ポケットは80年代がいっぱい

著者 :
  • バジリコ
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本棚登録 : 108
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862380821

感想・レビュー・書評

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  • 「リカちゃんコンプレックス」「自転車旅行主義」などの初期の哲学っぽいエッセイは好きだったけど、個人的にはしばらく離れていた著者の、80年代前半を舞台にした自伝的エッセイ。医学生をしながら、松岡正剛の工作舎に出入りしつつも、別の雑誌の世界に足を踏み入れ、当時の東京の一部のカルチャーシーンを切り取って見せてくれる。しかし、バブル前夜…文化のための文化に膨大な予算が投じられるほど景気がよかったんだな、元気な世相だったんだな、という一端が垣間見え。/ライブに飛び入りしたり、時効と書いてるけど本当に時効ですか、書いていいんですかということまで書いてたり、また臆したり、逡巡したり、あとから振り返れば小さなことでくよくよしてたことまであまさず描かれている。巻末の中沢新一との対談も個人的には興味深く。のちの運動についても、かっこわるいのはわかってるけど、やるしかないと思ってやっていたという心意気は印象に。正否、よしあしは別として。そしてまたまた個人的な話だけど、以前、書評を見て、本屋で手にとって猛烈に読みたくなって買ったのに、読み通すのに9年かかった「マイナー音楽のために」の著者、大里俊晴の名が、タコのメンバーとしてあがっていて、なるほど、つながったの感。

  • 2020/4/17購入
    2020/7/21読了

  • 友人からもらった本。ひとくちに“80年代”といっても、著者自ら書いているように、前半と後半(プラザ合意の前と後)とで完全に分断されており、バブル景気と関係あるものとないものの間ではかなりの隔たりがある。

    自分は後半側の世代の人間なので、チョイ上世代のニューアカのことはさっぱりわからんし、だいたい普通は他人の自伝はウザいものなのだが、筆者らしい引いた目線と淡々とした筆致で描かれており、”その時代を生きたある女子大生と特異な人々”というものを案外興味深く読めた。

    露出は多いけど案外ひととなりのわからない、香山リカという人がなるほどこういう人だったんだ〜という感じ。

  • 80年代への憧れたを再認識した作品。自分は70年代後半地方産まれなので羨ましい。勿論あの時代でも筆者の経験は、選ばれた人間だけがアクセスできるものなんだろうけど、80年代の東京で大学生やってみたかったです。
    80年代に憧れる人はぜひ読んで、この歯がゆさを共有して欲しいです。

  • 916

  • 80年代サブカル好きにはたまらない内容なれど、著者の自慢めいた話が少し鼻につく、ような…
    湯浅学の「あなのかなたに」やらECDの自叙伝、岡崎京子の「東京ガールズブラボー」と共に読むと楽しいかも…

  • 80年代のことなんて正直よくわからない。サブカルチャーなんて何がメインで何がサブだか意味不明。

  • 一番ハラハラしたのは、お医者さんの卵時代のすごい話。。

  • どうでも良かったかも・・・。

  • 香山リカさんが20代前半のころの自叙伝のような、どうサブカルチャーにかかわってたか、みたいな話で、すごくおもしろくてほとんど一気読み。図書館で借りたんだけれど、買えばよかったかな、と思うほど。 香山さんがここまで深くサブカルとかかわっていたとは知らなかった。すごいー、というのが単純な感想。あまり事情に詳しくないわたしは、まったくきいたこともないような話も多かったけど、それでもおもしろかった。それぞれが見ていた風景はまったく違うって書いてあって、わたしもそう思うけれど、香山さんが見ていた風景が臨場感たっぷりであざやかに目に浮かぶ感じで。 読んでいると、当時から香山さんってやっぱり頭もいいし、行動力もあるし、そうそうたる人々のあいで認められていたんだなーとわかるけれど、自分ではまったくそういうふうには思っていない書き方で。客観的というか冷静というか、得意ぶるようなことはまったくなく、むしろ自虐的だったり、そういう書き方もわたしは好き。懐かしがったり、昔はよかった、みたいでもないところも。ほんとうにYMOファンだったんだなあってわかるようなところはとってもキュートだ。。。 あと、実の弟さんが書いている年表も、香山さんの素の姿が見られるようでおもしろい。

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著者プロフィール

たくましいリベラルとして、右傾化する政治状況から現代社会の病理まで、メスをふるう行動派知識人。1960年生まれ。精神科医。立教大学現代心理学部教授。『若者の法則』『ぷちナショナリズム症候群 若者たちのニッポン主義』『生きてるだけでいいんです。』『弱者はもう救われないのか』『「悩み」の正体』『リベラルじゃダメですか?』ほか、著書多数。

「2017年 『憲法の裏側 明日の日本は……』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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