歴史としての天皇制

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  • 作品社 (2005年3月31日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861820205

歴史としての天皇制の感想・レビュー・書評

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  • 2012/10/30:読了
    議論の展開が古い。

  • この本は、80年代に行われた著者3人の鼎談と、網野善彦と川村湊の対談をまとめたものだ。鼎談の方はテーマが幅広く、対談の方は、朝鮮と日本の社会の比較が主になっている。

    天皇の問題というと、おれは、思考停止してしまう。なぜなんだろう、と前から疑問に思っていたので、この本を読んでみたのだが、結局分からなかった。

    しかし、主として網野善彦の発言に示唆され、天皇制に対する新たな知見を手に入れた。

    網野善彦によれば、南北朝以前と以後で、天皇の在り方と日本社会の在り方が変わっているそうだ。南北朝以前は、古代の在り方を引きずり、カミとヒトは未分化だった。以後はそうではない。

    また、網野善彦は、この本の中で、盛んに日本が農耕民族だというのは幻想であること、海に閉ざされた島国だというのも幻想であることを説いている。日本には昔から「道々の民」という、いろんな職業をもっている人たちがたくさんいた。船乗りなんかは中世、既に朝鮮や大陸と盛んに行き来していた。だから、今日辺鄙な場所にあるとされる港町でも、海上交通という点から見ると、要所であったりする。

    それからまた、網野善彦は、日本が単一民族国家だというのは幻想だ、と盛んに説く。まあこれは今更説明の必要もないことだろうけど、琉球、西国、東国、奥州、アイヌモシリは別々の民族と言っていいくらい違う、と。

    その他、文字と支配の関係など、示唆に富む内容であった。

    それにしても感心するのが、網野善彦の実直さである。例えば、「天皇制はゼロ記号」と言われて、「ゼロ記号とはなんですか」と答えたりするのだ。この、分からないものは分からないという姿勢は、大いに見習いたい。
    網野史学が、膨大な実証研究の結果として出来上がった史学であることを如実に物語る。

  • おいしい組み合わせ、内容も濃厚な農耕。

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歴史としての天皇制の作品紹介

天皇制をいかに捉えるか。日本列島と朝鮮半島の歴史が折り重なり、問いかけてくるものとは何か。網野善彦が吉本隆明、川村湊を対話者にむかえ、日本中世史から天皇制、日本列島と朝鮮半島の社会の比較へと議論を展開した、濃密な討議の記録。網野・川村による対談集『列島と半島の社会史』に、吉本を加えた記念碑的鼎談を増補した待望の決定版。

歴史としての天皇制はこんな本です

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