生き延びるためのラカン (木星叢書)

著者 :
  • バジリコ
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本棚登録 : 506
感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862380067

感想・レビュー・書評

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  • 今まで、文学批評などの分野からラカンの思想に、ちょっとは触れてきたけれど、たしかにこの本の解説はわかりやすい。
    理論のむずかしさが変わるわけではなくて、著者が提示している例によって理解が進んでいく感じ。
    いや、わかったような気分になっているだけかもしれないけれど…。

    ここのところ、フロイトにしてもラカンにしても、もう「過去の理論」みたいな位置づけになっている。
    著者は精神科医だけど、ラカン理論を臨床で使っているわけではないとのこと。
    でも、ラカンの理論はひきこもりや文化現象を理解するのに有効だと考えているようだ。
    本書の刊行は2006年。
    またいつか、ラカンブームがやってくる日はあるのかな?

  • 読み助2014年12月2日(火)を参照のこと。http://yomisuke.tea-nifty.com/yomisuke/2014/12/2-part2-bac7.html

  • 『吸血鬼と精神分析』を読んで気になった点が幾つかあったので再読。
    日本一わかりやすいことを目指して書かれたというだけあって、圧倒的な読みやすさ。豊富な事例や柔らかい語り口で丁寧にラカン理論を解きほぐしてくれる。ラカンの限界にもキッチリと言及されているのも好印象。

  • おもしろかった。
    「背伸びした中学生向け」に書いていると書いていて、ほんとうにそんな感じ。そう、そういうふうに書いてくれれば一応わかる気になるのよう。いや、中学生の親くらいの年齢ですけどね。わからんのです、難しい文章は。
    ただ、精神分析の本ってどうしても性的な単語がいっぱいでてきて電車で読むのが気恥ずかしいんだよなぁ....見えてませんよね、隣の人?見てるんならちゃんと何の本なのかわかって見てね?ね?

  • 口語でわかりやすくラカンの理論を紹介。
    事例がやたらとサブカルチック。
    まとまりが悪く要点の掴みにくい箇所もあったり、ラカンとほとんど関係ない箇所もあったりだけれど。

  • いちばんわかりやすいラカン

  • オタクから始まって、ラカンというものすごく難しいらしい哲学者が唱えたことをわかりやすく説明してくれます。
    現代の様式に不満や疑問のある人にとって、生きやすくなるヒントがあると思いました。

  • ◆内容

    ・この本の主張は、現代社会は
    「ラカン的な解釈があまりにもベタに当てはまるような事象が多い」
    ということかな。

    ・その当てはまる事例に関連して、Lecture形式になっていて、
    19個ある。19個のトピックがあって、それを解決するためにラカンを引用して説明していく形。

    一つだけピックアップ。

    ★女性は存在しない?
    女性を言葉で的確に定義づけることはできない
    男性ではないというネガティブな形の定義付けしかできない
    男性→ファルス、象徴的なペニスを持つ存在

    ・ ラカン的な解釈
    ポイントになるのは想像界・象徴界・現実界のよう。
    そこに関してまとまっている記述。
    「認識したりコントロールしたりできる領域が想像界
    精神分析の力を借りるなど、限られた状況下でなら認識・コントロールもある程度可能なのが象徴界。
    いかなる方法論を持ってしても、認識もコントロールも不可能な領域が現実界。」

    ◆感想

    ラカンを通すことで一つの世界の観方が作れそうだということがわかった。というか、精神分析的な視点から物事を見るということについて若干のイメージは出来たという感じ。別の精神分析系の本をもっと読みたくなった。

  • 頭が固くなったババアがこの手の本を読む時、まず男性中心の言葉に引っかかり、2、3度悪態をついてから、言葉の意味を再確認し、おまけに違う言葉で置き換えると、となんて連想が始まって、とんでもない方向に頭の中が飛んでいってしまう(何故か色っぽい方向には行かない)。結局ちっとも読み進まないのだ。でラカンなんですが、判りやすかったかといえば、私には元々難解でよく判ってないので、判ってる部分の再確認で終わりました。やさしくしようとする努力は買いますし、取っ付き易いんではないでしょうか。

  • ジャック・ラカンの翻訳本は難解を極める代物だ。それは訳者の質の悪さにも起因すると思うのだが、この著作はその難解さを、いかに平易に説明するかを志向した意欲作だ。

著者プロフィール

斎藤環(さいとう・たまき) 精神科医。筑波大学医学医療系社会精神保健学・教授。オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン(ODNJP)共同代表。著書に『社会的ひきこもり』『生き延びるためのラカン』『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』『コロナ・アンビバレンスの憂鬱』ほか多数。

「2023年 『みんなの宗教2世問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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