伊達政宗の手紙 (Modern Classics新書 42)

著者 :
  • 洋泉社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862485168

感想・レビュー・書評

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  • 手蹟の善し悪しは目が利かないので正直ぱっとみの「好き嫌い」レベルでしかないが、伊達政宗の字は美しい。
    特に、花押は若い頃から晩年に至るまで、どれも大好きなデザインだ。
    無教養すぎて読み下し文を付けてもらえないと原文のままで味わうことはできないが、それでも一文ずつ、原文の写真と見比べながら読み進めていくと無性に感動する。
    こんな父親かわいいな、こんな主だったら心酔するだろうな、こんな友人ならずっと付き合いたいな、どの立場から見ても人間的な魅力が圧倒的。
    膨大な数の自筆手紙が現代までいろんな所に保管されていたということは、いろんな相手にとって「とっておきたい」と思われる手紙を書く人だったのだろう。
    大事なことだと思う。

  • 一言で言うと、読むと伊達正宗が好きになる本。
    お父さんになってほしい。
    それに、こんなお殿様ならついていきたいと思う人柄が表れている。亡くなった時に後を追って亡くなった方が20人ということだが、納得いく位、とっても魅力的な方です。

    同じ著書のもう一冊の本より、こちらの方が、政宗の直筆の手紙の写真の掲載が多く、また内容も重複はあるがこちらの方がハートフルで彼の人となりがよく伝わってくる。

    いわば公式戦国大名伊達正宗としての手紙を紹介した第一部、父親として、そして上司としての手紙が第二部、芸術を通して(気の置けない親交?)の手紙が第三部。

    私は第二部が好きでした。
    徳川家康が息子を犠牲にしたりしているし、この時代は自分で育てる感じが低いので、勝手に親子の情はないと思っていたのだけれど、政宗はとても子供思い。
    長男に色々と口うるさい事を書いた手紙を送ったり、行動をとったりしていたみたいで、もめたらしいのですが、その後の手紙はおしつけがましくなく、かつ見捨てたわけでもない手紙に変わっている。
    自分の親としての態度を反省したらしく、息子と話し合い、その感想「いろい(干渉)申す事は、ゆめゝ有間敷由、かたくゝ申しさだめ候」と部下に送っている。

    反省することは難しい事で、ましてや親としての反省はなおさらだと思うが、できるところに大器さを感じる。
    その長男に、雨降って地固まる後に送った詩歌の添削の手紙で、格言を引用し、融通を利かせるように諭している。確かに、考えの柔らかい人の様に感じる。
    また、他人の作品の品評を依頼された場合も、作者を知らないので論評は避けたいがとあったり、随所に謙虚な姿勢がみられる。

    自分の病気について伝え、他人から聞くと心配するだろうから知らせておくと書いてある心遣いもじんとくるものがある。

    京都で生まれて、政宗の仙台を見た事のないまま嫁ぐ日が近い長女を娘を、その前に仙台に呼び寄せた。
    初めて仙台を見る娘のために、侍屋敷町屋敷の全てに灯篭を吊るさせ、それを二人で楼上から眺めたらしいです。優しい。。。

    優しいだけでなく、部下の始末について、切腹を命じたりときっちりもしていて頼りがいもある。
    それに偉そう一辺倒でなく、酒の先での乱痴気を部下に素直にあやまったり、人として本当に魅力的な人。
    男の年下の恋人の浮気を疑った事を謝る長文の手紙なども、50代の大名と思えないくらい、素直でかわいい。

    自画自賛なことを書いて、自分でおかしく候と書いてあったり、楽しい人。

    失敗をしない完璧な人ではない。でも誰に対しても悪ければ謝るし、誠実に接するし、人間らしくて愛嬌があって、憎めない人。

    幕末ものを読むと、教育盛んな仙台藩と出てくるが、政宗が築いたためでしょう。
    おちゃらけたことも言うのが魅力的に映るのは、忙しいにも関わらず(こまかい町民の生活にまで気を配るので)、詩歌、古典文学、手紙、香道、茶道、舞といった当時で言う教養にもきっちり通じそれが支えているからだと思う。

    後書きにある「藩鑑」にもある政宗の大胆な行動も魅力的。大胆さと、人に対する優しさを兼ね備えた最後の戦国大名。

  • 筆まめな政宗様
    父親としても、夫としても、大名家の当主としても、魅力溢れる御方だっんですね
    改めて、惚れ直してしまいました(*^-^*)

  • 伊達政宗の「手紙」に焦点を当てた本。本文中には実物の写真も掲載されており、眺めながら読んでいくと雰囲気がより伝わると思います。

    著者は長年伊達政宗の書状などを研究されている方です。
    同じ著者の『素顔の伊達政宗』もお勧め。

  • 赤裸々すぎる政宗様の手紙。読んでいくと2424が止まらない。お母さんとの手紙のやり取りを読んで、政宗様とお母さん、世間で言われる程、憎しみ合っていないんではと思った。お母さんとしては、「愛し方が分からなくなってしまった」のではないだろうか。伊達家の跡取りで嫡男が生まれたが、病気で目が不自由になる→自分を責める→伊達家内での自分の存在意義が分からなくなる→それが、政宗様への愛憎となる→愛し方が分からなくなる…なのかなぁ…と思いました。

  • とにかく下手な小説を読むより何倍も面白かった。意外な一面を多く見れた。

  • 戦国武将の中でも人気の高い伊達政宗。
    その理由がよく分かります。
    こんな人が主君だったら、そりゃあ心酔してお仕えしますよ!

  • 第一篇就是「片小へ」....
    政宗聽聞小十郎因為比自己更早得到子嗣,為了剛當上家督之位還不穩固的政宗而打算殺掉兒子以專心輔佐,所以急書阻止,並表明希望小十郎與他一起打拼,也會將小十郎的兒子當做自己的兒子看待。

    從給家臣到給家人、難得交心的大名、甚或是為了近侍而寫信描述病情給醫生,這些信件中可窺知處女座B型的政宗對於週遭細節的注意與叮嚀,還有詩歌香酒等文化素養與日常生活。(也包含了寫給小性的信...)

    說正常...還挺正常的內容(←不然是想看什麼),大部分的書信都有放上原信件的圖片,以及古文原文(部分節錄)。

    不過我還是沒有看到那篇戰爭中叫人來玩的信......
    希望也有一本其他人寫給政宗的信的書(尤其片小希望!)

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著者プロフィール

佐藤憲一(さとう・けんいち)
東京理科大学教養教育研究院教授。専門は初期近代トランスアトランティック文学文化。著作に『異形のピューリタン―ジョン・ウィンスロップ・ジュニアとトランスアトランティック・トランザクション』(春風社、2020年)、『救いと寛容の文学―ゲーテからフォークナーまで』(共著、春風社、2019年)、『異文化理解とパフォーマンス―Border Crossers』(共著、松田幸子・笹山敬輔・姚紅編、春風社、2016年)、『人間関係から読み解く文学―危難の時の人間関係』(共著、日本人間関係学会・文学と人間関係部会編、開文社出版、2014年)、『知の版図―知識の枠組みと英米文学』(共著、鷲津浩子・宮本陽一郎編、悠書館、2007年)がある。

「2023年 『越境のパラダイム、パラダイムの越境』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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