リスクの正体!-賢いリスクとのつきあい方 (木星叢書)

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著者 : 山口浩
  • バジリコ (2009年1月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862381217

リスクの正体!-賢いリスクとのつきあい方 (木星叢書)の感想・レビュー・書評

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  • 【リスク】No Risk, No Lifeと著者が言うように、リスクのない生活などあり得ないことを丁寧に説明してくれている。リスクと一言で言っても幅広く、金融面でのリスクから日常生活のふとした判断の中にもリスクは存在する。人はリスクを忌み嫌ってなるべく安全な方向に行動を促そうとするものだが、その方向にも必ずリスクは潜んでいるのだ。リスクからは逃げられないという事実を認識した上で私たちがとれる次の行動は、リスクに対する考え方である。リスクは好き好んでとるべきものとまで言ってしまうと極端だが、本書を通じて、リスクに対してすこし優しい気持ちになれるきっかけになるかもしれない。

  • 話題が絞られておらず、むしろ色んなお題をリスクの観点で見たらどうなるかを書いたもの。
    もとはブログの記事らしい。

    リスクマネジメントは様々なところに活用できるのだと気づかされる。

    幸福・不幸は、周囲との相対的な関係をどう主観するか、というのに妙に納得。

  • リスクについての軽い話題を集めた書籍。元はブログらしい。個人的には、第3章「リアルオプション思考」や第4章「金融契約の技術が社会を変える」あたりが参考になった。

    第3章では、通常のオプションと違ってリアルオプションでは権利が必ずしも確保されていないため、意思決定の延期が必ずしも望ましいとは限らないという点。また、偶然性を積極的に利用していくキャリアデザインである「Plannded Happenstance」をリアルオプションの考え方として説明する発想は新鮮だった。

    第4章では、集中・分散それぞれのリスクが語られている。「卵を1つの籠に入れるな」とする分散投資は金融でよく語られるが、こちらは投資規模が伸縮可能であることを前提としている。一方、実物投資では投資資金の多寡が問題となる。よって、ランチェスター戦略が意味をなす。

  •  リスクコミュニケーションの本かと期待したけど,リスクについてのエッセイ集といった感じ。経営学(経済学?)を専門とする著者のブログを元にした本ということで,まあそんなとこかな。
     でも一応構成は工夫されてて,客観リスクと主観リスクの区別みたいな話から始まる。主観リスクは「どんだけ怖いか」。主観的なバイアスが大きく入り込んでいて,被害の規模が大きかったり,コントロール可能性が少なかったり,現象が未知だったりするリスクは,過剰評価される。
     将来のリスクと密接に関わる「予測」についても。通常の「探索的予測」のほかに,政府の経済予測などの「規範的予測」がある。予測の主体が結果に影響を与えうる場合で,「どうなるか」でなく「将来どうしたいか」という目標を示すのが「規範的予測」。
     著者の専門はリアルオプションというものらしく,それについて一章。でも事例を挙げてものすごく噛み砕いて基礎を説明。意思決定を遅らせることでリスクに柔軟に対処することを指すが,その時間を確保するにもコストはかかる。単に待てばいいのではなく,その時間も有効利用しなくては。
    「予測市場」というのは初めて知った。郵政選挙のときに行なわれた「総選挙はてな」というのが国内初の選挙予測市場。公職選挙法で開票前の「人気投票」の結果公表は禁じられているが,予測市場は自分の希望に投票するのではなく結果を予測するものなので別物,という見解が詳しく述べられる。
     ところどころに進化心理学的な話も。「予測」は生存に有利なため発達してきたとか。リスクをとることに楽しみを感じるのもそういう説明が可能。不確実性の高い状況ではリスク回避的になるが,不確実性の低い状況ではリスクを取ることが好まれる。その個人差が社会を変える原動力なのかも。

  • 山口浩氏のブログを読んでいたので、なんだか読んだことのあるような内容が書いてあるが、それは承知の上なので問題なし。

    たぶんブログに影響されているのだろうけど、いつの間にか私もこのように考えるようになっていて、なにか自分の考えていることそのままという感じがした。なんとも阿呆な感想ではあるが。

    ただ、第6章の「リスクをいとわない」という発想の希望格差社会に関する説明は、ちょっと無理があるかなと思う。幸福というものを、経済人モデルで考えることの限界がある。
    経済学的に考えることの重要性は大いにわかるのだけど(第10章の情報材の計画経済と市場経済ので市場の失敗による説明は驚くほど分かりやすかった)、やはり限界もあるように思う。

  • 冒頭で著者が宣言している通り、エッセイのような本。
    「リスク」という話を扱っているためやや抽象的であり、興味がないと読んでいて退屈。

  • 1346夜

  • 【山形浩生】
    大変分かりやすく、「リアルオプション」「プランド・ハプンスタンス」などの概念がすんなり理解できた。著者の専門分野で、何度も考察を繰り返しているから説明がこなれているのだろう。
    特に、リスクというものは必ずしも避けるべきではなく、組織の緊張感を維持するため、ほど良い付き合い方をする考えもある、といった論考は頷けた。

    難点は、そこから派生した部分に対する考察で、選挙をめぐる予測市場など末節部分の言及になると、とたんに首をひねる回数が増える。本人が「思いつきなのだが」と前置きしている部分は、この傾向が顕著なのだ。

    ざっくりと言って本書の考察は、文献やネット上のデータこそあるものの、本人のリスクと向き合った切実な実体験がないから、エッセイとしては成立せず、軽い解説本にしかならない。全体的に軽薄な印象を受けるのはこのためだろうし、ブログを元に書き起こしている点も足を引っ張っているのだろうと思う。

    いずれにせよ、入門書としては使えると思う。

  • [ 内容 ]
    事故や災害のリスク、失業などキャリア面でのリスク、資産運用上のリスク、食品偽装や振り込め詐欺など他人の悪意に起因するリスク…現代社会は将来の不確実性に満ちあふれたリスク社会だ。
    そこで必要なのは、リスクと正しくつきあうためのリテラシーであり、不確実な状況から先を読む力(=予測力)。
    いま注目される「予測市場」研究の第一人者が、市場経済、政界の流れ、トレンドの傾向、アイドルの人気動向…などさまざまな分野のトピックを例にとり、最新の理論を駆使してリスクと賢くつきあう思考法をレクチャー。
    不確実性の時代を生き抜くための意思決定指南書。

    [ 目次 ]
    第1部 リスクと予測の、あたりまえだけどあたりまえでない話(リスクについての「ある」話と「ない」話;予測にまつわる、ちょっと身も蓋もない話)
    第2部 リスクを味方にする技術(リアルオプション思考;金融契約の技術が社会を変える;市場で予測する)
    第3部 心頭滅却すれば(「リスクをいとわない」という発想;我にリスクを与えたまへ;リスクを「楽しむ」)
    第4部 新しい革袋(開いて守る、という話;みんなの意見、みんなの力)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 特に期待せずに手に取ったのだが大当たり。リスク、リアルオプションなど、なんとなくモヤモヤしている概念について明快に解いてくれて、説教くさく無い軽さ。

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