モンティ・パイソン研究入門

  • 白夜書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861911538

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  • モンティ・パイソン研究入門

  • 私には難解でした。

  • 注・ここから先の感想は、何故かカラマーゾ風に、ドミートリィ(ミーチャ)の科白に乗せてお届けします。

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     あずまやの中には、地面に埋めこみになっている緑色の木のテーブルがあり、まわりに、これもやはり緑色のベンチが置かれていて、まず坐ることができた。
    「アリョーシャ」ミーチャが言った。「スダって男の解説だがな、興味深く読ませてもらったよ。待て、帰らんでくれ、アリョーシャ、頼むから最後まで聞いてくれ。その通りだと思うのさ。パイソンが、パイソンを観たやつらの中で生き続け、魂を安楽にするんだってとこに、まったく同感だよ。”インストール”とはうまく言ったもんだ!もっとも、これが『新しいコメディのカタチ』で、モンティ・パイソンはその先駆けだ、なんていうのはおかしな話だがね。かまわんさ!パイソンの本なんだから。俺が言いたいのはもっと別のことだ。ここからが本題だぜ、アリョーシャ。俺はね、どうしても腑に落ちないのさ。何って?まぁ、黙って聞いてくれよ。パイソンが俺達に与える影響は、本当に良いものだと言い切ってしまえるのかどうか、って問題さ。『新しい戦争の受け入れ方』だと?アリョーシャ、考えてもみろよ、戦争なんてものは、受け入れ方よりも、拒み方を探すべきなんじゃないか。笑われるかも知れんが、俺はな、戦争は無くせると信じているんだよ、本気でだ!ふむ、こんな風に言うと、揚げ足取りをしているように聞こえるかも知れん。誤解せんでくれよ。俺は『モンティ・パイソン的な世界の捉え方』が、場合によっては危険になり得るんじゃないか、と、こう言いたいだけなんだから。たしかに、駆逐艦シェフィールドの連中の心にインストールされたパイソンは、素晴らしい効果を発揮しただろうよ。だがそれはな、どうしようもない状況だったからなんだぜ。まだ助かりそうな見込みがあるうちはどうだ?むしろパイソンなんて、持ち出さない方がいいんじゃないのか?俺は”笑い”についてはさっぱりなんだが、一つだけ思うところがある。人が笑っているときっていうのはな、客観的になっているもんだよ。そうだろ?つまりだな、何かを笑おうとすると、まずはその対象を他人事として受け止めなきゃいかんわけだ。死に方コンテストのスケッチを思い浮かべてみるといい。ジンギス・カンやら、ネルソンやらの、死に方の華麗さを比較して、点数まで付けちまうやつさ。こんなスケッチがあるから、パイソンを観終わった直後は、死ぬことさえあんまり恐くなくなってるんだな。まるで宗教みたいじゃないか。へ、へ、へ!ええと、なんだったかな・・・お前が欠伸なんかするから忘れちまったよ。そう、駆逐艦シェフィールドの話だ。やつらは助かったのかな、乗組員たちは。実をいうとその事ばかり気掛かりなんだ。だってさ、もし助けが来なくて、海のまん中でくたばるハメになっていたらだよ、それはパイソンのせいなんじゃないか。歌なんか思い出させやがってさ。歌う暇があったら、水を汲み出すとかなんとか、努力する手立てがあったんじゃないかって、そう思うんだよ。分かるか?俺の言いたいことが。パイソンは俺達をあきらめモードにしちゃうのさ。まるでどこか遠い場所の物語を観賞してるみたいにしてな・・・”スペクタクルの社会”とか言ったっけ。そんな言葉を見掛けたな。俺にはなんのことやら、よく分からなかったんだが・・・」
     ミーチャはテーブルに片肘をつき、てのひらに頭をのせて、しばらく考えこんだ。
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  • モンティ・パイソンのスケッチを、その「おもしろさ」自体とはあまり関係のない地点から、広く浅く考察した書物。
    これではちょっと物足りない。

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