わたしの小さな古本屋~倉敷「蟲文庫」に流れるやさしい時間

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著者 : 田中美穂
  • 洋泉社 (2012年1月31日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862488305

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わたしの小さな古本屋~倉敷「蟲文庫」に流れるやさしい時間の感想・レビュー・書評

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  • 図書館で一気読みしてしまった本。


    岡山は倉敷の美観地区にある
    「町屋」風の景観にビックリの古本屋
    「蟲文庫」。


    猫と亀とクワガタと金魚とメダカ、
    そして愛する苔と共に帳場に座る店主は、
    会社を辞め
    21歳にして古本屋を開業した
    田中美穂さん。

    そんな田中さんの
    開業当時のエピソードや、
    本との不思議な出会い、
    お客さんとのほっこりした会話など
    ひとつひとつが心温まるエッセイです。



    「文体こそ人なり」
    と言うように
    穏やかで静かな佇まいの中にも
    一本筋の通った
    ブレない「芯」を感じさせてくれる文章。

    おそらくお店自体も
    同じ空気感を醸し出しているんだろうな。


    21歳の時に
    見よう見真似で始めたこの仕事。

    書店を営業する傍ら
    夜に朝にと
    アルバイトで生計を
    立てる日々。


    お金を稼ぐ目的ではなく、
    「好き」を仕事にすることの意味と覚悟。

    「意地で維持」という言葉をモットーにしている田中さんだけに、
    なんとしてでも
    店だけは続けていきたいという
    彼女の強い意志が、
    淡々として心地いい文章の隅々から伝わってくるようでした。


    自らの努力で勝ち取った自由のカタチと
    そのゆるい空気感は勿論、

    友部正人やあがた森魚のライブや
    トークショーに
    オリジナルグッズの販売など、

    古本屋の枠にハマらない自由な活動も
    なんとも魅力的です。


    まったく別々の道を歩んでいる人たちが
    「好き」を通して
    本のあるところに集まり、
    ほんの一瞬、
    同じ時を共有して、
    そして別れていく
    古本屋という空間。


    人と人との出会いだって
    そういうことやし、
    ブクログでの出会いだっていっしょ。


    だからこそ沢山の素晴らしい作品がある中で、
    同じものを選び
    同じものに共感した喜びを
    共に分かち合えたらって思うし、

    それこそが
    一期一会であり、
    好きを貫く醍醐味なんじゃないかな。



    古本屋が好きな人や
    将来自分でお店を開業したい人、

    猫好き、苔好きに、星好きさんなら
    強くオススメしたい一冊です。

  • 2010年秋のころだから、まだこの本が書かれる前のときに、本棚を占領している20年前に亡くなった叔母さんの蔵書を古本屋に売ろうとしたことがあった。百科事典の類は売れないことを聞いていたので、当時大河で再ブレークしていた「新平家物語」美装版全巻と叔母さんの生花の雑誌(お茶とお花の先生をしていた)、昭和30年代に発行された単行本や文庫本、ダメもとで文学全集、「タイム」社の歴史全集をダンボール箱いくつかに入れて、倉敷美観地区にある蟲文庫に持って行ったことがあった。

    なぜ蟲文庫かというと、大通り沿いにあるチェーン店よりは、ここの方が本の価値を正確に評価してくれそうな気がしたからである。名前だけは聞いていたが、本屋には一度も入ったことがなかった。ブログは何年も前に読んだことがあった。なんか長い長い文章が書かれていた。

    本屋は閉まっていたが、しばらくすると帰ってきた。小柄な可愛らしいといっていいような女性だった。予想よりも若いことに戸惑った。

    預かってもらえるだけでも良かったのだが、やはり全集類は引き取ることさえ断られた。店を見たらあまりにも狭く、そんなものは置けそうになかったので早々に諦めた。意外にも「新平家」は断られた。「他の店では取る所もあるかもしれないけど、うちはその類はとってないの」済まなそうに言うその仕草に誠実さを感じた。「取れるのは文庫本ぐらい。場所を取らない本しか回らないの」本棚の場所確保が、最大の目的なので、それはわかるけど困る、と言うと、雑誌と単行本もとってくれた。そして1000円頂けた。雑誌合わせて20冊ほどで、それだけもらえるのは、あとで他の古本屋を回ってみて破格の値だと気がついた。

