耳で読む読書の世界―音訳者とともに歩む

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著者 : 二村晃
  • 東方出版 (2010年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862491244

耳で読む読書の世界―音訳者とともに歩むの感想・レビュー・書評

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  • 筆者は53歳の時に網膜色素変性症という病で著しく視力を落としてしまい、67歳の時には全盲となられた方である。
    この本は、『対面朗読通信』という音訳者のための機関誌に掲載された、対面朗読の一利用者として筆者の意見をまとめたものである。
    筆者が以前電通で働いていたことに加え、戦前の教育を受けているということもあり、旧仮名使いや旧漢字の読み方についても触れられている。読んでいて大変な知識人、読書好きな方なのだという事がとてもよく伝わってくる。
    「大阪弁のアクセントから抜け出すには二上がりのアクセントに注意すること」
    「うっかりミスによるおかしな読みに注意(ビールを注ぐ、グラスにウイスキーを注ぐ)」
    「難しい地名に強くなるには関心をもつこと」
    「息継ぎのタイミングに注意(しゃばく-げきじょう?/射爆撃場)」
    「ポルノ描写ははっきり断ってもらって構わない。ただ、物語の根幹に関わる場合は読んでほしいこともある(シドニィ・シェルダン『明日があるなら』、ジョン・グリシャム『評決のとき』など)」
    「数字の読みに注意(2、300円に低迷を2,300円に低迷と勘違い)」
    「内容のポイントを押さえて強調したい所でイントネーションを変える」
    「筆者の意図や気持ちを忖度しないために起きる忖度不在の読みこぼれがある」
    など、普段あまり気に止めていなかった点が指摘されている。

    対面朗読の際に、「文章を抑揚や感情を加えずに淡々と読むべき」という方と、「小説や詩歌では感情がこもって当然。地の文が無くて会話だけが交わされるときは声色を変えないと分からない」という、二つのスタンスがあることも知ることが出来た。
    筆者は「作者が書いていない文字や文章を音訳者が勝手に創作して挿入してはいけない。入れたい場合は『音訳者注』と言葉を加えるべき」という考えの方を認めた上で、四つの同音異義語が並んでいる文章を、さりげなく注釈して違和感なく聞こえるように考慮してくださった方々に感謝の念を示している。
    自分が朗読をする機会が訪れるか分からないが、もし来たときには上記の点に注意して臨もうと思いました。

  • 音読ボランティアに興味を持ったのが社会人になって数年たった頃。NHKの通信教育を受けたりはしていたけれど、結局実際の活動に参加するまでにはいかなかった。この本を読むと音訳者に求められるスキルは結構高いことがわかる。これから先でも何とかなるだろうか。

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耳で読む読書の世界―音訳者とともに歩むの作品紹介

本を黙読している限りは気づかない、声に出して読み、耳だけで読んで初めて気づく数々の問題。
視力を失い、耳で読み続けて25年の著者が出合った、読み手と聞き手の難所あれこれ。全57編。
◉社会福祉法人 日本ライトハウス・全国音訳ボランティアネットワーク推薦図書。◉2刷◉

耳で読む読書の世界―音訳者とともに歩むはこんな本です

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