洗脳論語

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  • 三才ブックス
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861993930

感想・レビュー・書評

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  • 『血肉となっている思想を疑う』

    時代の宗教は「それを宗教だと思っている人がいない」ことが特徴らしい。
    あまりにも浸透した思想は「それが数ある考え方の一つに過ぎない」ことを忘れらてしまうからだ。

    日本人の多くは自分のことを無宗教だと感じている。
    もしくは日本人は「日本教徒」だという人もいる。面白い意見だとは思うが僕はちょっと違う風に考えている。実は日本人は儒教の信者なのだ。

    学校で授業がある「道徳」。
    この言葉は道教の「道(タオ)」と儒教の「徳」を組み合わせてできている。
    言葉だけここから取ってきたのではなく、日本人の道徳心そのものが儒教の思想に彩られている。
    あまりにも血肉化しているため、自分たちの考えが「宗教」によって作られたものに気付くことができないでいる。

    論語で語られる思想は根本的に差別が含まれている。
    君子と小人は生まれながらに決まっており、小人は決して君子になることができないとはっきり言っている。
    これは人を生まれで差別する危険な考えだし、法治国家である日本で許してはならない思想だと僕は考える。

    儒教に潜む問題点を三国志を舞台に描いた『蒼天航路』と一緒に読んでほしい。

  • おもしろいわ

  • ――――――――――――――――――――――――――――――
    新しいものは、未来を見ることで知ることができます。過去を見ることで知るのではありません。70

    例えば、ある土地からレアアースが発見されたとします。これはその土地を昔から重要視していたために発見されたわけではありません。レアアースという物質についての知識を新たに得た上で、その土地を調査したから発見されたのです。新しい視点だからこそ、これまでは何の変哲もなかった土地から新たな発見ができたのです。71
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    孔子が言っていることは、設定するゴールが低すぎてもいけばいが、高すぎてもいけないわけです。テストで30点しか取れないのもよくないですが、100点もよくない、60点くらいがちょうどいいと言っているのです。109

    人は他人からの評価や、自ら気付いたことなどによって、自分に対して何らかの評価を下しています。そして、自分で下した評価の範囲内でしか、パフォーマンスを発揮できなくなります。110

    「過ぎれば、過ぎるほどいい」のです。111
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    どんな田舎町でも本格的に音楽まで用いて徹底的に洗脳する。それが、「鶏を割くにいずくんぞ牛刀を用いん」なのです。136
    ――――――――――――――――――――――――――――――

  • 論語が日本史に及ぼした影響を考えるに洗脳の書というのは、あながち間違っていないと思う。
    宗教的要素が薄いとされた儒教にカルトへの影響を見る画期的な本。

  • 論語は奴隷を作る洗脳書っていう見方が新鮮で説得力ある。僕みたいに論語を読んだことない人でもその影響はたしかに受けてると感じた。
    欧米のサービスと日本のサービスの差が差別意識から来てるっていうのも新しい視点。

  • これはすごい。オーディオブックもゼヒ。

  • 論語の書き下し文と標準解釈に見られる乖離に感じていた違和感。
    カルトの手法「ペーシング」「リーディング」と見れば腑には落ちる。
    現代の論語はもっと穏やかなものになっているとは思うが支配手段として使用されてきたこと、今も義務教育にその残滓があることは違いないだろう。
    論語を振りかざすオヤジに対して鬱陶しいと感じていたら本書でスッキリできるだろう。

  • 論語の洗脳は相当に深く日本人の心に刻まれていると実感。
    いや〜これはまずいとつくづく思った。
    小学校の先生などには是非読んで欲しい。

  • 論語にはどこかに不備があるような気がしていたが、その不備を明解に指摘している。

  • Twitter / @bilderberg54: 洗脳論語 [単行本] 苫米地英人 (著) は面白そう ...
    <http://twitter.com/#!/bilderberg54/statuses/146515812583342080>

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著者プロフィール

認知科学者(計算言語学・認知心理学・機能脳科学・離散数理科学・分析哲学)。
カーネギーメロン大学博士( Ph.D)、同 CyLab フェロー、ジョージメイソン大学C4I&サイバー研究所研究教授、公益社団法人日本ジャーナリスト協会代表理事、日本外交政策学会会長、コグニティブリサーチラボ株式会社CEO 兼基礎研究所長。マサチューセッツ大学を経て上智大学外国語学部英語学科卒業後、三菱地所へ入社、財務担当者としてロックフェラーセンター買収等を経験、三菱地所在籍のままフルブライト全額給付特待生としてイェール大学大学院計算機科学博士課程に留学、人工知能の父と呼ばれるロジャー・シャンクに学ぶ。同認知科学研究所、同人工知能研究所を経て、コンピュータ科学と人工知能の世界最高峰カーネギーメロン大学大学院博士課程に転入。計算機科学部機械翻訳研究所(現 Language Technologies Institute)等に在籍し、人工知能、自然言語処理、ニューラルネットワーク等を研究、全米で4人目、日本人として初の計算言語学の博士号を取得。帰国後、徳島大学助教授、ジャストシステム基礎研究所所長、同ピッツバーグ研究所取締役、通商産業省情報処理振興審議会専門委員、早稲田大学研究院客員教授などを歴任。また、晩年のルー・タイスの右腕として活動、ルー・タイスの指示により米国認知科学の研究成果を盛り込んだ最新の能力開発プログラム「 TPIE」、「 PX2」、「 TICE」コーチングなどの開発を担当。その後、全世界での普及にルー・タイスと共に活動。現在もルー・タイスの遺言によりコーチング普及及び後継者として全世界で活動中。一般財団法人サヴォイア王家諸騎士団日本代表、聖マウリツィオ・ラザロ騎士団大十字騎士。近年では、サヴォイア王家によるジュニアナイト養成コーチングプログラムも開発。日本でも完全無償のボランティアプログラムとして「PX2」と並行して普及活動中。

「2023年 『新・夢が勝手にかなう手帳 2023年度版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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