生きる技法

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  • 青灯社
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862280558

作品紹介・あらすじ

最初に「生きるための根本原理」を導入しておきます。
それは―
【命題1-1】自立とは多くの人に依存することである。
人はどうしたら自由になれるか。幸福になれるか。自分自身の
内奥の感覚に忠実にしたがうこと。妻・母親の呪縛から脱出し
た東大教授、命がけの体験的人生論。(本文より)

感想・レビュー・書評

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  • 対人関係を中心に、人生を健やかな精神で過ごすために、著者が編み出した原則が綴られている。
    冒頭の「自立するということは多くの人に依存すること」という、一件矛盾するかに見える「生きるための基本原理」が新鮮である。人間は誰にも依存せずに生きることは不可能なため、依存する相手が少なくなるほど、結局は特定の誰かに依存し、従属する結果を招いてしまうという説明が腹に落ちる。

    著者自身にとって悩ましかった過去の夫婦関係、親子関係における体験が、本書に色濃く反映されている。とくに前半は自分にとっての味方と敵かをいかに見分けるかについて、多くのページが割かれている。その過程で、「創造的構え/破壊的構え」「友だち/利己・利他主義者」「自愛/自己愛(自己嫌悪)」「愛/執着」など次々と対立する二項が提示され、善悪を明確に区分するのが特徴である。そのため、害悪となる相手には嫌われてしまってよいといった助言をはじめ、明解な方針で一貫しているが、職場や学校などの一般社会でそのまま活用して良いかについては、疑問も残る。

    その他、一部要約しながら興味深かった箇所をいくつか挙げる。
    ・自立した人というのは、助けてもらえる関係性のマネジメントに長けている
    ・誰とでも仲良くしようとすると、誰とも仲良くなれない
    ・自由とは選択の自由ではなく、思い通りの方向に成長すること
    ・豊かさは自由を保障しない
    ・人生の目的は言語化できない。表現できたと思うなら押し付けられた結果に過ぎない
    ・否定形の夢は、否定の部分が外れて実現する(〇〇になりたくない→〇〇になってしまう)
    ・人間の感覚には長期的視野があり、「悪い予感」は長期的に見て正しい

  • 特別支援で働いてると、ほんとにその子にとっての自立とは、全てを1人でできるようになることではないってことは、よく考えることだけど、全ての人にとっても、おんなじ事だよなぁって。人はロボットじゃないし完璧じゃない。

  • すばらしい。幸福とは、「成長」することだと。世界や他者との関係がより精妙になっていくことなのだろう。=アート。なので、アートの分野での名声とか地位とかと、本来の意味でのアートは何にも関連しない。自分がより幸福を感じ、より健康になる、そこにある技法を「アート」としたいし、そうなっているのなら、もうそれ以外に何もいらないのだと思う。「人間は、自らの精神を自由に広げる時に、何か本当に意味のある物を生み出すのです。」

    以下引用

    依存先を減らし、少数の他者に依存するというのは、他者に隷属している

    三十代の後半には、学生時代に願っていたことはほぼすべて達成していました。しかし、それでも、私の絶望と孤独とは、一向におさまらなかったのです。

    絶望と孤独とから逃れるために、何かの目標を設定して、その実現のために熱狂的に仕事をすることで、なんとか生きてゐた私にとって、目標の喪失とは、そのまま生きる意欲の喪失を意味していた

