心は燃える

  • 作品社
3.00
  • (0)
  • (0)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 34
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861826429

作品紹介・あらすじ

幼き日々を懐かしみ、愛する妹との絆の回復を望む判事の女と、
その思いを拒絶して、乱脈な生活の果てに恋人に裏切られる妹。
先人の足跡を追い、ペトラの町の遺跡へ辿り着く冒険家の男と、
名も知らぬ西欧の女性に憧れて、夢想の母と重ね合わせる少年。
ノーベル文学賞作家による珠玉の一冊!

ペルヴァンシュはまたもかたくなになっていた。クレマンスが表しているものすべてを、社会的地位だの、責任だの、権威だのを憎んでいた。ある瞬間、こんなあばら家を出て、あんなひどい人たちから遠く離れたところに行けるようにあなたを助けてあげられるわ、お金を貸してあげられるわと、ぎこちなく口にした。ペルヴァンシュは猛然と反発した。(「心は燃える」より)

きっと、アリがひとこと頼みさえしたら、サマウェインは自分の宝物を見せただろう。手紙の束を、何枚もの黄ばんだ写真を、そしてなによりも、女性の腕に抱かれた赤ん坊がうっすらと写っている写真を。海の向こうからやってきた金髪の女性、父を連れて行ったその女性を、サマウェインは母と呼んでいる。(「宝物殿」より)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 私の人生のベスト10冊を選ぶとしたら、一番がル・クレジオの「海を見たことがなかった少年」で、この作者が書いたものをもっと読みたい、と手に取った一冊。読み応えはあったし、面白いとは思ったんだけど「海を〜」を超えるほどではなかったのでマイナス星2つでした!

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

(Jean-Marie Gustave Le Clézio)
1940年、南仏ニース生まれ。1963年のデビュー作『調書』でルノドー賞を受賞し、一躍時代の寵児となる。その後も話題作を次々と発表するかたわら、インディオの文化・神話研究など、文明の周縁に対する興味を深めていく。主な小説に、『大洪水』(1966)、『海を見たことがなかった少年』(1978)、『砂漠』(1980)、『黄金探索者』(1985)、『隔離の島』(1995)、『嵐』(2014)、『アルマ』(2017)など、評論・エッセイに、『物質的恍惚』(1967)、『地上の見知らぬ少年』(1978)、『ロドリゲス島への旅』(1986)、『ル・クレジオ、映画を語る』(2007)などがある。2008年、ノーベル文学賞受賞。

「2024年 『ブルターニュの歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ル・クレジオの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヴァージニア ウ...
アンナ カヴァン
劉 慈欣
エリック・マコー...
ル・クレジオ
M.バルガス=リ...
J・M・G・ル・...
ウンベルト エー...
フォークナー
ヘミングウェイ
パトリック・モデ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×