私と橋下知事との1100日

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著者 : 中村あつ子
  • 洋泉社 (2012年4月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862489227

私と橋下知事との1100日の感想・レビュー・書評

  • マーケティング会社の経営者から橋下徹前大阪府知事の進める民間からの人材登用により、大阪府都市魅力課長(次長級の副理事兼務)に3年間着任した著者が、その経験を振り返っている。民間からの登用の場合、スタッフ職に就くことが少なくないが、著者は決裁権を持つラインの課長への就任だったということで、貴重な経験談であるといえる(ラインの課長であることの重要性は著者も指摘している)。
    民間登用者という外部の視点と内部の視点を合わせ持つ当事者による橋下府政の実態報告ということで興味深い内容となっている。民間出身者から見たら、府の職員、ひいては地方公務員はこういうふうに見えるのかというのがよくわかった。ただ、「公務員=民間と比べて非常識」というバイアスがかかっているのではないかという印象も持った。例えば、部下が上司に「レク」をするという公務員世界ではよく行われている慣習について、「指示・命令系統の奇妙な逆転現象」と否定的だが、「レク」にも部下への分権、職場での情報共有といった観点で利点も少なくないと思う。民間での業務の進め方、公務員の業務の進め方、それぞれ一長一短あると思うが、著者は、一概に民間でのやり方が好ましいと思い込んでいる節があるように感じた。また、一部の極端な事例を安易に一般化しているのではないかという気もした(府職員は服装に気を使わない人が多いという指摘など)。
    一方で、あいさつをしない、電話に出ても名乗らない、遅刻というものがない、印刷物をやたら作るといった著者が感じた違和感は、大阪府庁だけでなく、他の地方自治体でも多くみられる光景であると思われ、改めて指摘されると、確かにおかしいよね、ということが多いとも感じた。特に、仕事を受けようとしない、やらない理由をまず考えるといった思考は、多くの公務員に共通するものだと思うが、好ましい勤務態度ではないと思われ、著者の指摘には耳の痛いところがあった。
    著者が指摘している「ちょっとの変化の積み重ね」が大切ということは、何か変革を行おうとする場合の心構えとして重要なことだと思った。
    橋下氏の仕事の進め方の紹介もされていて興味深かった。徹底的に議論を尽くすというスタイルや、議会への知事答弁は項目の箇条書きにしたことなど、感心した。いろいろ問題はあるとは思うが、やはり傑物には違いないという印象を持った。

  • 民間と大阪府庁の違いを実例を挙げて具体的に示している。府庁という組織が橋本元知事の改革によって、あるいは著者である民間出身の女性課長によって、どのように変わっていったかを知ることができる。
    民間的な視点、手法を取り入れつつある大阪が今後どのように変遷していくのか期待したい。

  • 仕事に対する構え方・捉え方の違いでこんなに違うというのがヒシヒシと分かる。自分も公務員的になってるなぁー。注意。

  • もともとマーケッティングをやっていただけあって、インパクトのあるタイトルをつけてきました。
    実際のところは橋下知事というよりも、民間から来た私の挑戦って感じが全面。
    困難に立ち向かう勇気と、それに打ち勝つことのできるバイタリティーのある人であることがよく解ります。
    何年も平穏無事に事なき毎日を送ってきた府庁の職員たちには、とんでもない闖入者に見えたに違いありません。
    そんな職員側の気持ちが解ってしまう私も、進んで変化に立ち向かう姿勢が必要なのだと思わせられました。

  • 以前は流し読みでしたので、改めて読んでみました。今だからこそ分かることがたくさんありますね。あの頃の読後感とは全く違います。
    これもチームメンバー必読の一冊です。明日、みんなにお勧めしよう!

  • 中村さんは、橋下さんが大阪知事時代に新設した都市魅力課の課長として初めて民間人として招き入れた方。すでに2012年3月に3年の任期を終え、今は改めてマーケティング会社(ハル)の副社長を勤めています。

    そんな中村さんが大阪府に入庁して、民間人と役所との考え方・仕事の仕方についての大きなギャップにも負けずに進めてきた仕事、そしてその仕事を進めていく上で橋下さんの人となりに触れているというのが本書。

    それにしても大阪府の役所っぷりは、すさまじいというか、自分の会社も27年前に民営化されたわけですが、その面影がまったくないかというとそんなこともないというのが本書を通じて、改めて認識されました。

    そしてリーダーとして仕事を進めるには「絶対にあきらめない」という姿勢を貫くとともに「「明るく、楽しく」仕事」をできるようチーム先導していくことなんですね。

    本書を読了した頃にNHKプロフェッショナルの流儀で出ていた駅弁販売・営業所長・三浦さんも同じく「楽しく」をモットーとしていて、何か忘れていたものを思い出したような気分でした。

  • 民間会社に勤めていた著者が橋下知事に頼まれて、大阪府庁で改革を行う話。いかに行政と民間会社が異なる価値観で働いているかが分かる。そして、頭がよくプライドが高い府庁職員の働き方を変えていくことは不可能に近い。

    しかしTOP(橋下知事)が求める改革を施行するために、その道から逃げ出さず真向に向かっていく姿勢に、働き手としての力強さを感じる。こういう積み重ねが公務員の世界を変えていくのだと思うし、ひいては社会を変えるのだと思う。

  • 民間の中小企業経営者が大阪府の橋下改革を実践していった日々。完全アウェイからのスタート。なんだか自分の体験とも重なることが多かった。組織の活性化に必要な事ってのは基本的に同じだってこと。能力の高さは大事だけどチームとして機能させてはじめて大きな成果と成長につながるんだよね。その最初の1人が誰でもなくリーダーとしての自分なんだよね。

  • 副題:民間出身の女性課長が大阪府庁で経験した「橋下改革」
    帯:"ケッタクソ社会"大阪府庁の実態と橋下流マネジメントとは?


    短い段落が読みやすかった反面、少し深みが足りない気がしました。ただ、エッセイという意味では十分満足のないようです。

    「スケジュール共有がない」「部下から上司への"レク"」には、驚きました・・・・

    「府を守るものこそが優秀な職員」とありました。これは端的に言い表してると思います。「府民のために」ではなく、「府(庁)」そのものが目的になってる・・・のでしょうね。

    「民間出身者が持った16の違和感」には納得しました。うちの会社も・・・やばそうw

    府庁に限らず、人材が外部から入ってこない、出て行かない組織は、澱んでくると私は思っています。旧来の体質を変えるのは並大抵のことではないですが、そのきっかけをつくった、筆者や、橋下さんには頭が下がります。

    「コミュニケーション不足が呼ぶコミュニケーション不全症候群」
    「発想を広げるホワイトボード」
    「掃除の力、スケジュールの力」

    ここらへんも、なるほどなーと思いました。

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私と橋下知事との1100日の作品紹介

橋下前大阪府知事に乞われて府庁入りした初の民間出身の女性課長が見た、"ケッタクソ社会"大阪府庁の実態と「橋下流マネジメント」とは。

私と橋下知事との1100日はこんな本です

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