    私は蟲文庫の店主を、マニアックだけども海千山千のつわものだとイメージしていた。しかし今回この本を読んでみて、あのときの私の戸惑いの意味はこうだったのだなと、ガッテンがいった。

    田中美穂さんは、21歳のときバイトを辞めたあと「そうだ、古本屋になろう」と総予算100万円ほどで始めた。1993年に倉敷市川西町に元事務所を借りて始めたらしい。全てが手探りで、自分の蔵書と持ち込みの本で細々と始めたらしい。2000年に現在位置に移転。店構えは見たことがあった。蟲文庫はつくづくいい名前だ。一度見たら忘れられない。その一方で虫専門の古本屋かと思ってしまう。そうではなくて、基本持ち込みのみで、組合には入らずに成り立っている古本屋らしい。始めはバイトの掛け持ちで、意地でも続けていた。だから、むしろ素人感覚で始めた古本屋なのだ。

    私の映画の好みは「少女が一生懸命頑張っている」作品である。もう20年以上も古本屋を1人で(⁈)で、やっているらしいので、少女と言われると「キモイ」と嫌われそうだが、まあ印象としてはそうだ、ということで、この本を読んでファンになった。

    倉敷在住の私にとって、「会いに行ける古本屋」です。時々尋ねようと思う。
    2015年5月14日読了

  • 亀についてのエッセイかなんか、読みたいんだよねェ・・・なんて話していたら、田中美穂サンをオススメされたんで図書館で検索。

    亀系はちょっとスグ読めない感じだったので、こちらを借りました。

    亀についてはこちらにはチラリとしか描かれてませんでしたが(クサカメですね)、苔に関して書かれていて惹かれました。
    カメ本も苔本も、借りて読みたいです。


    ファンになりました。

  •  蟲文庫、行ってみたい! 今住んでいる地域には、こういう個人経営の小さな古本屋さんがないので、読んでいるだけで懐かしい気分になりました。昔は大学の周りって古本屋さんがいっぱいあるものだったけれど、時代は変わったのね……。

  • 1つの土地にどっしりと根を下ろして生きるって、私の憧れでもあります。
    いつか小さな店でもと思っても、生まれ故郷を遠くはなれ、各地を転々としてきた者には、ネット上にバーチャルな店を構えるくらいしか方法はありませんでしたから。
    望んで始めた古本屋ではなかったのかもしれませんけど、稼ぐために手当たり次第にできることをやってきた結果かもしれませんけど、ステキな生き方をされていると思います。
    いつかこの店訪ねてみたいです♪

  • 蟲文庫に行きたくなりました。
    店主さんに会いたくなりました。

    活字なのだけど、ゆっくり、ほわ~っと語られてるかのようで。
    それは、わたしにとって心地よい、安心できるもので。
    あぁ、好きだなぁ、この方の文章。と思ったのでした。

    『苔とあるく』も、読んでみたいな。

  • 本屋も古本屋も好き。もちろん図書館も。
    特に、古本は出会った時に運命を感じるなぁ。その古本屋さんにあるかどうかもわかないのに出会うってところが。
    今の家の近所に古本屋さんがないのが残念。
    自分が古本屋さんをやってしまいたいくらいだけれどもね〜。
    個性的な古本屋さんへ行きたくなった。

  • 21歳で古本屋を始めた女性のエッセイ。
    最近古本屋が舞台の小説をよく読んでいるので気になって。
    大変だろうとは思うけど、こういう暮らしにすこし憧れる。

  • これを読んだのは3度目。
    田中さんの、苔に対する見解が好きだ。
    ”苔というものは、満ちることを好まず影や隅というものに心を配る、私たち日本人の生活や精神面と深く関わってくる…”
    蟲文庫と似ているのだなぁ。

  •  倉敷にある古本屋「蟲文庫」の店主が、店を始めてからこれまでの様々なエピソードを綴った文章。
     飾らず、気負いのない文章は、これからも地域に根ざした店を続けていかれるのだろうと予感させる。すてきな生き方だと思う。

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わたしの小さな古本屋~倉敷「蟲文庫」に流れるやさしい時間の作品紹介

会社を辞めた日、古本屋をやろうと決めた。それから18年。猫2〜3匹、亀9匹に、クワガタ、金魚、メダカなどがそれぞれ数匹ずつ同居する店で、女性古本屋店主は、今日も店の帳場に座り続けています。

わたしの小さな古本屋~倉敷「蟲文庫」に流れるやさしい時間はこんな本です

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