- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862480088
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豊富なケーススタディで学ぶ精神鑑定入門書
読了日:2006.06.10
分 類:雑学
ページ:286P
値 段:840円
発行日:2006年3月発行
出版社:洋泉社
評 定:★★★+
●作品データ●
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テーマ:精神鑑定
語り口:解説書
ジャンル:雑学
対 象:一般向け
雰囲気:実例多し
結 末:-
装 丁:菊池 信義
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---【100字紹介】-----------------
どのような手続きで精神鑑定が始まり、
何がどのように「鑑定」される?
裁判ではどのようなやりとりがなされる?
鑑定と法廷証言の実際を、医療刑務所勤務歴のある
鑑定人の著者が豊富な実例をあげて描く精神鑑定入門。
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ミステリ大好きな菜の花ですが、ミステリを読むのにも周辺知識は欠かせません。それに精神医学関係の話というのも大変興味深い分野。これはまさにその双方を1冊で考えられてしまう、絶好のタイトルではありませんか!
「ドキュメント」と題するだけあって、実例が多くなっています。かと言って、実例だけが並べられているのではなく、勿論それらの解釈・見解などもありますし、「入門書」と題するにふさわしい基礎知識の章もあります。
第一章で「精神鑑定とは?」と題して概要や法律的な説明があり、第二章はその名もずばり、「メイキングオブ精神鑑定」として精神鑑定の流れを確認します。これで大体、精神鑑定についてどういうものかなー、という知識は得られます。続く第三章がついに実例集「精神鑑定ケーススタディ」。最後の第四章はこれからについて静かに考える「精神鑑定のたどる道」。これはエピローグですね。
やはり一番のよみどころは二章、三章でしょう。事例を読むと、第一章での説明にも関わらず「これは駄目でしょ、責任能力全然なさそう~」と、思わず素人判断してしまうこと多数。でも、解説されると「あ、そっか、そう読むのか!」と納得してしまいます。やはりプロは視点が違いますね。だてに専門家を名乗っていないな、という感じ。
それにしても世の中にはこんなにも、やばい人が沢山いるのか!と思ってしまう…。しかも、それらの多くが責任能力あり、つまり精神病のせいではなく、本人のせいだ、とされていきます。
考えてみるとそれはむしろとても怖いことなのかも。だって病気のせいで犯罪を犯すなら、病気を治せばいいのです。でもこらえ性のない性格のせいだとか、病気のせいで…と他責的な傾向が強いとか、そういうことで犯罪を犯す人は、簡単には治りませんよ。だって、それが「その人らしさ」なんですから。しかも、犯罪をまだ犯していない時点では、彼らは病気でもないし「正常」なのですから、隔離して治療するとかそんなことも出来ません。
人間って難しいなあ、こういう性格の人が周りにいたらどうしたらいいのだろう。色々と考え込まされた菜の花なのでした。
比較的悲観的な気持ちになりやすいので、精神的に不安定な時期には読まない方がよいかもしれません。安定状態であって、人の精神に興味がある方、または犯罪が大好きな方、お勧めです!(そういう人の方が、絶対やばそうな人っぽい!)
●菜の花の独断と偏見による評定●
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文章・描写 :★★★
展開・結末 :★★★
キャラクタ :★★★
独 自 性 :★★★★
読 後 感 :★★★
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