    私の性質のある部分を好みつつ、私の全人格を受け入れることを拒絶していた

    自立した人というのは、自分でなんでもする人ではなく、自分が困ったらいつでも誰かに助けてもらえる人であり、そういった関係性のマネジメントに長けている人の事

    新しい人間関係は、縁が生じれば繋がり、縁が果てれば切れるという、自然な流れに沿ったものに

    自分より上に立つ人に依存するのではなく、自分と対等に付き合ってくれる人、つまり友達を作る事が大事

    友達ー互いに人間として尊重しあう関係にある人
    。地位が高かったり、年齢が高くても、対等に付き合ってくれるなら、それは友達

    あなたを尊重する真の友達は、あなたが嫌だと思っていることをさせたりはしません

    創造的構え

    誰とでも仲良くすると、破壊的構えの人とも仲良くすることになる

    友達は友達に紹介してもらえばよい

    嫌だと感じる人と、友達のフリをしない

    表面的な穏やかさは毒

    相手の破壊的構えに御付き合いしてはならず、創造的構えに呼びかける

    破壊的構えを向けているのは、別のひとからそれを強制されているから

    対立を恐れない

    破壊的構えの人に嫌われるのはいいこと

    嫌われるのを恐れると、誰にも愛されない

    自己愛ー自己嫌悪を埋め合わせるために偽装すること

    ここは先輩に嫌われないように、ということでやる仕事は友達地獄行き

    自分を嫌っているなら、誰も愛することはできない

    人を愛するためには、自分を愛さなければいけない

    自分を嫌っていない状態ー自愛

    身につけるという過程が、自己嫌悪を伴う必然性はありません。自分に必要なものを自分が必要だから取り入れる。という過程は、主体的なものであり、その場合にはいちいち自己嫌悪に陥る必要はないのです。そうやってあせらずに、自分に必要なものを、自分にふさわしい速度で、自分なりのやり方で身につけることができるなら、自己嫌悪抜きの成長が可能に

    →まさに今回の旅とか、ここ最近の読書とか。「学んでる」って感じがなくて、「心が喜んでいる」という表記が正しいかな

    悩むのをやめて、自分が感じていることに目を向ける

    自分を大切にしている人には、自分を大切にしている人が引き寄せられます

    自分を大切にし、そこからあふれる愛情に引き寄せられるのが、本当の友達

    利益を与え合うことで維持されている関係は、友達ではない

    お金を貯めるより、依存できる関係を増やした方が確実

    お金を使うなら、人との結びつきを強めるために使う

    その仕事に対して、気前よくお金を払うのです。これは支払いではなく、謝礼。こうすることで気に行った人との良い縁を結びます

    こうやってあちこち気に入った人との良い縁を巡らせていると、良い話がその縁を通じて飛び込んできます。それはいわゆるうまい話ではなく、良い話。

    今はこうやって屈辱的な状態にあるけれど、出世して、あるいはお金を手に入れて、自立して自由な人間になり、好きなものを手に入れ、好きなことをするのだという。

    嫌な感じがするけれど、どう考えても得なはずとか、断りにくいという理由で選んだものは失敗

    自由にのびのびと成長するために物質的基盤は多くは必要ない

    自分が伸びたいと思う方向に自分を伸ばすには勇気が必要です。自分が悪い子であると思い込んで自己嫌悪に苛まれていては決して自由を守る事はできない

    自分が伸びようと思う方向は、周囲の人の都合に必ずしも合致しない

    自由な人は、利己的でも利他的でもない

    自分が好きだと感じることは喜んでやり、自分が好きだと思う人を助けることには躊躇しない

    自分の身体が教えてくれる進むべき、あるいは成長すべき方向

    その時その時に、自分自身の感じる伸びて行きたい方向が道

    人生の目的を記述可能なものだと思い込むことから、抜け出すという意味。そのように何か言語化できるものとして、人生の目的を設定してしまうことは、自分の感覚を裏切る第一歩

    人生も目的はあるのだけれど、それは見えない、と考えるほうが生産的

    一人ひとりの身体の在り方が違う以上、一人一人がそれぞれの瞬間に感じる「道」は、お互いに違っています

    あなたの人生の目的は、ほかの誰とも違っている

    人生も目的は、どんな言葉でも表現することはできない

    ★人生も目的に向かって進んでいるかどうかは、感じることができる。

    あなたなにかの達成を夢みているとしましょう、その達成そのものには意味はありません。自分の身体がのびのびと作動することに意味があります。。なぜならその身体の作動は、ああたを成長させるからです。その上、人との出会いがあるからです


    夢を実現する過程で得られる副産物が、あなたの糧となる


    〇〇したいと強く念願すると、そうならなかったらもう死ぬというくらいに追い込まれるのです。そうすると人間は必死になるもので、なんとかそれを実現してしまいます。しかし問題は、そうなったときにも、ちっとも嬉しくないことなのです

    大学に合格しても、博士業をとっても、本を出版しても、その一瞬だけほっとするけれど、すぐに不安になって、次はなにかしないと、と考えてします

    何をしても無駄なのです、すべての成功の裏に憂鬱、空虚感、自己疎外、生の無意味さが潜んでいる

    エリートや成功者は、多くがこの種の病気を抱えています。それゆえ、健全な人では決してできないような努力や忍耐や発想を発揮して、素晴らしい成果を上げる。しかし素晴らしい成果には何の意味もありません。
    。ありのままをうけいれられなかった経験。

