性の進化論――女性のオルガスムは、なぜ霊長類にだけ発達したか?

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  • 作品社 (2014年7月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861824951

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性の進化論――女性のオルガスムは、なぜ霊長類にだけ発達したか?の感想・レビュー・書評

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  • 現代社会の理不尽さに疑問を持っているすべての人に
    クジケずにこの本を最後まで読み通してほしいと願う

    複雑さを装うことで責任回避している社会制度とか道徳とか
    嘘と秘密にまみれた法律や政治に関する視野を広げ
    思い込まされている罪悪感や競争原理や権利意識という洗脳から
    解放されながら諦めて来た平和的調和の可能性を再認識できる筈だ

    不安恐怖をばらまいて脅した上で縄張りによる保証を売り込む
    保険制度や金融システムと同じように
    男世界の嘘と秘密の支配政治と繋がった道徳で縛る宗教組織や
    科学におけるダーウィニズムの暴力的勝ち抜き進化論が
    もっともらしく市民を手なずけるためにセックスの罪悪感という
    首輪をはめて一夫一婦の手綱を着けていることを読み取れるだろう

    この本は実に多くの証拠を揃えて
    一万年近くの男社会の歴史が積み上げてきた
    隠された支配の仕組みの一部を開示してくれる
    例えばハグし合う事でお互いの存在を認めることだとか
    単に敵でないことを表す言葉として
    ハグすることをオジギや握手と同じように使う
    セックスも同じ意味で歓迎するとか
    共にお茶囲んで理解を深めることに使う
    自然界では必ずしも異性に対するだけでなく
    同性同士で抱き合うことも不自然だと断定できない

    お礼だったりモテナシだったり力付けだったり
    援助だったりもするだろうし
    気晴らしだったり欲望だったり好奇心だったりもするだろう

    人間や類人猿のボノボにとってのセックスは
    排卵に関係なく行われるわけで
    増殖のために妊娠することだけを目的としていないし
    むしろ心が満たされたり癒やされたり緊張から解放されたり
    活力を得たり信頼の確認だったりするための
    手段であることの方が多いだろう

    繁殖だけを目的とする動物の交尾には雌に取り入ったり
    オス同士の体を張った争奪戦で傷付くが
    より広い意味での繁殖に解放された
    楽しみを分け合い同盟を結ぶ外交的セックスにおいては
    義務でも権利でも責任でもなくなり
    言語以上に母性社会による支配権のない平和的調和を創りだす
    手段ともなる

    それに引き換え依存による男性支配社会では
    お互い同士の物欲と嫉妬で分離し合ってしまう
    いやが上にも管理し合うことになる一夫一婦制度の奨励と洗脳で
    搾取を容易にする極めて狡猾で卑しい縄張り組織で首を絞め合う

    結婚制度という社会的価値観は見え透いた建前であって
    個々における本音と違う
    遺産などの権利で追い込んで社会に宣言させる結婚は
    自主的軟禁制度であり貞操帯やコルセットや纏足や姦通罪などの
    性に対する罪悪感の植え付けと共に
    所有欲と損得感からなる搾取するための手法である

    金融資本主義の組織的多勢に無勢の罠から逃れて
    参加市民の全員が対等で自在な分け合う共生環境を創るには
    この性と食と情報に掛けられた罠を理解し卒情しなければならない

    日本語版の題名を見ると恍惚感に関するプライベートな内容を
    論じているように見えるけれども
    原本では《夜明けの性》つまり
    セックスにおける暗黒時代からの脱却だという
    私達人間が当然だと思い込んできた常識や道徳といった
    善悪観からの解放で自ら今後の地代を選ぶ大きな要因になるのだろう
    この常識に陰には為政者達が自らを守るために宗教組織を引き込んで
    民衆を未知の恐怖で洗脳し手なづけておくことに
    どれだけ苦労してきたかを垣間見ることができる
    と同時に
    《性淘汰》を中心に見た人間社会をあらゆる角度から検証している

