幸福論――“生きづらい”時代の社会学

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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861822469

作品紹介・あらすじ

いま、わたしたちは思い通りの「幸福」を手に入れることができるのか?-古代ギリシア時代の賢人たちから、ブランドファッションを買うことに喜びを見出す現代の少女まで、さまざまな「幸福」のカタチを比較し、今日の社会で、わたしたちが幸せをどのように描けるのかを追求した、世界的社会学者、ジグムント・バウマンの到達点。「パラサイト・シングル」「格差社会」の生みの親、山田昌弘氏書き下ろし解説。

感想・レビュー・書評

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  • 著者バウマンの生い立ちを最後に眺めていたら従軍経験者だった。事情で除隊された後に社会学を研究していたとのこと。
    生死を彷徨う状況を経験し後の人生のための社会や自己に向き合うきっかけになるのだろうか。
    また学び始める年齢差に優劣はないことにも気づいた。

    本書は幸福を古典思想家の知恵を拝借しながら考察している。共通しているのは待てなくなった現代の社会
    通信も交通も情報も瞬く間に広がっている
    遅いと不安になってしまうのは必然なことで、テクノロジー社会がイデオロギーをつくり上げているからだ。それに抗おうとするのではなく社会の構造をまず理解すること
    つまり幸せを得るためには不幸せを避けることから考えてみよう。自分をコントロールができていない状態は後にも先にも何かに支配され無意識に選択を操作されている危険性を孕んでいる。
    ニーチェの「超人」とは、自分を表現しルールや義務を無視できる逞しい者のこと。
    エピクロスは「心の平静」が幸せの証と説いた。
    ハイテガー「投企」として、人間は何もかも被選択の世の中を生きていると認識している。

    それぞれの偉人が考える幸せを検討することで
    折り合う自分の中の幸福を見つけていきたい。
    時間に押されて生きている意識をまず変える。
    うまく組み込むことの等価で余白を残しておくといい。現在のところ私にとっての価値は自由だ。

  • バウマンの幸福論。リキッドモダニティの時代の幸せとは。我々は人生のアーティスト。自分で幸福を構築しなくてはいけない時代になっている。

  • 私たちは幸福になろうとする希望を失わない限り幸せになれる。
    失望は知恵の生みの親であると同時に活動への刺激である。どんなに抵抗したとしても人生は不確実性とともにある。誰もリスクから逃れることはできない。

  • 361:Ba

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著者プロフィール

1925年、ポーランドのポズナニのユダヤ人家庭に生まれる。ナチス侵攻によりソヴィエトに逃れ、第二次世界大戦後ポーランドに帰国。学界に身を投じワルシャワ大学教授となるが、68年に反体制的知識人として同大学を追われる。イスラエルのテルアヴィヴ大学教授などを経て、現在リーズ大学名誉教授、ワルシャワ大学名誉教授。現代の社会学界を代表する理論家である。邦訳書に『個人化社会』(青弓社)、『コラテラル・ダメージ――グローバル時代の巻き添え被害』(青土社)、『コミュニティ――安全と自由の戦場』(筑摩書房)、『リキッド・ライフ――現代における生の諸相』『リキッド・モダニティ――液状化する社会』(ともに大月書店)、『廃棄された生――モダニティとその追放者』(昭和堂)など多数。

「2012年 『液状不安』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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