電波男

著者 :
  • 三才ブックス
3.55
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本棚登録 : 273
感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861990021

作品紹介・あらすじ

もはや現実の女に用はない。真実の愛を求め、俺たちは二次元に旅立った。モテない男達から圧倒的な支持を集めるWebサイト『しろはた』主宰が遂に動いた!キモメン・ニート・彼女いない歴=年齢の妄想電波系オタクが激白する、俺たち(=キモオタ)に残された最後にして最高の純愛とは。

感想・レビュー・書評

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  • 現代日本を社会学とオタクの視点から分析した本。

    本書に書かれている事柄の約9割は、自分が昔から思っていた事柄だった。
    本田氏が自分の意見んを代弁してくれているようで、読んでいて熱くなった。

    私個人の意見としては、本田氏の主張する理論は正しいと思う。
    実際、生きている上で、本書に書かれているような経験をしてきたし、自分の周りの世界を見る限り本書に書かれている状況と一致している。

    日本の現状、社会学を学びたい人にオススメの本!

  • 文庫本もあり

  • 本書の内容を敷衍して書かれた『萌える男』(ちくま新書)では「キャラクターに萌えるオタクこそが正しい」という、社会関係についての一種の「思想」が語られていました。それに対して本書では、「恋愛資本主義」に毒されてオタクを毛嫌いする女たちと、そんな女たちを食い物にするDQN男たちに対する、著者の怨嗟と呪詛の声が生のままで表出されています。

    「恋愛」は西洋から輸入された概念であり、かつてはごく一部の人間たちだけがそれをおこなっていました。ところが、冷蔵庫やテレビを一般の大衆が手にするようになったのと同様に、だれもが恋愛をするという考えが広く受け入れられ、こうした傾向をメディアがあおり立ててファッショナブルな消費行動へと駆り立てていきます。これを著者は「恋愛資本主義」と呼んでいます

    しかし、消費社会に取り込まれた「恋愛」には、真実の愛は存在しないと著者はいいます。そのうえで、『負け犬の遠吠え』(講談社文庫)のなかで「三十女としてもおたく君と一緒にイタリア料理屋に行って、生のポルチーニと乾燥ポルチーニの味わいの違いについて話す気には絶対になれない」と述べてオタクたちを貶める酒井順子に対しても、「こっちこそ、こんな金にまみれたバブルの遺物のようなオバサンは願い下げである」と噛みつき、恋愛資本主義の欺瞞にどっぷりハマっている「負け犬」たちを嘲弄しています。

    みずからを「キモメン」と規定する著者は、恋愛資本主義の市場で相手にされないオタクだからこそ、恋愛資本主義の欺瞞に巻き込まれることなく、脳内で純愛を構築して「萌える」ことができると高らかに主張します。著者のドロドロしたルサンチマンが昇華されることなく生々しいままで立ち上がってくるような読後感はけっして心地のよいものではないものの、そのエネルギーには圧倒されてしまいました。

  • 図書館で。
    オタクを一括りにするな、という主張はわかるけど、そう言う作者も「モテ男」とか「アラサー女子」みたいに他の人を括ってないかなぁ?
    正直言って、目の前に居る女の子「その人」を見ないで、概念としての「女」を相手にしてたらそりゃあモテないわ。男性も女性も「自分」を見てほしいってのはヒトとして普通の事じゃないのかな、と思うし。
    だから作者がモテないとしたらそれは、オタクだからでは無くて、デリカシーがかけていたからではなかろうかなんて思ったり。

    ところどころ面白そうなんだけど、社会の怨嗟みたいなモノに少し疲れてしまい断念。
    そして、自分をキモオタとか卑下しても、可愛い女の子以外のオタク女子は「腐女子キモイ」とか嫌悪してるんだろう?(笑)だから色々とお互い様なんだと思うんですけどね。なので言ってることが、ブーメランで返ってきてイタク無いのかなぁなんて読んでいて思いました。

  • 共感出来る自分がなかなか悔しい本。
    夜にはびこる「肉食」「草食」の単純な括り方にはとても違和感を感じていたが、著者言う通り「恋愛資本主義」への闘争と「草食」(≒ヲタ)をリンクさせると、ひとつの理解としては、頷けるものがある。
    「あとがき」にある著者の独白は必読です。共感出来る人は多いはず。

  • 女の本質が書かれてた。超オススメ。これと金融日記合わせたら完璧

  • 「恋愛資本主義」の世間に対する「オタクによるオタクの勝利宣言書」

    ある局面だけから見た世界の話だが、ある種の真実は含まれていそうな内容。
    作者の人格がふんだんに著された一冊。
    興味のない方には、ふ〜んって感じの本。

    ただ被災者を救助に来た体裁で、食い物にして遊んで使い捨てにしていく姿には著者同様に怒りを覚えた。

  • モテない男の魂の叫びを書いた本。大事なのはモテるモテないじゃないんだよ!と人類愛を訴えた作品。共感する部分はほぼなく「ふーん」って感じだったが、あとがきまで読んで評価が上がった。ええ、人類愛でいきましょう。電車男のエルメスに対する意見には同感。本当に好きなら、オタク趣味も含めて愛さんかい!Amazonの評価が異様に高いのが気になります。

  • おたくのおたくによるおたくのための勝利宣言書!
    この本に勝てるかそれとも負けるかが、あなたの人生を左右します。
    【熊本大学】ペンネーム:なし

  • たまにはいいか・・・。

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