ガンディーの経済学――倫理の復権を目指して

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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861823022

感想・レビュー・書評

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  • 1393夜

  • 歴史は繰り返す。ドッグイヤー、マウスイヤーとも呼ばれるほど、時代の移り変わりが激しい。そういった時代においてはつい80年前を振り返ることも非常に価値があるのではないか。インドを中心として第三世界に大きな政治的影響を与えていたマハトマ・ガンジー。彼の経済に係る活動を中心にまとめられている一冊。「非暴力・不服従」や「塩の行進」など社会的活動にばかり側面が目立つガンジーであるが、彼が当時、経済的な施策として実施していた「農村地域による糸車の普及」。その背景には、イギリス製の綿製品を着用せず、伝統的な手法によるインドの綿製品の着用を呼びかけたことにある。当時の植民地主義による経済的な侵略への対抗であった。保護主義ともとれるガンジーの施策は、倫理的な側面、経済的な側面の両面を満たすことに重きを置き、経済だけでもなく、倫理的な側面を重視するだけでもない第三の道を示していると筆者は述べている。
    昨今、新聞を賑わせているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を考える上でも、また一日5ドル以下で生活しているBOP(Base of the Pyramid)層をターゲットとしたビジネスを考える上で、深い示唆を与えてくれるのではないだろうか。

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