ドキュメント精神鑑定 (新書y 150)

著者 :
  • 洋泉社
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本棚登録 : 52
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862480088

感想・レビュー・書評

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  • 実例が興味深い

  • 心の闇なんて精神鑑定ですべて解明できるものではない。
    犯罪者の精神鑑定をする人の苦労は計り知れないなあ…

  • 豊富なケーススタディで学ぶ精神鑑定入門書

    読了日:2006.06.10
    分 類:雑学
    ページ:286P
    値 段:840円
    発行日:2006年3月発行
    出版社:洋泉社
    評 定:★★★+


    ●作品データ●
    ----------------------------
    テーマ:精神鑑定
    語り口:解説書
    ジャンル:雑学
    対 象:一般向け
    雰囲気:実例多し
    結 末:-
    装 丁:菊池 信義
    ----------------------------

    ---【100字紹介】-----------------
    どのような手続きで精神鑑定が始まり、
    何がどのように「鑑定」される?
    裁判ではどのようなやりとりがなされる?
    鑑定と法廷証言の実際を、医療刑務所勤務歴のある
    鑑定人の著者が豊富な実例をあげて描く精神鑑定入門。
    ------------------------------------

    ミステリ大好きな菜の花ですが、ミステリを読むのにも周辺知識は欠かせません。それに精神医学関係の話というのも大変興味深い分野。これはまさにその双方を1冊で考えられてしまう、絶好のタイトルではありませんか!

    「ドキュメント」と題するだけあって、実例が多くなっています。かと言って、実例だけが並べられているのではなく、勿論それらの解釈・見解などもありますし、「入門書」と題するにふさわしい基礎知識の章もあります。

    第一章で「精神鑑定とは?」と題して概要や法律的な説明があり、第二章はその名もずばり、「メイキングオブ精神鑑定」として精神鑑定の流れを確認します。これで大体、精神鑑定についてどういうものかなー、という知識は得られます。続く第三章がついに実例集「精神鑑定ケーススタディ」。最後の第四章はこれからについて静かに考える「精神鑑定のたどる道」。これはエピローグですね。

    やはり一番のよみどころは二章、三章でしょう。事例を読むと、第一章での説明にも関わらず「これは駄目でしょ、責任能力全然なさそう~」と、思わず素人判断してしまうこと多数。でも、解説されると「あ、そっか、そう読むのか!」と納得してしまいます。やはりプロは視点が違いますね。だてに専門家を名乗っていないな、という感じ。

    それにしても世の中にはこんなにも、やばい人が沢山いるのか!と思ってしまう…。しかも、それらの多くが責任能力あり、つまり精神病のせいではなく、本人のせいだ、とされていきます。

    考えてみるとそれはむしろとても怖いことなのかも。だって病気のせいで犯罪を犯すなら、病気を治せばいいのです。でもこらえ性のない性格のせいだとか、病気のせいで…と他責的な傾向が強いとか、そういうことで犯罪を犯す人は、簡単には治りませんよ。だって、それが「その人らしさ」なんですから。しかも、犯罪をまだ犯していない時点では、彼らは病気でもないし「正常」なのですから、隔離して治療するとかそんなことも出来ません。

    人間って難しいなあ、こういう性格の人が周りにいたらどうしたらいいのだろう。色々と考え込まされた菜の花なのでした。

    比較的悲観的な気持ちになりやすいので、精神的に不安定な時期には読まない方がよいかもしれません。安定状態であって、人の精神に興味がある方、または犯罪が大好きな方、お勧めです!(そういう人の方が、絶対やばそうな人っぽい!)



    ●菜の花の独断と偏見による評定●
    ---------------------------------
    文章・描写 :★★★
    展開・結末 :★★★
    キャラクタ :★★★
    独 自 性 :★★★★
    読 後 感 :★★★
    ---------------------------------

著者プロフィール

成城大学経済学部教授。主著:『近代中国民間銀行的誕生』(中国・社会科学文献出版社、2019年)

「2021年 『毛沢東時代の経済』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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