危ない大学 (新書y)

  • 洋泉社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862489890

作品紹介・あらすじ

メルトダウンが止まらない「崖っぷち大学」。定員の7割に満たない危険信号大学58校、定員の5割に満たないカウントダウン大学13校。高校生の2人に1人が大学に進学し、大学の定員総数が進学希望者を上回る「大学全入時代」。その知られざる実態を当事者たちのナマ証言で解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • この手の本は多々あるが、多くは現状をきちんと調べもせずイメージだけで書かれている。

    本書もその1つ。

  • 2012年発刊の本書はAmazonレビューに2件しか評価がないが、私にとっては勉強になる本であった。
    まず本書の前提は、
    ①少子化で子供の数は減っている。
    ②大学の数は増えている。
    ③大学進学率は50%を超えている。
    ④大学全入時代を迎えている。
    という4点であり、それを受けて大学側は、
    ①大学はもはや学問の府ではない
    ②社会に通用する人間に育てる
    ③手取り足取り全て教えるべき
    というのが本書の主張であり、一例として金沢工業大学を挙げている。友達作りやレポートの書き方など箸の上げ下げから教えていく丁寧な指導のやり方を筆者たちは絶賛している。
    「ここまでやるべきか?」と正直思うが、ここまでしている大学があるならそれに合わせざるを得ないということを知った。

  • 大学の学力低下
    薬学部の低迷、医学部の意欲低下
    教授会制度の大きな弊害
    一部大学の学生サービスの変化
    大学中退の増加と社会的問題
    大学進学率の上昇と大手企業志向による就職率低下

    複数の著者のコラムで構成されていてそれぞれ読み易い

  • まあ,この種の本も多く出てきて若干食傷気味という気がしないでもないが.
    しかし錚々たる顔ぶれの執筆陣(笑)
    内容的には最新の事情にアップツーデートされているし,参考になる情報も多かった.
    「中の人」としては,ますます絶望的な気分になるのだが・・・

  • インタビュー記事や雑誌等への掲載をまとめた風で、複数のライターの文章が載っている。そのため同じ情報の重複が避けられず、深い知見を得たい人には不向きかもしれない。ただ、多くの人が薄々と感じているこのごろの若者の学力低下の実態の把握、その従来の「学力」のとらえ方を変える必要性、さらには新たな若者の広い意味での「学力」をどう養っていくかを考えるにはいいきっかけとなる本である。

  • ≪目次≫
    まえがき  分数のできないのは当たり前?AO・推薦乱発ウラ事情
    第1章  崖っぷち大学のいま
    第2章  潰れる大学、生き残る大学
    第3章  全入時代の大学選び


    ≪内容≫
    タイトルほどのきわどさはない。至極当たり前の分析が続くので、逆に安心して読めるが、このジャンルを何冊か読んできた身からすると、目新しさや斬新さはない。その辺をどう判断するかだろう。
    このジャンルに共通して、潰れそうな大学の名前は書かれていない。逆に工夫している(苦労している?)大学は明記されている。教育関係者ではない、一般の人には潰れそうな大学を見当つけるのはなかなか難しいだろう。

  • 全入時代の大学の問題を多角的にとらえた内容ですが、そこからどうしていけばが掘り下げ不足で満足できず。
    ただ、今日の決勝の相手、大阪桐蔭の母体・大阪産業大の教授会のおかしさが指摘されていたので、そんなところに連敗はできないと、光星の応援に力が入ります。

  • なかなか暗い気持ちになる本。大学側と学生のミスマッチ、めっちゃ悪循環な気がする。
    現代大学の実態をおさらいするような内容ですが、ちょっとまとまりに欠けてるなあと感じました。
    最後に書かれている「大学はミッションを打ち出すべきだ」という話には頷くばかり。大学の問題はどうにかなるもんなんかねえ。

  • まえがきを読んで、現場の大学の姿と大学生にかなりのショックを受けた。
    次に目次を見て、更に驚く。
    その中でも「偏差値35でも、薬剤師に!」との項目…
    恐らく、大半は真実であろう。
    作者の一人である海老原氏曰く、
    「大学ではもっとコミュニケーション方法を学ばせるべき。
    コミュニケーション能力と言っても立て板に水で自分の意見をまくし立てる能力のイメージではなく、きちんと相手の話を聴けて、ゆっくりでもいいから自分の言いたいことを論理的に語る事が出来ればいい。」
    「小・中・高の教員は教育についての専門教育を受けているが、大学の教員は受けておらず、採用は研究業績のみで採用後も教育力を上げる努力をしてない人が大半。」等々、書けばきりがない。
    それと、個人的に思っていた事「最初からなぜ学部制があるのか」も書かれている。
    実態が分かって面白かった。

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著者プロフィール

雇用ジャーナリスト、経済産業研究所コア研究員、人材・経営誌『HRmics』編集長、ニッチモ代表取締役、リクルートキャリア社フェロー(特別研究員)。
1964年、東京生まれ、大手メーカーを経て、リクルート人材センター(リクルートエージェント→リクルートキャリアに社名変更)入社。新規事業の企画・推進、人事制度設計などに携わる。その後、リクルートワークス研究所にて「Works」編集長に。2008年、人事コンサルティング会社「ニッチモ」を立ち上げる。『エンゼルバンク─ドラゴン桜外伝』(「モーニング」連載)の主人公、海老沢康生のモデル。
主な著書に、『「AIで仕事がなくなる」論のウソ』(イースト・プレス)、『雇用の常識「本当に見えるウソ」』(ちくま文庫)、『面接の10分前、1日前、1週間前にやるべきこと』(小学館文庫)、『仕事をしたつもり』(星海社新書)、『女子のキャリア』(ちくまプリマー新書)、『無理・無意味から職場を救うマネジメントの基礎理論』『経済ってこうなってるんだ教室』(ともにプレジデント社)など。

「2018年 『名著17冊の著者との往復書簡で読み解く 人事の成り立ち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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