サッカー戦術クロニクル

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  • カンゼン
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862550163

感想・レビュー・書評

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  • ここのところ小難しい本が続いたので気分転換にササッと読んでみた。
    本書は過去(1920年ころ)から現在に至るサッカー戦術の変遷、中でも「トータルフットボール」という定義について焦点を当てて解説された一冊である。
    ・クライフのトータルフットボールとはなにか?
    ・クライフより過去のトータルフットボールの原点とはなにか?
    ・クライフ以後のトータルフットボールはどのように進化したか?
    について解説されています。
    本文中にフォーメーション図などが出てくるのですが、サッカーというテーマを扱うにはちょっと画像情報が少ないかなーという感触。特にクライフ以後のトータルフットボールにおいてバルセロナが辿った道とミランが辿った道についての解説はとても分かりやすい、これを更に深める為に(やや乱暴なのは承知の上で)家系図的な表現があっても良いんじゃないかと感じる。
    本書で語られる通りサッカーというスポーツは戦術システムという面では非常に貧弱であり、だからこそメタ的な戦術解釈が行われたり、スターの力があり得ない程に輝いてしまう事がある。そこから大きな揺らぎが生じるのが面白いというスポーツだ。
    だからこそ素人においても戦術理解が他のスポーツに比べると若干優しく、サッカーに興味を持った人がこのような本に出会える環境があるのはとても有意義だと思う。

  • 歴代の代表的なチームの戦術解説がまとまってた。サイドバックが2列目を追い越す動きの有用性がよくわかったのと、モウリーニョチェルシーの戦術の強みがよくわかりました。

  • サッカー観戦を楽しむため。
    サッカー戦術の移り変わりを各チームごとに示しているが戦術の理解にはつながり難い。

  • サッカーの戦術、フォーメーションについて過去のモノから現代サッカーまでをまとめている書。現代のサッカーがいかに歴史を学びそこから生まれてきたかがわかる。サッカー好きにはたまらない本です。

  • その時代によって、主流となる戦術があるわけで、それを章毎に書かれている。やはり、最初はトータルフットボールから、さっき時代のミランや、クライフのバルセロナ等が書かれている。著書の書き方自体に疑問があり、選手の評価に関して特に感じさせる部分があった。また、文末にある参考文献に関して、僅か1冊で、此処まで幅広い歴史を書き連ねた訳でもないのに、省略した意味がよくわからない。これを読むなら、ジョナサン・ウィルソンの方を読んだほうが、よりクロニクルだと思う。

  • ☆☆$$中々興味深い内容だったが、一部は古過ぎて興味無い内容だった。$$やはりクライフへの憧れは強まる。

  • 戦術クロニクルというにふさわしい本。
    サッカーの戦術の変遷を、時代を象徴するチーム戦術と個(選手)をベースに紹介している。

    個人的に面白かったのは、サッキ監督が導入したゾーンプレス(ACミラン)の登場から、クライフ監督の「優れたテクニックの前では、プレッシング無力」という挑戦(現在のバルセロナに続く)。
    そして、その間に登場した「ジダン」という選手の特異な才能-プレッシングをかけている中でボールを取られない個人が産む戦術的な効果-を分析していた点。
    このようにサッカーの戦術の移り変わりの中で、卓越した個が登場し、その才能が生きているということを考えたことがなかったので非常に新鮮だった。

    また、まえがきで、戦術とは、ゲームに勝つための手段である点を指摘し、「トータルフットボール」については、サッカーに取り組む姿勢の問題(勝てばいいってもんでもないでしょ?いいサッカーってどのようなものよ?)で、「トータルフットボールとはサッカーの良心」、「よりよくサッカーの世界を生きようとした証」と表現していたのは印象に残った。

    西部謙司、いいこと言います。

  • 「サッカー戦術クロニクル」
    戦術は「相手チームを負かす」ために生まれていくものでもあり、その一連の歴史の流れを理解せねば、「新戦術」が生まれていく本当の意味を知ることはできない。


    この本は「トータルフットボール」というキーワードを軸に現代サッカーの「戦術の変遷」をじっくりと紐解いていくものです。戦術というとフォーメーションの話になりがちです。しかし、人の並べ方は戦術の一部にすぎなく、選手のどういうプレーが有利かを考えて、それをチームで実現する段取りを組み、そして人の配置を決めていく、というのが戦術です。


    例えば、ペレが活躍した時代のブラジル代表では今で言うファンタジスタ型の天才が複数存在しました。その際、もし人を並べるだけのフォーメーションを作った場合、これらのファンタジスタが当てはまるポジションはトップ下、いわゆる10番しかないので、複数の天才から1人の天才を選ばざるを得なくなります。


    しかし、選手各々のどういうプレーをチームに活かすのかを考え、それをチームの力に集約して実現するような段取りを組もうとすることで、複数の天才を共存させることが可能になります。このように戦術とはサッカーを強化する為に不可欠な要素です。


    この本では、ブラジル代表以外の様々なチームを細かく分析しています。よって、非常に読み応えがあります。サッカー初心者の方には少し難解かもしれませんが、是非挑戦して欲しいです。

  • なんか左右対称なフォーメーションばっかり考えてたから、勉強になった。
    常に鳥かごを作れるように3-4-3にしたというクライフの戦術がすごいな、っていう感想。

    最後の2章分くらいはいらないから星は4つ

  • 欧州サッカーの歴史を知らないと厳しいかも、ただしサッカーに係わる人には一歩踏み込んで面白いかも

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著者プロフィール

1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。06年の『footballista』創刊時から「戦術リストランテ」を連載中で、同誌が主催する各種サッカーイベントにも多数出演している。趣味もサッカーで、東京都シニアリーグで現役続行中。主な著書に『サッカー戦術クロニクル』シリーズ、『スローフット』、『1974フットボールオデッセイ』(双葉社)、『戦術リストランテ』シリーズ(小社刊)など。

「2020年 『戦術リストランテⅥ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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