キャリア妨害

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著者 : 菊地達昭
  • 東京図書出版 (2011年5月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862234834

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キャリア妨害の感想・レビュー・書評

  • 民間企業では考えられない公立大学の恐るべき実態。
    職を失う危険の全くない彼らは、毎日のように仕事
    を先送りし、時代遅れの規則にとらわれながら、貴
    重な税金を使い続けている。
    副題は、ある国立大学のキャリア支援室での経験。

    一流の民間企業の人事部門で32年間働いた著者が、
    公立Y大学に転職した6年間を振り返った本である。
    6年間の溜まりに溜まったものが凝縮されているため、
    本書は、読んでいてキツイものがある。
    著者は、NECという一流の民間企業から転職した訳で
    あるが、ジェネレーションギャップは相当なものが
    あったようだが、民間で許されている事がなぜ許さ
    れないのか。逆に言えば、公共セクターへの無理解
    というものを感じた。著者は「民間では違う」とい
    うが、大学側にしてみれば「公務では違う」という
    であろう。本書では何度でも民間ではという言い方
    が繰り返されるが辟易してしまう。
    儲かる事を最優先にする民間企業と、(悪?)平等
    と公益を優先する官公では、価値観が異なり、それ
    ぞれに良い点と悪い点があり、コインの裏表と言え
    る。著者の言っていることは、一流企業ならそうか
    もしれないが、多くの企業でも常識なのだろうか。
    著者の言っていることが、絶対的に正しいので
    あれば、大学はすべからく、民営化してしまえば良
    いではないかと思う。

    まあ、一定の公益性を認めたとしても、この大学の
    お役所仕事ぶりが度を越して酷いことは良く分かる。
    (人件費はタダという考え方が、非効率な仕事となっ
    ている事や、3年程度で適正も考えずに動く人事異動
    などは、役所共通の問題であるが)

    また、著者が、もがき苦しみながら、残した実績は、
    学生たちのためになった事は良く分かる。それにして
    も、改革派を標榜した市長の元でも、非効率な行政運
    営が続けられていたのだろうか。気になるところであ
    る。

    役所に限らず、官僚的な組織は多い。
    本書は、著者の皮肉に満ちているため、読みにくいが
    良薬は口に苦しと思って読んでみるのは一興かもしれ
    ない。
    とりあえずITスキルを磨こうかしら。

  • 2011年8月15日のブログから
    http://jqut.blog98.fc2.com/blog-entry-1335.html

    すごいタイトルですね。

    NECの人事から某大学に転身された菊池先生の某大学での奮闘記になります。菊池先生には京都産業大学で開催されたキャリアデザイン学会の際に、私たちの発表の司会者とコメンテーターをしていただいたご縁があります。

    菊池先生は、民間人からの転身者としてある公立大学(誰が読んでも一瞬でどこだかわかりますが…)のキャリア支援室の責任者を6年ほどつとめられました。

    ある種、批判本、暴露本ともいえなくないのですが、真摯な筆で「これがおかしい」というシンプルなことを実経験を交えて書き連ねておられます。「前例主義」「形式主義」「性悪説」「人件費はタダ」「コスト意識ゼロ」といった言葉が随所に頻出し、いかに職員がまっとうに仕事をしていないか、やるべきことを単に先送りしているか、新しいことをやらないために膨大な仕事をしているのか、ということを切々と訴えています。もちろん真偽のほどはわかりませんが、なるほどねぇと感じるところは多々ありました。

    ただ、気をつけなければいけないのは、それでは民間がすべてうまくできているかという点です。私たちもちょつと間違えると、本書の内容まではいかないにしても「前例主義」「形式主義」「性悪説」「人件費はタダ」「コスト意識ゼロ」をベースにした仕事をしかねません。おそらくそういった仕事は楽であり、リスクをとらなくてすみやすいのでしょう。また、大学においては、1人ひとりの職員の問題以前に、単年度予算などの仕組み的な問題点も多々あるでしょう。いずれにしても、あまり垣間見れない世界の内容を書き連ねていただけたことは意義あることとして、大学の方からの反論であるとか、変えるべき仕組みについての建設的な議論であるとかが生まれてくると素敵だと思うのですが、それはなかなか難しいと本書を読むと素直に感じてしまいます。それにしても、人をここまで憤らせるだけの何かがあったことだけは間違いないですね。

  • 官公庁を内側から見たくて読んだ。期待通りの内容だったけど、口調にうんざり。書いてるのどんなやつじゃ!と思ったら、納得の経歴でしたw

  • 組織の力は管理職の数ではない。プロフェッショナルの質と量だに共感。

  • 組織の力は管理職の数ではない。プロフェッショナルの質と量だに共感。

  • 全体で300頁ほどの本だが、うち160頁が第一章で、愚痴である(笑)。似たような境遇に居るものとして、この愚痴に共感できることが多く、「そうそう!」とか思いながら読んでいた。最終章は、公務員体質がいかに組織の安定だけを目指し、改革できないかについて論じてあり、一般化できるので普通の人はここだけ読めば良いかも。

    橋下市長が大阪で直面している問題と、同じ構造がここにはあるので、そちらから興味を持って読まれても良いかもしれない。

    感想、あるいは私の意見としては、次のようなものである。
    現代は確かに昔と違い、硬直した組織の不具合が目立つようになってきた。非効率な組織は改めるべきであり、評価することについての考え方も改めなければならない。ただ、無能であっても幸せに慣れる社会にならないとだめだよね、とはおもう。評価されたくない、のはダメ。能力がないのに高給でラッキー、はもう通じない。でも、無能でも気楽で、安月給でも家庭を維持出来て、食う寝る遊ぶに困らない社会になっていかないとな。

    大学も、評価してはいけないところもあるんです。でも、せないかんところもある。大学の事務方はもっと改革について意識すべきだし、教員だってそうだ。この感覚が、もっと多くの人に共有されたらいいのに、と思う。そして、望むらくは、互いに敬意を持ちあって、悪意を持たずに、つまり紳士的に改革していけたらいいな。

  • 大学4年生のときに授業を受講しており、その際の先生が菊地先生だった。
    今でも非常に心に残る授業であり、毎週が楽しみであった。
    そのときは、Y大学に勤めており、外部講師という形であった。

    授業では日本企業がグローバルに展開する上での組織における「人」というところを焦点とあて、展開されていった。非常に興味深い授業であった。
    また、内定先も奇遇なことに、菊地先生が以前務めていた会社ということもあったことで、より一層面白く受講することができたのではないかと思う。

    そんな先生が、今回、Y大学におけるキャリア支援室での経験を基に本をだした。
    民間企業を経て、公務員世界に踏み入れた先生だからこそ、痛烈に様々な視点から批判を行っている。

    学生中心とはいえ、結局は自分のこととなっている大学に対して、
    疑問をもち、是正や改善をした経験談が事細かに記されている。

    たしかに、大学において、私立であるにしても(全部ではないとはいえ)、
    学生中心ということに疑問を持ってしまう。
    所謂お役所仕事のような感も一学生から見てもそう思えてしまうことが
    あるのだ。

    それを本来の視点にたって、どうしたらいいのかということをまさに実践している本である。
    大学の実態と著者がどうしていったということを展開されているが、
    現状の課題から、あるべき姿を見出し、それを実践していくプロセスが
    描かれており、非常に興味深い。

    また、経験談だけでなく、「どうキャリアを形成していく必要があるか?」
    「組織に対し、どのように変革を起こしていくのか」といったこともポイントとしておさえることができるのではないと思う。

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