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制作 : 山田和子 
  • バジリコ (2008年6月4日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862381002

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氷の感想・レビュー・書評

  • とても美しい、幻想小説だった。

    幻想と現実のヴィジョンの境目はなく、血も髪も氷も、凄惨で美しい。
    生死に大した意味がなく、痛みと恐怖と幻想の世界に、ただただ浸かっていた。
    他のも読みたい。

  • なんかすごい!! 何度も再読したい。 (幼並感)

  • 私の理解力が低いのか、よくわからなかったというのが正直な感想。
    美しいとは思う。
    現実と幻想が入り乱れてるような感じで混乱。
    頑張って読み切っては見たが…

  • 2017.09.21 図書館

  • 正直に言うと、おもしろくもないし、見せ方も下手だと思う。バラードの絶賛が嫌味かと思えてしまうぐらいに。

  • 真夏のクソ暑い時に読むのに、なんと寒々しい小説だったことか。雪と氷に閉ざされたディストピア小説。
    カフカと並べられる作家だが、カフカの迷宮をさらに濃くし、幻想に迷いんだようだ。センテンスごとにどこへ向かっているか分からなくなる。
    非常にユニークで、孤高の作家性があるが、「うまい」という感じはない。銀髪の儚げな少女を助け出そうとするプロットは時に稚拙で時に破綻しているようにも見える。カフカが小説を発表せず書き溜めていたように、アンナ・カヴァンも生前に成功した作家ではない。パーソナルに、自分の内なる闇とイマジネーションを吐き出すための作品という印象がある。それ故に、救いの王子のファンタジーとは程遠く、無力・無個性な少女の蹂躙といった暴力性までもが行間から溢れ出す。この無防備さはカヴァンの魅力である。

  • 文庫版まで出た、というので読んでみたのだったが、主観的で見通しのきかない世界に終始している感が強い。虐待された過去を持つアルビノの少女を、二人の人物が、一方は自分のものにしようと他方は救出しようと繰り返すのだが、実はどちらの人物も「私」なのでは、ということに早い時点で気づかされる。作家自身の持つオブセッションにつき合わされているようで居心地が悪い。他者というものが存在しないエゴセントリックな世界になじめない読者であるこちらの方が、所詮縁なき衆生なのかもしれない。

  • 迫りくる氷に怯えながら一人の少女を探す男の物語。

    少女と迎えるデストピアは彼にとっての一つの希望なのでしょうか。

    ひえびえとさせてもらった海外文学バーテンダーさんに薦めていただいた一冊。

  • 氷に覆われていく世界。追い求める相手は逃げ、災難は払っても払っても降り注ぎ、理不尽に巻き込まれ。
    読んでてもちっとも楽しくならないのにどんどん引きずりこまれる。陰惨というほどの積極性のなさはこの作者の持ち味か?
    イメージはバラードの「~世界」系ですが・・・「~世界」は、あくまで変容していく世界が主人公(?)で、
    登場事物たちがそれにひきつけられていくのに対し、
    「氷」では世界の異変より個人の事情が優先するのが
    21世紀の現代的過ぎて不気味。

    「ちょっとー、地球が大変なことになっているんだよー、放っておいていいのー?」って。というか、「主人公張っているんだったら、もっと世界と関わろうよ、君ら」みたいな。

    改訂版ですが、小奇麗過ぎる装丁がちょっと無神経。

  • 1985年2月出版。山田和子さん訳。氷が迫り来る戦争のさなか、私は少女を探すのだけど、探したと思えば離れ、現実か妄想なのか、悪夢の繰り返しのようでよくわからない。私とか男とか名前がなく、誰が誰なのか、もしかして同一人物なのか。何を伝えたいのか私には何も響いてこず、ただただこの少女はそんなに魅力があるのだろうかという疑問だけだった。

  • 気象変動で氷に覆われていた地球が舞台。交通・情報が寸断され、核兵器が使われたという憶測があるが、定かではない。凍らない赤道の土地をめぐる戦争のさなか、名も明かされぬ主人公の男は、かつて恋した女性の行方を追い、氷の世界に足を踏み入れる。並みのSFであれば、地球のアイスボール化をさけるためにヒーローが現れるところだろうが、本作の人類は、氷の前に無力。そこがいい。ラストページの憂鬱な一行が印象的。

