金融危機後の世界

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制作 : 林 昌宏 
  • 作品社 (2009年8月31日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861822520

金融危機後の世界の感想・レビュー・書評

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  • <概要>
    筆者は、ロナルド・ドーアらが主張するように金融業界のインサイダーが不当利益を得ており、さらに金融工学を駆使して国民所得を不当に得てかつ毀損していると主張している。
    →「金融システムは、広範囲に腐敗している」

    <感想>
    グローバル経済に対して否定的な見解を示す。彼はグローバリゼーションの趨勢についても、超国家規模での規制は可能であると主張する。ピグー税などは私も導入すべきだと思うが、やはり超国家規模での官僚組織が出来ない限り導入は難しいかもしれない…

    こうしたことから、

  • 貧者に借金背負わせて儲けている奴がいるということだ。

  • 第七章が面白い。
    携帯電話による金融市場の潜在性は今後注目したい。

    追記部分のアタリインタビュー
    今後日本が財政再建するには、
    短期的には「歳出削減」と「増税などによる歳入の拡大」、
    長期的には「経済成長力の回復」と「人口増加政策」
    とある。

  • 資本主義あるいはバブルの歴史を振り返り、資本主義消滅一歩手前までのカウントダウンを克明に描きその背景を説く、そしてその後の世界を描き問題点を挙げその処方箋を提示する。

    2009年9月の発売された本が積ん読になっていたのを発見し、読んでみたものの今さら感が漂う^^;他のリーマンショック関連の書籍と同様金融をやり玉に挙げて規制強化を謳っているのだが、地球規模でとの主張が斬新。

    更に、金融だけではなく、労働問題、社会保障そして産業の振興など話は多岐に及ぶ、世界が密接に結びつき少なくともネットでの繋がりでは地球村とも言える今日、このレベルでコントロールする必然はある意味良く分かる。

    ただし、日本人から見ればとても文化的に近いと思うヨーロッパでさえあれほどの困難に直面しているのを見ると、地球規模などとても気の長い話になりそうだ。先ずは地球規模でものを考えていくことから始めることかな。

  • ジャックアタリは大きな歴史の流れの中で俯瞰的に問題を位置づける能力が抜群。

  • 賛同はできませんが、面白い本です。
    金融業界の内部にいて、金融資本主義から(働かずに)利潤を掠め取る人々を「インサイダー」と名付けて、彼らを批判しています。
    投資銀行経営者、ファンドマネージャー、証券化商品を組成するクオンツなどを念頭に置いているのでしょうか。
    善悪の価値判断は含んでいないと書いていますが、かなり感情的な記述も少々見られます。
    また、著者及び訳者が金融業界の用語や会計処理には精通していないためか、ところどころ誤解や理解不足(IFRSのくだりなど)と思われる部分もありますね。
    「人類の88%は金融機関にマネーを預けることができない(預金口座を持つことができない)、人類の63%は融資や保険などの金融サービスを受けることができない」との記述もありました。これは興味深いです。
    金融市場の規制強化、ただし、官僚の裁量ではなく、公正で情報開示を持ってする資本市場の発展が必要。貧困は金融市場の発展で解消できるというのは私の考えとして変わりません。
    社会主義的な規制強化やオキュパイの連中への同情など、とうてい賛成できないことも書いていますが、面白い一冊です。

  • ジャック・アタリが評価される理由が私にはワカラナイ。著作を読んでもやっぱりよくワカラナイ。

  • 金融システムの専門用語がでてくるので理解するのはかなり難しい。この本によって金融危機がまだ終わってなくて、アメリカがなぜサブプライムローンの問題を完全に払拭できないかわかる。アメリカの極端な所得格差は現在でも何も変わらない、また国家、中央銀行による大規模な資金支出、国有化に伴う債務引き受けで、民間の債務が国家債務に変わっただけである。しかし、私が一番感心したのは、第5章・危機の根源にあるもの、それは西洋の根源的価値観である個人の自由にあると言う。個人の自由に基盤を置く市場民主主義は全ての分野で個人の自由を優先させた結果、社会的連帯は影を潜め、優先される価値観を不誠実に変えて、雇用の安定、法の秩序を破壊した。インサイダーといわれる金融関係者は儲けるチャンスは全て自らのために利用した。アタリは行き過ぎた、金融資本主義を法制度に囲い込むことが重要だという。その具体策もミッテラン大統領の特別補佐官であり、ヨーロッパ復興銀行の初代総裁であったため構想力、実務力も際立っている。

  • 引用した次の「四つのシンプル真理」には深く共鳴した。
    ・われわれ各自が、社会的制限なく身勝手に行動すると、自らの利益だけを追求はじめ、その果てに自らの子孫の利益さえも奪い取ってしまう。  

    ・他者の幸せは自らの利益でもあることに、われわれ各自が気づいてこそ、人類は生き延びることができる。  

    ・いかなる種類の仕事であれ、労働(とくに利他主義に根ざした労働)だけが、富を得ることを正当化できる。   

    ・唯一、本当に希少なものとは”時間”である。人々の自由時間を増やし、人々に充実感をもたらす活動に対しては、とくに大きな報酬がもたらされるべきである

  • 少し前に出されたジャック・アタリの訳本ですが、今だからこそ読む必要があると思いまして。
    過去の起こった金融危機についてオランダのチューリップバブルからロンドン危機、アメリカの世界恐慌やリーマンショックまで詳しく解説。本の下段に用語解説があり、非常に読みやすい1冊。暗黒の木曜日で有名な世界恐慌って1929年の今日なんですよね。日月神示によると今週末がマヤ暦の最終タームとか。世界恐慌、隕石落下、同時大地震が起こらないことを切に願っています。

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金融危機後の世界の作品紹介

「サブプライム破綻」「世界金融危機」を、前著『21世紀の歴史』で予見し、世界がその発言を注目するジャック・アタリ。日本でも、特別番組『ジャック・アタリ緊急インタヴュー』が、NHK総合で二日連続放映(09年5/4‐5)され、大きな話題を呼んでいる。本書は、危機に至った世界経済を緻密に分析し、それを800年にわたる資本主義の歴史から壮大なスケールで比較検討し、金融危機後の世界を見通し、金融資本主義のゆくえを論じたものである。

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