《日本の思想》講義――ネット時代に、丸山眞男を熟読する

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861823961

感想・レビュー・書評

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  •  何となく「戦後民主主義」が気になっていて、ガラにもなく、お勉強のつもりで読み始めた。「日本の思想」は、ぼくたちの世代にとっては岩波新書の定番で、今40代くらいの世代の方には教科書の定番「であることとすること」の親本だ。
     仲正先生は、おそらく教科書の定番とお出会いになった世代の方だが、なんとなく突き放した対象として読まれていることが、ぼくには心地よかった。
     それにしても「戦後民主主義」はほろんだのだろうか?そんな感慨が繰り返し思い浮かぶ「お勉強」だった。
     ブログにも感想を書きました。覗いていただければ嬉しい。
     https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202104030000/

  • 丸山の「日本の思想」に現れるいろいろな表明を、その視点や背景と絡めてわかりやすく講義してくれている(ようだ)。

    前半は面白かったのが、後半は、丸山のテクスト自体も密度が下がるパートとなるためか、仲正の話も脱線がちで、『「日本の思想」講義』というのと少し違うかな?という印象。

    また、副題の「ネット時代に」という言葉が何のことかな?と思ったが、ネットの厚みが増えて「イメージ」の領域が増殖する現下において・・という絡みでテクストと相関するくらいなので、「今現在において」丸山を読み返すということの意味づけは希薄。

  • 丸山真男の「日本の思想」(1961年発刊)を元に、当時の状況、または制度を海外から輸入した概念を使って、日本の現代の問題について言及した本である。

    元々は、紀伊国屋で行ったトークセッションを書籍化したもので、丸山眞男の日本の思想とは書いてあるが、周辺の哲学・思想を使って、現代の問題の裏にある思想などを紹介している面が強い。

    著者が書いている、現代の問題を教養で再定義し、理解しようとする面が強い。個人的には、丸山眞男の思想と教養主義の復権という印象をもった。

    6回の講義で、6つのテーマによって書かれている。それぞれの有名な思想は書いてあるが、それらを簡単に理解し、本書を読むと現実問題の応用編的に読めるのではないかと思う。実際のトークセッションの雰囲気を生かすために文章も会話調であるので、わかりやすいとは思った。

著者プロフィール

哲学者、金沢大学法学類教授。
1963年、広島県呉市に生まれる。東京大学大学院総合文化研究科地域文化専攻研究博士課程修了(学術博士)。専門は、法哲学、政治思想史、ドイツ文学。難解な哲学害を分かりやすく読み解くことに定評がある。
著書に、『危機の詩学─へルダリン、存在と言語』(作品社)、『歴史と正義』(御 茶の水書房)、『今こそア ーレントを読み直す』(講談社現代新書)、『集中講義! 日本の現代思想』(N‌H‌K出版)、『ヘーゲルを越えるヘーゲル』(講談社現代新書)など多数。
訳書に、ハンナ・アーレント『完訳 カント政治哲学講義録』(明月堂書店)など多数。

「2021年 『哲学JAM[白版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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