渡辺京二傑作選④ドストエフスキイの政治思想 (新書y)

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  • 洋泉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862489029

感想・レビュー・書評

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  • ドストエフスキーの民衆観を中心にして、彼の政治思想について読みとくエッセイ集。ふと、この本の現代的意義は? とか思ったが、ドストエフスキーのコアなファン向けということだろう。

    「彼(ドストエフスキー)はロシア人を支配するひそかな潜在意識について、次のように書いている。“ロシア国民の中に秘められたかような観念のひとつは、犯罪を不幸と呼び、犯罪人を不幸者と見なすことなのである。この観念は純ロシア的なものである。ヨーロッパのいかなる国民の中にもこの観念は認められない”」

    「ロシアの農民の土地観は、所有の唯一の源泉は労働であるという観念から出発していた。土地は人間の労働の産物ではない。それ故勤労者が、自己の労働の産物に対してもっている無条件の自然の所有権は、土地にはありえないというのであった。いいかえれば“土地は誰のものでもない”という農民の土地観から、自己の労働で耕作する全ての人の、土地用益に対する平等の権利が発生したのである。そしてこの農民の土地観は宗教的なものにまで高められた」(保田孝一「ロシア革命とミール共同体」)

  • 2018/12/13購入

  • 渡辺京二初期の評論。
    なんとなくトランプ(支持者)のことを思いながら読まざるをえない。違うところは違うのだが。

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著者プロフィール

1930年、京都市生まれ。
日本近代史家。2022年12月25日逝去。
主な著書『北一輝』(毎日出版文化賞、朝日新聞社)、『評伝宮崎滔天』(書肆心水)、『神風連とその時代』『なぜいま人類史か』『日本近世の起源』(以上、洋泉社)、『逝きし世の面影』(和辻哲郎文化賞、平凡社)、『新編・荒野に立つ虹』『近代をどう超えるか』『もうひとつのこの世―石牟礼道子の宇宙』『預言の哀しみ―石牟礼道子の宇宙Ⅱ』『死民と日常―私の水俣病闘争』『万象の訪れ―わが思索』『幻のえにし―渡辺京二発言集』『肩書のない人生―渡辺京二発言集2』『〈新装版〉黒船前夜―ロシア・アイヌ・日本の三国志』(大佛次郎賞) 『渡辺京二×武田修志・博幸往復書簡集1998~2022』(以上、弦書房)、『維新の夢』『民衆という幻像』(以上、ちくま学芸文庫)、『細部にやどる夢―私と西洋文学』(石風社)、『幻影の明治―名もなき人びとの肖像』(平凡社)、『バテレンの世紀』(読売文学賞、新潮社)、『原発とジャングル』(晶文社)、『夢ひらく彼方へ ファンタジーの周辺』上・下(亜紀書房)など。

「2024年 『小さきものの近代 〔第2巻〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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