マル暴

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著者 : 北芝健
  • バジリコ (2012年5月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862381880

マル暴の感想・レビュー・書評

  •  元警察官が執筆した、警察と暴力団の戦いなどについて説明されている本。主にマル暴刑事になる方法と、彼らの特徴、今後の闇社会の動向について述べられている。
     刑事でありながら、一見すると操作対象である暴力団と見分けがつかないような風貌をしており、彼らを二分しているのは「感情噴出の扁桃体の暴走を前頭前野が抑制してくれる」かどうか・自分は「警察の構成員であるという確固たる意識があるかどうか」が大事だと述べている。

     映画版『踊る大捜査線』のような本庁と所轄の確執は実際には無い、「捜査一課」は世間で言われているほど秀逸人材の集合部署ではない、警視庁と県警の縄張り争いがあること(容疑者の追跡中にスピード違反を建前に妨害されたと筆者は語っている)、これ以上提出する証拠が無いのに迫り、時によっては不起訴にしてしまう検察官との確執(向こうがエリートというのもある)なども明かしている。情報を聞き出すために下っ端のヤクザと食事をすることもあるという実情は、なんだか嫌な気もするが、大本を叩くためにはいたしかたないのだろうか。

     暴力団の特徴については、「東日本は縄張り意識が強く、形勢の変化に敏感」であり「西日本は縄張り意識が希薄で、時に流血も辞さない」事や、組長の存続の為には、建前を立てた上で子分を身代わりにすること、近年減少しつつある暴走族や、若者の性格の変化の為に新しい組員が増えないこと、その為にスポーツ新聞に求人広告を出したこと(!)、あろうことか入った組にモンスターペアレント並の主張をする親の存在など、意外な事実が述べられている。
     ビジネスモデルについては、上納金は税務当局の目もあり、そのまま納めるのではない(会費・交際費という建前を用いる)事、その昔葛西にて「ダイエットに役立つ」と主婦に覚醒剤を打ち、挙句の果てには売春をさせるというえげつない手法が用いられたこと、近年はチャイナマフィアと結託してみかじめ料を徴収していることなどを明かしている。
     「任侠道などというのは形骸化しており、それに美学を感じる若者はおかしい」と筆者の主張を、何かと影響を受け易いティーンエージャーは耳を傾けるべきではないか。

     「1992年に施工され、以後強化され続けている「暴対法」は、これまで取り締まれなかった事案も取り締まれるようになり、効果はそれなりに見られた。しかし、皮肉にもこの事がフロント企業の出現を増長させ、日本の反社会集団が地下に潜り、金のためには手段を選ばないチャイナ/ロシアマフィアを始めとする、海外の犯罪組織の台頭を招いたのではないか」というのが、最後の章での筆者の主張である。今後の動向に目を光らせる必要がある。

    自分用キーワード
    パリジェンヌ事件 拳銃事故防止三大鉄則 監察官(警務部) デリヘル/売春(ドラッグ・拳銃の密輸ルートとなっている)  米国:麻薬取締局(DEA) ハト(内通者) Nシステム(自動車ナンバー自動読み取り装置) 富士フィルム専務刺殺事件 「盆茣蓙の垢を舐める」 三三九度の盃 チーマー(カラーギャング) フロント企業 黒シャブ(警察犬対策) 瀬取り(海流を利用した密輸法) ドイツ・シュレーダー政権(売春を合法化して拳銃・ドラッグの密輸ルートを封じた) 

  • 5番乗り。文教堂書店錦糸町丸井店にて発見。気になる。(2012/10/13)

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マル暴の作品紹介

マル暴刑事と暴力団、それぞれの実像とその攻防をリアルに活写したノンフィクション。

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