人でなしの経済理論-トレードオフの経済学

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制作 : 山形浩生 
  • バジリコ (2009年4月3日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862381323

人でなしの経済理論-トレードオフの経済学の感想・レビュー・書評

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  • 原題:Trade-offs: An Introduction to Economic Reasoning and Social Issues
    著者:Harold Winter
    訳者:山形浩生


     6章では喫煙の費用・便益についての議論が扱われている。著者は案の定(反骨的かつ露悪的スタンスを本書を一貫させているので)、「喫煙の便益が世間や学会では過小評価されている」と述べて〆る。


    【内容紹介】
    タイトル:人でなしの経済理論──トレードオフの経済学
    定価:1,500円(本体価格)+税
    ISBN:978-4-86238-132-3
    発売日:2009/4/3
    内容:「経済学者はいかにして人の神経を逆なでするか」

    かかる費用とそこで得られる便益をはかりにかけて、意思決定するのがトレードオフの考え方。でもこのトレードオフ、経済方面だけでなく、社会のさまざまな問題についても応用できる。人命の価値は金額に換算するといかほどか? 移植用の臓器を強制摘出できるように法律で決めたらそのメリット、デメリットは?HIV検査の普及は逆にエイズの拡大をまねく可能性があるから抑制したほうがいい? ……経済学者はときに血も涙もないシミュレーションを試みる。「正しいかまちがっているか」より費用と便益が問題なのだ。よりよい社会政策、行動のための、人でなしの発想から入る費用便益分析入門。訳者・山形浩生による解説も秀逸。
    http://www.basilico.co.jp/book/books/9784862381323.html


    【目次】
    目次 [003]
    はじめに――ぼくのお世界へようこそ [005-009]
    謝辞 [011-013]

    1 社会問題へのアプローチ 015
    2 人命の価値っていかほど? 027
    フォード・ピント
    人命の値打ちはどのくらい?
    希少性
    追加の考察
    3 取引しようか? 045
    細胞売ります
    臓器の強制徴用を合法化したら?
    4 おまえのものはオレのもの 063
    価格づけ入門
    著作権保護:古典的なトレードオフ
    保護なんか必要なの?
    フェアユースは効率的か?
    医薬品と特許
    5 持っているなら吸ってはいかが 087
    孤立した人間
    何をご存じ?
    中毒になる選択
    コマーシャルの功罪
    若き喫煙
    6 人に迷惑をかけないとは? 115
    太陽の季節
    お話にならない人々
    煙が目にしみる(鼻にものどにも)
    早死には三文の得?
    真実をもとめて
    くすぶるまとめ
    7 規制と行動の変化 145
    シートベルトはしないほうが安全?
    太陽がいっぱい
    カナダのホッケー
    子供には安全でも大人には危険
    生兵法はけがのもと
    モラルの悪化
    守勢の医師たち
    8 警告――製品に注意 165
    設計の想定外
    欠陥があるのは仕方ない?
    損害賠償責任を認めないのが最高のルールか?
    警告しましたよね?
    損害賠償は是か非か
    9 解決策などない? 189
    あるのはトレードオフだけ
    私見では?
    敢えて夢を

    訳者あとがき(2009年正月 プノンペンにて 山形浩生) [203-213]
      トレードオフの基礎
      人命の価値――人間は平等か?
      主観的価値と市場価値など
      謝辞その他

  • これぞ経済学という感じ。みんなが当然と感じていることを費用便益分析から覆していくのは個人的には痛快。

  • "トレードオフ”、簡単に言うと”あっちが立つとこっちが立たない”。。。そんな事けっこうありそうですよね。
    ビジネスだけでなく色々な場面を想定できそうです。

  • トレードオフの関係、当たり前だけど、なかなか物の味方を変えて考えるのは難しいかな。どこでバランスを取るかは考え方次第だから、正しい方法は一つとは限らないというか、人によって異なるってことだ。

  • 本書の面白いところは、あるものに対してトレードオフ的な視点で考えるときに、軽妙な語り口を交えたうえで「これはこうだよ」までで費用や便益についての見極めを止めている点で、決して○○はこういう点で良くないから別の選択肢を選ぶべきだ、と押し付けをしていないところ。
    要はあくまでもトレードオフ的な思考のための入門書なのであって、そのための人でなしな思考を身に着けるための訓練をさせてるのが目的なところかなと。
    それは結局、人でなしになれ、ではなくて、あくまで公正な判断を下すためには人でなしな視点からも物事を見る必要があるということ。

    本書を読んでいると、随所に散りばめられたトリックや自分の楽観性も相まって、いかに主観的な判断ばかりで理論的なトレードオフ思考が身についていないかを思い知らされる。

