赤ちゃんの生命のきまり 普及版: 知ってかんがえて育てよう

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  • 言叢社
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862090027

感想・レビュー・書評

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  • ・赤ちゃんの免疫力、呼吸機能の観点から、少なくとも1歳前後までは完全母乳が理想。母子健康手帳に記載されている離乳食指針は市販の離乳食の販促目的で書かれたもので自然の理にかなっていない。

    ・1歳からは重湯、遺伝子組み換えでないスターチ類、白身魚、りんごジュースなどを様子を見ながら与える。そば、ピーナッツ、白身魚以外のタンパク質は生エビ、冷たいものはこの段階では絶対ダメ。

    ・乳児の腸はタンパク質を分解せずに丸のまま吸収するようにできている。母体はタンパク質をアミノ酸もしくはペプチドに分解するので普通の母乳であれば乳児にとって安全だが、お母さんが冷たいものを食べて自分の腸を冷やした場合は別。この場合、腸の働きがくるって丸のままのタンパク質が母体に吸収され母乳に移行してしまう。これがアレルギーの原因となる。

    ・口呼吸があらゆるアレルギー疾患のもと。赤ちゃんに鼻呼吸を定着させるためには良質のおしゃぶりが必要。おしゃぶりを吸っていれば窒息することはない。ドイツのヌーク社製のものがよい。

    ・白血球造血巣のうち骨髄はほんの一部。その他の重要な箇所として咽喉部のワルダイエル扁桃輪(異物が口から入ってきたとき真っ先に免疫物質を作り体中に警告を送る)、腸管上皮および隣接する扁桃リンパ組織、骨端関節頭(局部的な免疫をつかさどる)がある。

    ・体のリモデリング(つくりかえ)のためには大人で8時間、子供で12時間の睡眠が必要。

    ・うつぶせ寝は顔や歯列にゆがみを生じる。暑さ1㎝のドーナツ枕であおむけ寝をするとよい。

  • 2013.9月?(登録忘れてた) 市立図書館

  • 「赤ちゃん」の進化学がより詳細に、さらに「子育て医学」という観点から赤ちゃんの育児について書かれています。

    母乳の重要性はもちろんのこと、赤ちゃんの腸の脆弱さについてもよくわかりました。また、冷たいものを食べない、口呼吸の大切さについては赤ちゃんだけでなく家族の健康にも役立つ内容でした。
    赤ちゃんが離乳食を食べない・・と悩んでいるママにおすすめな1冊。

  • 本書は、母子手帳や一般的な育児書の育児法は間違っていると指摘し、赤ちゃんがもつ「生命体としてのあり方」に基づいた子育て法を詳しく説明している。

    親として、正しい知識をつけ、自分なりに考えて、子育てをしていく責任があると思うので、この本を読んでとっても勉強になった。今回学んだことを、自分なりに選んで取り入れて、自分たち親子に合った方法で、子どもを育てていきたい。私は、息子が11カ月の時に読みましたが、出産前に読んでおきたかった。

    医学/生物学的な詳細説明なども含まれていて、難しい箇所も多いが、「はじめに」と「序章」を読んで、興味のある項目のみ詳しく読むという方法でも、考えるきっかけになってよいと思う。



    ********************************
    以下、自分用メモ(覚えておきたいこと)
    ・「ハイハイ」や「舐めること」は、免疫を育むとっても大切な発達のステップ。
    ・乳児アレルギーの大きな原因は、早すぎる離乳食。子どもの発達状況に合わせて多少前後することはあっても、原則、1歳までは母乳のみで、2歳までは母乳中心が望ましい。
    ・母乳には驚異的といえるほどの免疫力が含まれる。母乳に含まれる鉄分がいちばん吸収しやすい。おっぱいを吸うことにより噛む力が成長し、顎の発達にもつながる。
    ・赤ちゃんははじめは鼻呼吸しかしないが、つかまり立ちをする頃に口呼吸もできるようになる。口呼吸はとても危険で、喘息をはじめ、様々な病気を患う可能性が高い。口呼吸防止はオシャブリがよい。
    ・乳幼児(~5歳)の歩かせすぎはとても危険。関節に負担がかかり免疫機能が低下。
    ・寝る姿勢や食べる姿勢も重要。寝るときは、仰向け寝が基本。うつぶせは、骨格のゆがみや口呼吸へとつながる。

  • 新生児の腸の仕組みの解説や口呼吸の危険性など参考になる点もたくさんありましたが、書かなくても論を進められそうなネオダーウィニズム批判などが鬱陶しかったです。

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著者プロフィール

西原研究所所長、元東大講師、日本人工臓器学界賞受賞
著書:『究極の免疫力』(講談社インターナショナル)『内臓が生みだす心』(NHKブックス)

「2006年 『歯はヒトの魂である』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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