  • 現実なのか幻想なのか。独特の語り口にいつのまにかはまってしまう。何度も繰り返される冷たい氷に閉ざされようとしている世界。全く現実味のない人形のような「少女」が、最後に一人の女性としてむき出しの感情を表したことに救われる気がした。

  • 広がる氷からは逃れられず、終末にむかう世界で少女に執着する長官と「私」。読み始め、アンナ・カヴァンでしかもSFチックな小説を面白いなと思った事にもびっくりだけど、ジュリア&バズーカにも通じる世界はやはりと言うか、全体に濃い死の匂いが立ち込める。かといって受け取る印象が昏いだけということもなく、言葉にし難い魅力があって、また読み返そうとおもう何かしらがアンナ・カヴァンの小説にはあるように思う。それは「孤独」や「死に近いところにいる人の肉声」という言葉では片付けたくない何かしらで、まだよく判らないけど。

  • 私と少女が行ったり来たりを繰り返すだけの不安定な物語なのに、世界が閉じるという終末感だけはやけに強固でリアル。ヤク中でぶっ壊れているカヴァンがその少女というわけでもなく、希望もない生まれたことを後悔するような厳寒な世界(社会)そのものが心の地図。

  • 終わりの風景。

  • いままでこれを読まずにのうのうと生きていたことを悔やむくらい面白かったです。もっと早く手に取ればよかった……。
    絵描きがひとつのモチーフを使って描き続けた何枚もの作品を一冊の本で見せられた、という感覚。

  • 翻訳が、ひどかったサンリオSF文庫のときより、改訳されていて、ずいぶん読みやすくなっているのだが、それでも原作のもつ、知的で簡潔な表現なのに、驚くほど鮮明なヴィジュアル効果を生み出すことができて、次々に流れるように展開する美しく恐ろしい世界に、読者を誘い込んで放さない、ソフトで鋭利な刃物のような文体のにおいは、ここにはない。
    アンナ・カヴァンへの愛情は感じられるのだが…。
    将来の名訳を待ちたい。

  • 凄いイメージの奔流

  • つかみは良かった。「私は道に迷ってしまった。」っていう始まりは良かった。
    でも読んでいて私も迷った。(3分の1ほど読みました)
    ファンタジー系SFとも違うこのお話、氷とか偉い人とかよく分からなくて(この作品のよくわからなさがあまり好きではなくて)、自分には合わなかった。残念。

  • 氷が世界を覆いつくそうとしている中、「私」が「長官」という壁と対峙しながら「少女」を捜し歩く物語。しかし話に出てくる「長官」も「少女」もそれぞれ同一人物であると思われながら、シチュエーションが次々に変わっていくので、まるで何枚ものフィルムを重ねて見せられているようだった。何より主人公の「私」の歪みっぷりがすさまじく、読んでいて気分が悪くなったほどだ。しかし、ラストシーンを脳裏に描くと何とも美しく、迫りくる氷が知らず知らず五感をひどく刺激していたことに、後から気づくのだった。

  • 現実の先触れのようにして立ち現われてくる幻想(妄想?)・・・・・・・
    何事もなかったかのように現実に戻る、その境目のなさ。

    主人公にとって、その現実も“本物”であるのかどうか。
    まるで脳内スパイごっこをしているかのような、尽きない資金といつの間にか身に着けている武器・・・・・

    銀白色の長い髪をもつ永遠なる少女と、世界を覆いつくしていく流動体のような氷のイメージに圧倒される。

      Ice by Anna Kavan

  •  氷に覆われ始めた終末期の地球で、ひたすら銀髪の少女を追い続ける男の物語。
     ヘロイン中毒だったと言われる著者の影響か、明らかに精神に変調をきたしている男の偏執ぶりと、世界を呑み尽くそうとしている”氷”の恐怖がじわじわと迫ってくる。

     サンリオSF文庫の復刊なのでSFだと思って読んでいたが、勝手にSFのレッテルを貼ったのは『地球の長い午後』の作者でもあるブライアン・W・オールディスだということがわかった。確かにこれは、著者が意図せずに完成させたSFだ。

  • 読んでると幻覚と現実の区別がつかなくなって、言いようもない不安のようなものが残る。エスプレッソの底にざりざりしてる砂糖みたいな。

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