    焦燥感や不安に駆動されて、真の意味での創造性を発揮するなど不可能

    ★人間は、自らの精神を自由に広げる時に、何か本当に意味のある物を生み出すのです。現代社会は、価値の基準が狂い、そういう価値を価値と認めなくなった。代わり井、才能ある子が焦燥感にかられて吐き出したものを賞賛するようになっている。こういう才能ある子は、夢が文字化しうるのです。

    恐怖心ゆえに、私は夢を実現してきたのです。そして実現すると、儚く消えてゆき、何の喜びも私に与えませんでした

    幸福とは、手に入れるものではなく、感じるもの

    彼らの生かは素晴らしく見える成果に過ぎない

    自分自身を受け入れられるというのは、自分の感覚が肯定されること

    人間が世界の意味をつかむには、自分の感覚を受け入れられることが必要

    才能ある子を育てるには、その子の感覚を否定し、大人にとって、社会にとって、好都合な感覚を押し付ける

    脅えさせ、利益でつる

    その子のためにと思い込んで、欲求を抑え込み、子供の感覚を真っ向から否定しつつ、正しい感覚をトレーニングによって教え込むとする

    ★「正しく」狂った人間は、感じることを恐怖するので、幸福にはなれない

    幸福とは、感じるものであって、何を手に入れても、そこから喜びを感じなければ意味ない

    人からうらやましがられたり、褒められたりすることで、間接的に感じても、偽装工作

    長期的に考えてとか、長い目で見て、とか言って、我慢するのは得策ではありません。というのも、人間の感覚には、長期的視野が既に入っているのです。だいたい、「なんだか嫌な感じがする」という場合には、「悪い予感」が込められています。こういう場合の人間の直感は、大抵の場合、頭でいろいろ計算する「長期的視野」などを遥かに超える深い計算が入っているのです。

    幸福というのは、感じるものです

    自分の外部にある名声やなんとかに憧れているのは、自分が嫌になっていること、魂がいるべき場所いないこと

    自分を嫌っているので、自分の外にあるものを、求めて魂がふらふら出て行ってしまう

    自己嫌悪に振り回される人は、評価を挙げることに血眼になる

    ★人は成長すると、安心する
    ー昨日よりも、今日の方が、生きる力が増しているのを実感すれば、安心する

    ★人は衰退すると、不安になる
    常に成長を目指し、毎日、少しずつでも成長し続ける人は、心が安らかになります、毎日、少しずつ衰え続ける人は、不安になります。ですから、成長こそが、幸福への必要条件。

    成長するには、努力が必要です。しかし無暗に努力しても、生長するものでもないのです。意味のある努力をしないといけません、ではいみの在る努力とは?

    ★自分のやっている努力に意味があるかないか、感じることが大切

    問題は、自分のやっている努力に意味があるかないか、感じられなくなっていること

  • 自立とは、依存先を増やすこと。
    自分だけでなんとかしようと考えていると、依存先が減り、従属するしかなくなる。人に頼ることは恥でもなく、むしろ自分の人生をしっかり生きていることなのだと考え直した。精神的に追い詰められている時は、人と距離を置きたくなるが逆で、人に接して頼ることが重要なのかなと思った。
    自分のことを変える必要はない。ただ「助けて」と言えるようになればいい。
    理解の良い人は、1章「自立について」の著者の半生の部分を読めば、この本で言いたい、ほとんどの内容がわかると思う。
    著者が相当苦労したのが伝わるが、そのせいか、まるで講演会を受けているかのような、独特で多少違和感のある本だった。こんな本は初めてだ。
    なので、内容の再確認も含めて、2回読む必要があるかなと個人的に思う。
    5章から8章が参考になった。初めて知る切り口ばかりで、人生への考えが変化した。こんなに薄い本にしっかりと詰め込んだなと感心。