    封建時代から今日までの物質に依存した男社会に
    すっかり飲み込まれてしまった現代人の脳味噌は
    支配者が搾取するのに都合のいい一夫一婦制度や各家族意識や
    中央集権制度による都市化や男尊女卑や競争原理や
    道徳や善悪観などの社会的価値観や
    過去を引きづった未来を契約という約束で取引する権利意識など
    通説=スタンダードナラティーブとして
    本音と建前で矛盾した内容を確認することすらはばかられる
    天性のものだと思い込まされて来たことを紐解いている

    どうやら精子の強いものが勝ち抜くのでなく
    卵子にとっての精子の相性によって卵子が持つ遺伝子的分子の
    個性が相性のいい分子を選んでいるらしい
    そのために女性性器は様々な仕組みで排除したり取り込んで
    お似合いの精子を選ぶことになっているらしい
    つまり一夫一婦ではなく多夫多妻こそが本来の姿だったという

    どうやらこの世の決着は生命である人間に本性などなく
    水がその環境によって個体であったり
    液体や気体であったりすることと同じように
    全ては背景となる環境の選択によってつくられた
    変化し続けるものだということのようだ
    とこの本で言っているようだが

    今の私は人生のいてこの本賞なるものを探し出すべく
    この世という生命圏が相対性時空間を背景として
    生まれたのだと考えている
    従って人生が目指す目的はこの本書運も発見であり
    それこそが調和という無限なる絶対を目指すことではないだろうか
    言い換えれば私達の生き様は永遠の冒険による無限性へと向かう
    体験のプロセスだということだ

    この本に関連する本として
    長谷川寿一「進化と人間行動」 東京大学
    長谷川真理子「オスとメス=性の不思議」講談社
    「バージン・処女の文化史」 ハンナ・ブランク
    「アナル全書」 ジャック・モーリン
    「オルガスムの科学」 ビバリー・ウィッツプル
    「盆踊り」下川 耳火 史
    「おなら大全」ロミ シャン・フェクサス
    「マスターベーションの歴史」石川弘義
    「乱交の文化史」バーゴ・パートリッジ
    「オルガスムの歴史」ロベール・
    「体位の文化史」A・アルテール
    「ヴァギナの文化史」イエルト・ドレント
    「ペニスの文化史」 M・ボナール
    「お尻とその穴の文化史」J・ゴルダン
    などがある

  • 「人類の本性に合っているのは、一夫一妻ではなく乱交である。」
    本書を荒っぽく要約するとこうなる。

    このことが、
    ・農耕を開始するまで狩猟採集民であった人類の生活様式(ここでは、食料や性などあらゆるものについての「平等主義」があった。乱交こそが、環境に適応し、生存確率を高める上で最善の手段であった。)
    ・人類に最も近縁な霊長類ボノボの性行動
    ・世界各地の少数民族に見られる生活様式
    ・現生人類の(他の霊長類と比べて)巨大なペニスや睾丸、膨らんだ乳房などの身体的特徴
    といった多数の証拠に基づいて説得的に述べられる。


    ホッブズが前提としていた、原始において「闘争状態」であったという人類像は、ホッブズが生きていた当時の荒廃したヨーロッパの世相というバイアスによるものであり、実際の先史の狩猟採集民たちは、これと相反して、性行動としては乱交を基本とした、平等で平和な暮らしをしていた。
    農耕を採り入れてから、人類の生活は(嫉妬、紛争、戦争、病気の発生などいろいろな意味で悪しき方向へ)大転換した。
    「一夫一妻こそが至上」というのは、農耕開始以降、人為的に生み出された「文化的」産物である。
    これまで数多の宗教、思想、道徳、政治etc.が、禁欲や貞節などを説いてきたが、結局、どれも人間の本性を根本的に変えるには至っていない。

    人類にとって望ましい生き方や性行動とはどんなものか?
    本書は、その問いを考えるきっかけを与えてくれる。

    非常にエキサイティングな一冊。

  • 図書館

  • 「人間という種は本質として一夫一妻である」という通説
    に対して、そうではなく、ボノボ的な乱婚の状態こそが
    人間の本来の姿であるとする説を主張し、大いに物議を
    醸した本。この本を読んだ限り著者の主張はすんなりと
    腑に落ちるし、少なくとも真面目に取り上げて研究するに
    値する説だと思うのだが、この本は「通説」に対する攻撃
    が必要以上に繰り返される印象で損をしている気がする。
    もっとも欧米ではそれくらい「通説」が科学的にという
    よりは倫理的精神的に強固な砦を築いているということ
    なのかもしれない。

