自由貿易は私たちを幸せにするのか?

  • コモンズ
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  • Amazon.co.jp ・本 (167ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861871399

作品紹介・あらすじ

いま世界中で自由貿易に対する疑問の声が湧き上がっている。
トランプのアメリカ、EU離脱のイギリス……。
自由貿易を推進していくと普通の人びとの暮らしはどうなるのか、そもそも貿易をどう考えたらよいのか。
内外の研究者・NGOリーダーがわかりやすく論じる。

感想・レビュー・書評

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  • Yotsuya

  • 5大メガ経済連携協定=TPP、TTIP(大西洋)、RCEP(東アジア)、日本EU経済連携協定、TiSA(新サービス貿易協定)。停滞している。

    貿易はモノからサービスへ。投資、金融、知的財産、電子商取引の自由化を目指している。
    大企業によるISDSを使った各国への提訴。

    貿易は、今や多国籍企業の社内取引と同じ。

    関税で農家を守るのはウルグアイ・ラウンド時代の古い考え方。補助金や地域助成策で農家を守る=国内政策の問題。

    TPPの利益者は、多国籍企業とベトナム(低賃金の労働人口が多い)

    日本の農業は肥料などお環境負荷が大きい。日本農業の輸出は、環境団体から批判される可能性がある。

    NAFTAで雇用は増えなかった。TPPも同じ。
    ISDS訴訟が急増している。

    RCEPは秘密交渉.TPPと同水準。

    TPPによって、アメリカと日本はマイナス成長。雇用の減少。労働分配率の縮小。

    多国籍企業の問題。タックスヘイブン

    グローバルタックスの提唱。
    情報の透明化、国境を超えた課税。
    航空券連帯税の効果。金融取引税の導入。

  • TPPをはじめとした自由貿易協定は、要するに特定の多国籍企業の都合がいいように決められたものであって、本当の意味で市民社会のためになるものではないという主張をする。企業活動による環境破壊や人権侵害を市民側が負担することのないように、貿易協定には企業側を縛るルールが必要と説く。本書だけで貿易協定通になるというわけにはいかないが、こうした視点の紹介としてはよくまとまっていると思う。

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著者プロフィール

1965年生まれ。大阪大学大学院法学研究科博士前期課程、カールトン大学大学院国際関係研究科修士課程修了。博士(学術、千葉大学)。国連食糧農業機関(FAO)住民参加・環境担当官、千葉大学大学院人文社会科学研究科准教授等を経て、現在、横浜市立大学国際総合科学部国際都市系グローバル協力コース大学院都市社会文化研究科教授。専門は、グローバル政治論、グローバル公共政策論。グローバル連帯税推進協議会委員、横浜市税制調査会委員、グローバル・ガバナンス学会理事、国際連帯税フォーラム理事。
著書に『不平等をめぐる戦争:グローバル税制は可能か?』(集英社新書 2016)、『グローバル・タックスの可能性:持続可能な福祉社会のガヴァナンスをめざして』(ミネルヴァ書房 2009)、編著に『グローバル・タックスの理論と実践:主権国家体制の限界を超えて』(日本評論社 2019)他がある。

「2022年 『談 no.123』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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