    以下、ネタバレとメモ。

    「原因があるのが恐怖、それを隠蔽すると不安」の部分が印象的。
    社会人になってから友達を作るのは難しいと思ったが、「友だちについて」は職場での人間関係に応用でき、その職場の人を通じて、交友を広げていけば良いのだなと思った。
    自己愛についても非常にわかりやすかった。今自分にあるものが必要か否かを確認し、いらないものを捨て、身軽になると自分を大切にでき、同じ人が集まってくる。
    選択肢の部分も印象的。選択肢が多いのは自由ではないし、最善を選んだから成功でもない。選択を迫られること自体が危険で、その場を逃げ出すべき。これは、人から選択を迫られるということ=他人軸の人生という意味だと解釈。そして選択しても後から覆せる。思い通りの方向に進んでいれば自由であり、自愛があり、自立している。
    人生の目的は、あるけれど見えない。言葉で表現できるのなら、それは押し付けられた結果。つまり、人生は選択の連続ではなく、言葉で表現できないし見えないけれど、思い通りの方向に進んでいれば、順調だということと解釈。
    人は非定型を理解できないので逆に意識してしまう、というのは色んな本で出てきたなと再認識。
    憧れは自己嫌悪が原因であり、魂がふらふらしている。自己嫌悪は環境が作り出した、も他本で出てきたなと。自己嫌悪は自分だけで治せない。憤慨せずに治すのを助けてくれる人こそ本当の友だち。そして自己嫌悪は態度であるので、治したらその態度はとらないこと。

  • 当たり前ですが、生き方は、自分で考えるものです。
    他人から、こういう生き方で、生きてくださいといわれたら、
    普通は無視をしなければいけません。
    無視せずに、肯定してしまうと、
    それは、他人の生き方をなぞっているだけの、生き方で、
    どこかで、矛盾が発生し、破滅します。

    著者の思想家としての説得力は、
    やはり、生きにくさを人並み以上経験したからです。
    自立することは、他人への依存という命題は、
    日本で一般的に信じられている他人に迷惑をかける人間は、
    最低の人間だという認識を真っ向から否定しています

    著者のバックボーンは、経済学なのか、はたまた中国古典にあるのか、
    マイケルジャクソンにあるのか、はっきりしませんが、
    日本の多くの大学教授が、サラリーマン化している、
    つまり、知識人として、自立しているわけでなく、
    ただ、大学に帰属している人が圧倒的な中で、
    著者の存在は、際だって、自立しています。

    明日、辞めても、クビになっても、
    特段、本人にとっては、多少は影響あるでしょうが、
    十分に、著述家として食ってていけます。
    それだけの価値は、著者の本にはあります。

    日本は既に、多くの人にとつて、個人の生き方を確立せずに、
    生きることは困難となっています。

    当たり前に、結婚したり、
    当たり前に、子供を産んだり、
    当たり前に、家族を作ったり、
    当たり前に、どこかに所属し、
    仕事をし、給料を得ることが、

    非常に困難となっています。
    その中で、著者の言説は、過激ですが、個人を納得させ、
    行動をおこす上でも、勇気を与えてくれるものです。

    日本は今、幕末、明治維新、日清日露、太平洋戦争、
    そして、終戦に向かう過程と同じような、
    混乱の渦にいます。過渡期前後には、多くの犠牲者を、
    出しました。そして、多くの弱者が辛い思いをしました。
    その過程を今一度、日本は歩んでいます。

    今回は、物理的な破滅ではなく、精神的な破滅だと思います。
    その中で、今、多くの人が救済を求めています。
    この著者の言説も広くは、個人への救済を目的にしています。
    その意味で、著者の思想は、あまりに過激です。
    なぜなら、一言が、数十冊分の専門知識に相当するエネルギーを持つからです。
    私は、こういう言説にあうと、あっ、自分って、こういう考えを持ちたかったんだと思ってしまいますが、
    実際は、著者の言葉に酔っているだけです。

    著者も自らを縛り制限している国家や社会、組織、両親、親戚、知人からの広義における言葉からの解放を、
    血の涙を流して、達成したきたはず。
    もし、著者に共感するのなら、自身で、それを行わないといけないかもしれません。
    その勇気が果たして自分には、あるのか?

