塀の中の運動会

著者 :
  • バジリコ
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本棚登録 : 52
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862381903

作品紹介・あらすじ

抑圧と異質の空間での喜怒哀楽と悔悟の思い。ユーモアがそれを継ぐ癒しとなる。無期懲役囚が描く迫力全開のノンストップ・ノベル。

感想・レビュー・書評

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  • 感想
    十把一絡げに考えてしまう。しかし1人1人違う人間。そんなあたりまえのことに気づかされる。彼らが塀の外で笑えるように。そんなことも考える。

  • 主人公の光岡は妻子ある平凡なサラリーマン。魔がさして使用した「覚醒剤」のおかげで逮捕され、さらに送られた先が「LB刑務所」という「長期・再犯刑務所」。 その中で罪と向き合い、家族を思い、自分の人生をあらためて歩む決意をするまでの群像活劇。刑務所内にいる著者にしか書けない、リアル小説!

    覚せい剤で捕まった主人公が収監された刑務所は、どういう訳なのか無期刑や重大犯罪者ばかりの刑務所だった。主人公は刑務所内の工場対抗運動会に選手として出場することになって…というドタバタ劇。意地悪してくる奴、親友になる奴、尊敬する奴も出てくるけど、出てくる奴らはみんな罪人。放火が趣味で三人焼き殺した無期懲役囚に「仮出所したら絶対連絡してくれよ」なんて言っちゃう主人公。普通に考えればこんなの狂ってるって思う。なのに涙腺が緩んでしまうんだな、悔しいけどw 男たちの熱い友情物語。でも、こいつら全員罪人なんだな。

  • 初めて読む作家さん、作者は現役囚人とのこと、、
    学校と刑務所との違いはあるけれど、森村誠一さんの「虹色の青春祭」とよく似た内容の物語でした。(^ ^)

  • 爽快です。

    著者の他の作品(ルポなど)を読んだからこそ、面白いのかもしれません。

    著者の、真っ直ぐな性格が現れています。

  • なにがあっても、人生は続いていくんだな、続けていかなきゃな、とか思った。
    すごい細かく「塀の中」の取材したんだな、と途中で作者紹介見たら、現役受刑者で驚いた。

  • 現役受刑者という異色すぎる作者の囚人小説。
    受刑者なりの罪との向き合い方とかそういうメッセージ性も一つの主題となってはいるんでしょうが、刑務所内というその特異な世界観が面白いというか興味深すぎて霞んでしまうところも。作者からしたら日常風景なのかもしれませんが、読んでる側は・・・
    一応「この物語はフィクションで・・」という断り書きはあるものの、どこまでがフィクションでどこまでがリアルなのか判別がつかない。少なくとも「話にリアリティがないよね」とは言えないでしょうw

    しかし、中での会話はやっぱりああいうものなのかなあ。人を殺したことも自慢話で楽しく語り、とにかく猫を被って仮釈放を・・・って。ちょっと、というかかなり怖いですね。

  • ドキュメンタリーだと思い込んでページを開いたら、まさかの小説。うっ、ちょっとうっとおしいな、と思ったが、すぐに引き込まれた。素人くさいけど、その分面白かった。
    刑務所の中のいじめ。懲りない面々。美達大和に刑務所の差配をさせたらどうなるんだろうとちょっと思った。

  • ミスター運動会。色々と考えさせられました。

  • 臨場感。フィクションと言いつつ。

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著者プロフィール

美達大和
1959年生まれ。無期懲役囚。現在、刑期10年以上かつ犯罪傾向の進んだ者のみが収容される「LB級刑務所」で仮釈放を放棄して服役中。罪状は2件の殺人。ノンフィクションの著書に『刑務所で死ぬということ』(小社刊)のほか、『人を殺すとはどういうことか』(新潮文庫)、『死刑絶対肯定論』(新潮新書)、『ドキュメント長期刑務所』(河出書房新社)、『私はなぜ刑務所を出ないのか』(扶桑社)、小説に『夢の国』(朝日新聞出版)、『塀の中の運動会』(バジリコ)がある。また「無期懲役囚、美達大和のブックレビュー」をブログにて連載中。http://blog.livedoor.jp/mitatsuyamato/

「2022年 『獄中の思索者 殺人犯が罪に向き合うとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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