    我々は狩猟生活には戻れはしないのだから、人間の本質を
    しっかりと正しく捉えてそれに基づいた生活を送るという
    ことは重要なことであろう。もちろん乱痴気な生活を
    薦めているわけではない(笑)。

  • 農耕は貧困を生み出した
    人類は本質的に残忍だったというのは間違い


    セックスをコミニケーションツールとして活用する愛と平和の人類のいとこボノボ


    乱婚型狩猟採集民
    果物もたくさんあるし、魚もいっぱいいる、小鳥もいっぱいいるから、幸せで満足している
    結婚も乱婚型。
    誰もが父親であり、誰もが母親


    人類は、昔は乱婚だったから(部族によってはいまも)、ゴリラとかよりも雄の睾丸が大きい
    乱婚だから部族内のほぼ全員がセックスするため、精子競争が活発ということ
    精子競争を示唆するような映像や画像を見て射精する場合の方が、単に女三人が露骨な格好をしているものを見て射精するよりも、精液に含まれる精子の割合がはるかに大きくなる


    他の精子を吸い出すデザインとピストン運動、チンパンジーやボノボより頻度は少ないが多量の射精、一夫多妻や一夫一妻の必要程度をはるかに超えた睾丸の大きさとリビドー、一夫多妻や一夫一妻システムの霊長類には見られないと思われるDNAによって素早く対応できるよう制御された睾丸組織、射精一回あたりの精子数がチンパンジーやボノボよりはるかに多い、外部にぶら下がった傷つきやすい陰嚢という冷蔵庫、女性はスロースタター

    母親と子供との間の身体的な絆を妨げない文化、思春期のセクシュアリティの表現を禁じない文化は、暴力が、個人間においても、社会間においても、はるかに低い水準にとどまっているらしい


    女性の性行動をコントロールすることへの男性の強迫観念は、人間の本性にもともと備わっているものではなく、農耕とともに出現した経済的な条件への反応



    その他豆知識的なもの
    ⭐️昆虫の種のいくつかでは、卵子をめざすレースに参加するレースにエントリーする精子が100以下だったりする
    ⭐️ミバエのいくつかの種では、まっすぐに伸ばすと6cmにもなる精子をもつ者がいる
    ⭐️人間の雄のペニスは特異な形をしており、ピストン運動をすることにより女性の性管を真空状態にし、先立って注入された精子が卵から吸い出される。射精すると頭部は縮み、軸の膨張も失われるので自分の精子は吸い出されない。

  • 今年読んだ中で、最も面白い本で大変勉強になった。
    題名だけ見ると際物ぽいが、内容は極めて真面目。一夫一妻制があたりまえと考えら、そこから倫理観や貞操観が形づけられているが、人類の長い歴史や人間という動物の本質からみると、その考えがいかに偏っているかがよくわかる。
    農耕と定住が人類の繁栄と進歩を促し、多くの人を養うことができたというのが通説だが、むしろ貧富の差(階級)や闘争を生み出してきたという指摘には、深く頷いてしまった。
    一夫一妻制と核家族化の弊害は、少子高齢化社会を迎え顕著になってきているが、ここで立ち止まって、社会のありかたも考え直すべきではないだろうか。
    この本は、その際に参考とするのにも最適だと思う。

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性の進化論――女性のオルガスムは、なぜ霊長類にだけ発達したか?の作品紹介

パンツを穿いた"好色なサル"は、20万年にわたって、どのような"性生活"を送ってきたか?今後、人類のSexはどう進化するのか?本書は、進化生物学・心理学、人類学などの専門分野の知見をもとに、人類20万年史における性の進化をたどり、現在の私たちの性と欲望のあり方の謎に迫った「性の進化論」である。米国で『キンゼイ・レポート』以来と言われる"大論争"を巻き起こし、世界21か国で翻訳出版されている。

性の進化論――女性のオルガスムは、なぜ霊長類にだけ発達したか?はこんな本です

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