ロシア新戦略――ユーラシアの大変動を読み解く

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制作 : 河東 哲夫  湯浅 剛  小泉 悠 
  • 作品社 (2012年3月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (433ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861823794

ロシア新戦略――ユーラシアの大変動を読み解くの感想・レビュー・書評

  • 2012年9月3日付け読売新聞に掲載された書評によれば、ソビエト社会主義共和国連邦という「帝国」崩壊後のロシアの現実がよく分かる「お買い得」の1冊。残念ながら、あまり分かったという気がしなかった。海外に展開していない陸上の帝国が権威主義的なのは、中心部は議会制民主主義、周縁部は植民地支配というやり方では統一を維持できないからだという説明(133ページ)には、得心が行った。ロシアだけでなく、中国が思い浮かぶ。

  • 1章少し、4章と5章少し。読み終わったことにする。ロシア語圏(こんな言葉ないかも)もロシア語より英語に??ウラジオストクが首都になる時代も来るやも。この2点だけで、少し驚いた。以上。

  • 濃厚な内容に感服だが、この邦題は何とかならなかったのだろうか。

  • ロシアの近現代の地政学状況について詳細に述べている。詳細すぎて部外者には分らない点も多いが、ロシアがソ連の資産を受け継ぎ、帝国の殻を脱ぎ捨てて利権を追求する大国として生きる過程を旧ソ連国家の状況とともに紹介している。

  • ロシア関係の研究者にとっては、あまり目新しいことはなかった。一般の人が読むには、最適なのではないだろうか。

  • ソ連崩壊後の落ちぶれた姿から復活を遂げ、現在では資源を武器に強面外交をとっている(少なくともその様に見える)ロシア。
    本書は、ソ連崩壊後から現在までのロシアとウクライナなどを始めとする(ロシアの)周辺諸国の国内外の変化、現在の利害関係などを詳説した一冊です。

    著者のトレーニン氏はソ連/ロシア軍でのキャリアや西側での学術経験を持ち、また西側の政治過程にも精通しています。
    本書にもこれらのキャリアに基づく様々な分析が載っており、現代ロシアを理解するのには(少なくとも邦書では)最適な書籍となっています。

    内容の方は、序章でソ連崩壊の過程をソ連内部からの視点で解説し、
    続く第1章でロシアを始めとするソ連を形成していた諸国がこの崩壊をどのように受け止め、どの様に対応していったかを解説。

    第2章では、崩壊後、ロシアは周辺諸国にどの様に対応していったのかを詳説した後、
    第3章ではCIS内部でのロシアの経済力、エネルギー資源、1000万人から2000万人とも見積もられている貧しい周辺諸国からロシアへの出稼ぎ移民などに触れ、
    その後の第4章では上記の移民とその背景となっているロシアにおける急激な人口減少及びその影響について解説しています。

    そして第5章では周辺国などのロシア語話者やロシア正教と言ったロシアのソフトパワーの現状を解説し、最終章では今後のロシアのとるべき道についてまとめています。


    ソ連時代、周辺諸国に対して資源を安く売り、彼らから製品を高く買うと言う手段で¨補助金¨を与えて帝国を維持していたが、これに行き詰まり帝国であることをやめ、現在では「生き残るため、そして成功のため、使える手段は何でも使う」と言うスタンスに徹しているロシア。
    著者はこの現代ロシアを「資源に極端に依存し、製造業の競争力は無く、汚職の蔓延など問題が山積みとなっている」と述べ、ロシアの大国としての復活の為にはこれらを改め、国力を充実させ、周辺諸国から一目も二目もおかれる強力なソフトパワーを持つ国家になるべきだと主張しています.

    本書によれば現在、ロシアは東欧、コーカサス、中央アジアに対して安全保障上の観点から関心を抱き、同時にこれらの地域において経済的、文化的に主導的な立場に立ちたいと考えており、決して彼らを支配しようとは考えてはいないとの事。
    (仮に支配したくてもその力はない)
    そうであれば、著者の国力回復に伴うソフトパワー増強戦略は理にかなうものと言えるかと思います。

    しかし、同時に著者は、ソ連崩壊という圧倒的な権威の崩壊をその肌で感じた現在のクレムリンの住民たちが「ピョートル大帝たらんとしながら、ゴルバチョフのような末路をたどることを恐れ、さしあたってブレジネフの様にふるまっている(石油などの資源からの利益をばらまいている)」と指摘しており、
    ロシアが今後著者の主張通りにソフトパワー重視へと戦略転換を行えるかは不透明な状況です。

    この様にソ連崩壊の混迷から抜け出そうとあがき、混迷しているロシア。
    この国を単に「資源を背景に強面外交をしかけてくるだけの存在」とみなすのではなく、その現状と問題、ニーズなどを理解したいのであれば(上記しましたが)最適な一冊ではないかと思います。

    ロシアを正確に理解することに興味をお感じであれば、是非一読を。

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ロシア新戦略――ユーラシアの大変動を読み解くの作品紹介

2012年、ロシアは大きな転換点を迎えた。ソ連崩壊20年、プーチン大統領の復活、そしてアラブの春に続き民主化運動も噴出した。本書は、欧米にも深いパイプを持つロシアを代表する専門家が、エネルギー資源の攻防、ロシア・中国・米国によるユーラシアの覇権を賭けた"グレートゲーム"、旧ソ連諸国の内情、そして日本との関係などについてまとめた、21世紀ロシアとユーラシアの現在と未来を知るための必読書である。

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