    道徳心をもって市場に臨むための価値基準を設けるためにも、本書により学べることはたくさんありそう。

  • 「解決策などない、あるのはトレードオフだけだ。」

    人の命や健康、愛なんかの
    いわゆる経済学にの題材にしづらい内容や
    いくらなんでもトレードオフの関係はねぇだろうと思われる
    泥棒などの犯罪もトレードオフや損益で語る経済学者は
    確かに人でなしと言われるかもしれない。

    でも、ほら経済学的に言ったらだからね。
    愛しい人アメリカ人が死んだ時にあぁ、5億の損害やとか
    愛しい人ドイツ人が死んだ時にあぁ、2億の損害やとか
    言わないから。多分。

  • 一方を立てると他方が立たずというトレードオフのお話。
    どんなものでもトレードオフがなりたつということで話をしているのだけど、わかってる人には「そうだよね」という話。

    著者であるハロルド・ウィンター氏が「個人的にはどっちでもいい」という意見をしているが、同意できる。経済学的思考だ。
    さらに言うと、このトレードオフの両側の重要度をどう認識するかで立ち位置が変わる。経済学なんてそんなもんだと再認識させてくれる良書。

    できればゲーム理論(囚人のジレンマ)あたりと組み合わせた紹介を一節触れて欲しかった。

  •  何かこういう文章読んだことある、同じ著者かな?と思って奥付を見たら、著者は別人だったけど訳者が同じだった。文体はやはり原作よりも訳者の影響を色濃く受けるのだと実感した次第。

     人命は地球より重い、とか、喫煙は周囲の人を害するから絶対悪だ、とか、社会通念上は信じられている事柄も、費用と便益の視点から見直せばまた違う論理を構築することができるということを説明している。政策立案をする上でのトレードオフを十分考慮する必要性を訴えているのだが、各事例について、どちらの便益が大きいか、とか、どういう政策で対応すべきか、という部分にはあえて全く触れていない。

     そういうわけで、トレードオフという概念を十分に理解していると思う人は、あえて読む必要はないだろう。読んでも特に新しい知識は得られないだろうし。でも、この著者の好ましいのは、経済学者にしては謙虚で、タバコの煙の臭いが嫌いだから禁煙反対!という個人的嗜好による判断や、人の命をものみたいに扱うな!という感情的反応による判断を、完全には否定しないということを表明していることだろう。

  • 人の命をお金に換算すると・・・?

    シートベルトを締めると致死率が上がる?
    喫煙者の早死には三文の得?
    日焼け止めクリームは皮膚ガンを助長する?

    リコールでかかる費用が莫大になる資産が出て、
    かといって事故が起きて賠償することになっても
    リコール費用>賠償金額となればとるべき対応は?

    経済学者が独自の視点でよむ人間社会。
    まともに読むと怒り出す方もいるでしょうが、新たな視点を学ぶことができる
    とても面白い経済本でした。

  • (1)「シートベルトの持つ技術的な安全は、ドライバーたちの運転が荒くなるという行動反応によって相殺(オフセット)されるということ」(p147)というオフセット理論がわかりやすく紹介されていて、おもしろかった。どこかで説明するときに使えるかもしれない。

    (2)アメリカで大規模停電が起こったときに、その解決策としてメディアで語られたのは(a)電力業界を規制緩和して技術開発への投資を増やす、(b)逆に規制をもっと強めて停電を防止する、の2つだった。

    しかし著者は「ぼくが提起する問題はたった一つしかなかったはずだ。―最適な停電の頻度ってどのくらいだろう?」(p190)と問題提起する。そして「何十億ドルもかけて停電の頻度がごくわずかしか下がらないなら、停電頻度低下による期待便益は、設備投資よりもはるかに小さいかもしれない」(p191)として、「何もしないこと」を解決策として提示するのである。この発想は面白かった。何か問題が起きると「解決」したくなるのが人情なんだけど、経済学の知見は「何もしないことが最大の便益である」ということを教えてくれる。言われてみればあたりまえなのだけど、こうやってバチっと例示してくれると、感心する。

    そのほか、人命の価値、喫煙の擁護(ただし個人的感情ではなく経済学的に)、など、卑近な話題が多くて、面白く読めた。

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人でなしの経済理論-トレードオフの経済学の作品紹介

かかる費用とそこで得られる便益をはかりにかけて、意思決定するのがトレードオフの考え方。でもこのトレードオフ、経済方面だけでなく、社会のさまざまな問題についても応用できる。人命の価値は金額に換算するといかほどか?移植用の臓器を強制摘出できるように法律で決めたらそのメリット、デメリットは?HIV検査の普及は逆にエイズの拡大をまねく可能性があるから抑制したほうがいい?…経済学者はときに血も涙もないシミュレーションを試みる。「正しいかまちがっているか」より費用と便益が問題なのだ。よりよい社会政策、行動のための、人でなしの発想から入る費用便益分析入門。

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