる’「オレは女子個人ではなく、女子の群が大好きなのだ」なんとなくわかる気がする。一対一で「おつきあい」するのを避ける気持ち。
    「赤い紙袋の中」(神田茜)’恋敵’’親友’’ラブレター’恋愛が主でなく友情、というかなんというか。まだまだ未熟な半熟少女、かな?
    「ヒーロー」(草野たき)’ラブレター’’いじめ’’演じること’対象が10代ということで「イジメ」も大きなテーマとなる。ムードメーカーって大変だけど大切。
    「読めない手紙」(若竹七海)’天然’’ツンデレ’’ミステリ’ツンデレ、は間違っているかもしれないけど、ヤンキー、というには下品ではないのでいちおうそう表現。世界観というか主人公達の通う学校の設定がありえなさすぎでかえって妙なリアリズムを感じる。またキャラ設定もおもしろい。もっと読みたい

  • 2008.04.03

  • 080326-080327

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著者プロフィール

栃木県小山市生まれ。児童文学作家、YA作家。
法政大学兼任講師。
1998年、『でりばりぃAge』で第39回講談社児童文学新人賞受賞し、翌年、単行本デビュー。
2004年、『ピアニッシシモ』で第33回児童文芸新人賞受賞。『ココロ屋』が2012年全国読書感想文コンクール課題図書に選ばれる。その他、『プラネタリウム』『わらうきいろオニ』(講談社)『スノウ・ティアーズ』、『きみの存在を意識する』(ポプラ社)など著書多数。

「2020年 『エリーゼさんをさがして』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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