  • わたしは本を読むスピードがめちゃくちゃ遅いし、没入しなければすぐに、集中力切れてしまうタイプなのだが、この本はすごい。一文字たりともわたしの集中力を切らせる文字はないというくらいに、マジですごい密度の内容だった。今まで、わたしはよく病む性格で何度も引きこもりっぽくなった。
    わたしに今もっとも大切なのは、感覚を思い出すことだ。感覚ってとっても大切だ。誰かの上に乗っかるんじゃない。わたしはわたし。信じたい人を信じる。誰かの操られ人形じゃない。自分受けってすごい好きな言葉。わたしは自分受けしたい。自己愛じゃなくて、自愛。そういえば前に書いた。その時は慈愛だった。慈愛と自愛。どちらもとても良い意味を持つね。これ以上つらつら書くと長ったらしいからやめる。

    とにかく最高な本。今出会えて良かったって、今出会うべき本だった。今自分構築したいと思ってた今、出会えて、これが事実じゃないかもしれない。だけど、信じることって大切。わたしは何かを信じたい。従属はやめた。

  • 『あなたが生きづらいのは自己嫌悪のせいである』でタイトルが出てきた本。ようやく読み終えた。どうやら、私にとってはこちらの方がスラスラ読めた感がある。メモ読のおかげもあるけど。
    今日(厳密には昨日)読んでいた坂口恭平さんの『独立国家のつくり方』ともちょっと共通する部分を感じて興味深かった。例えば貨幣について。ハイデマリーさんとは違うけど、ホームレスの人たちの生活を通じて得た坂口さんの概念と共通するものがあるような気がした。自由についてなんて、まさしく坂口恭平さんはこの「自由人」のトップランナーみたいにも思えたし。一方で言葉にしてるところはちょっと違うかな‥とも思ったけど。
    また、以前読んだことのある武者小路実篤の「個性についての雑感」を思い出したりもした。
    それから、私の考える「自己嫌悪」と安富さんが言われる「自己嫌悪」のイメージがやはり少し違う気がした。私にとっての「自己嫌悪」とは、「自己嫌悪に陥る」みたいに時折襲ってくるもので、自分の中にずっと植え付けられているものではない気がしてる。
    文中の言葉を借りるなら、知らず知らず友人への態度として「破壊的な構え」を取っていた自分への自己嫌悪。気が付いたときはもう遅かった。大事に思っていたのに自分が未熟であったが故に友人を失ってしまった。以来、人と接するときはつい慎重になってしまう・・。そのせいで、あまり人と踏み込んで付き合えない気持ちもあり、そうしてみると私はどうやらちゃんと「自立」できてないのかもしれないな。

  • だいぶ前に読んで良かったと思う

    依存先を増やすことで自立することができる

    本当そうだと思う

  • 自己啓発棚にありました。自分を救うことが自己啓発であるならば。毒親育ちとして、共感というより「この方向でいいんだ」と伴走してもらっているような。「自己啓発」にしては口調がクールな論文調なのも面白い。頭のいい人が、自分の世界の見え方を説明したい情熱!的な熱が低い。「こっちにおいで」と言われているのはわかる。もう一回読みます。面白いです(2019-07-23)

  • トランスジェンダーの東大教授が解き明かす生きるための考え方。一般的と思える命題を否定し、それと対立するような命題をたててそれが正しいことを立証していく形式で、世間の常識と言われるものにある意味挑戦している。自分のの人生のを生きていないなと少しでも感じている人はこの本をよめば何かしらの糸口がつかめるだろう。


    以下注目点
    ・自立とは依存することだ。
    ・人間は誰かに依存しないと生きていけない。
    ・お金があると腐れ縁が増加して、自由がなくなる。
    ・選択肢がたくさんあることが自由ではない。
    ・自分の将来にとって一番有利は意味がない。
    ・最適選択の実行は原理的に不可能。
    ・自由とは思い通りの方向に成長すること
    ・人生の目的のが言葉で表現できたとしたら、それは押し付けられた結果
    ・友達に助けてもらうことで自己嫌悪から脱出できる。

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著者プロフィール

東京大学東洋文化研究所教授。1963年、大阪府生まれ。
著書『「満洲国」の金融』『貨幣の複雑性』(以上、創文社)、『複雑さを生きる』(岩波書店)、『ハラスメントは連鎖する』(共著、光文社新書)、『生きるための経済学』(NHKブックス)、『経済学の船出』(NTT出版)、『原発危機と「東大話法」』(明石書店)、『生きる技法』『合理的な神秘主義』(以上、青灯社)、『生きるための論語』(ちくま新書)、『満洲暴走 隠された構造』(角川新書)ほか

「2021年 『生きるための日本史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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