- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862487049
作品紹介・あらすじ
業界を20年以上見続けてきたNo.1辛口アナリストが、指し示す復活への設計図。「ITからEE(エネルギー&エコロジー)、インフラ輸出へと舵を切れ」。
感想・レビュー・書評
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「こうやって蘇る」の部分はありきたりな内容だったが、ファクトの部分は分かりやすく、業界地図の詳細版を読んでいるようだった。電機産業がこれまで歩んできた道、現状、これからの展望を俯瞰的に見れる本。最新版が出たらまた読みたい。
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全く何も知らない人が読むと面白いだろうけど、
ある程度電機について理解がある人なら、「そんなこと分かっとるわい!」という感じ。 -
Wintel から A Gohst へ変化したと説き、これからどうなるのかの示唆もある。感想は「水平分業であろうと、垂直統合であろうと、仕切っているものに利益が集まる」ということ。
著者が説く日本の電機メーカーが生き残る道は、重電、白物、エネルギーとインフラ。エネルギーは多少かぶるが、エコ、EVというここ数年の官民をあげての将来構想がすでに破綻している先を見通している。白物というのも新鮮な発見だ。TVや情報機器では完全に敗北し挽回の余地もない。BRICS市場、特に中国も完全に出遅れて手遅れ、太陽電池やLED照明も序盤で敗退という日本メーカーの現実を単純明快に述べており、その原因は経営者や社員のビヘイビアによるところが大きいと喝破している。そう、けっして外国の低賃金や為替に負けたのではないのだ。
エネルギーやエコの話が続く中盤は寝不足の頭には退屈だったが、各社の経営や政府の役割などに触れた終盤はユニークで、数字にもとづいた論理で読ませる。現場を歩き、現実を見、人を見ている著者の指摘は的確だと思う。
通常言われる「三現主義」には日本人の欠陥が組み込まれていて、それは当事者たる「現人」に触れるのを避けている点にある。しかしこの著者は、インタビューで人を測る事を重視しており、その欠陥を克服していると感じる。
韓国企業の戦略に学び大胆な投資をして惨敗に終わった電機各社、これを機会に古い人は責任を取って去り(無理)、信念と執念を持ち現実を仕切る次世代(そんな人たち居たっけ?)にバトンタッチすれば、それは良い事だ。それが二十年は期待できないことを当事者の誰もが知っていて、口を噤み、手をこまねいている。 -
「ITに活路はない」
自分の持っていた考えとは正反対の主張をしていて大変参考になった。
電機産業の絶望と希望が織り交ざった一冊。 -
「日本の電機産業に未来はあるのか」でリーマンショックの余震期間を風靡した著者が綴る、今後20年の電機業界に係る展望。
単なる資料やデータの羅列にとどまらず、独自の見解を不断に盛り込んでいる点が、読み易く、また、逆に説得力も喚起している。引力に乏しい月並みなワードであっても、これだけ凝縮して脚色すれば、歴とした方位磁針になり得る。予測っていう行為はそもそもそういったものなんだなと。