二十歳の原点ノート [新装版] 十四歳から十七歳の日記

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862550309

感想・レビュー・書評

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  • 2010.01.22. やっと、読み終わった。人の日記が、こんなにも生々しくしんどいとは。本のタイトルと著者だけは聞いたことがあって、昔、流行ったとかナントカ。興味本位で読み始めたんだけど、14歳からの心の激しい揺れや葛藤が、本当に細かく書かれていて、読んで疲れた。とにかく、「頑張らねば!」と思い、計画を立ててはうまくいかず、落ち込む→「頑張らねば!」の日々。もう少し、休憩したら…と声をかけたくなる。それにしても、日記に名前を付けて呼びかけるのが流行ってたのかしら?最初は「小百合さん」、次は「ジュディーさま」。うちの母も、中学生の頃「キティ」と日記に呼びかけていたそうな。

  • 「二十歳の原点」がベストセラーになった高野悦子の、14歳から17歳までの日記。友達のこと、勉強のこと、部活のこと、社会に対しての考えやより良く生きていくために、どうしたら良いのか……彼女の迸るような熱い感情が綴られている。試験前、勉強をしなければと焦る姿は何だか微笑ましいです。彼女はどのように生きるべきかを十代のうちから考え、真剣に模索しています。自分には思想がないと言いながらも、今の十代よりもずっとずっと己の信念や思想を持っていた人だと思います。彼女のひたむきに生きる姿に深く胸を打たれました。

  • すごいすごい!悩める青少年に読んでほしい。

  • みんな最後のオチを知ってから読むんだろうけども。
    読んでいて、ドキドキしてきます。
    人の日記を隠れ読む背徳感もあり、自分が同じ年のときは何も考えてなかったなと後悔感もあり、読んでいてさまざまな感情が湧いてくる本です。

  • 資料ID:W0148863
    請求記号: 916.6||Ta 47
    配架場所: 本館1F電動書架C

  •  40年前の高校生はいろいろ考える事があって、大変ですね。しょっちゅう、明日からホンキだす、みたいな宣言があるのは、今と一緒ですね。

  • ようやく「二十歳の原点」三部作を読み終わりました。
    この「原点ノート」は中学校から高校の終わりまでの彼女の日記なので、まだ大学入学してからの日記に書かれていたような張りつめた気持ちはここからはあまり感じられなかったです。
    が、やっぱりこの人は本当に自分の事をまっすぐ見つめているなあと。私の中高時代を思いだしても、自分の事をこんなにも考えて反省したり思い悩んだりすることってなかったな。日記をつける習慣もなかったしね。思春期に自分が考えていたことなんて私は今となってはあんまりおもいだせないなあ。その頃感じていた事って何となく大切な気がするんだけど。。。
    と、この日記を読んでなぜか自分のことについて色々考えました。
    このシリーズはこれから先読み返す機会が沢山ある気がします。

  • 「独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である」

    1969年6月、立命館大学の学生であった高野悦子が自ら命を絶った。享年20歳。『二十歳の原点』は彼女が書き残した日記である。1969年1月2日、20歳の誕生日からそれは始まる。

    立命館大学文学部に入学した後、彼女は読書やアルバイト、そして学生運動との狭間で、自己を確立しようと努める。考え、迷い、悩み、叫び、行動を起こす。喫茶店「シアンクレール」で思案にくれ、あるべき自分を模索し続ける日々。

    時として、その終着点は「死」に向けられた。しかし多くの場合、彼女は「生」への強い想いを抱き続ける。明るさとせつなさを交錯させながら、強く生きることを切望する。

    6月22日、彼女は長い長い日記を綴る。睡眠薬を大量に飲みつつも、それに打ち勝って眠らずにいられるかを試し、最後に一編の美しい詩をうたう。それが彼女の最後の日記となった。

    20歳の日々。何を考え、どのように生きていただろうか。そんなことを考えさせられる本でした。

  • 20歳と6ヶ月の若さで自ら命をたった高野悦子の14歳から17歳までの日記です。僕がこの本に書かれた年齢のころはバカなことばっかり考えていました。

    この書評を書くためにもう一度、この本を読み返していました。これは、多感な年頃といわれる14歳から17歳までの3年間を高野悦子がつづった日記です。自分自身の中学、高校のころを考えても、これだけ厳しく自分の内面を見つめたことはありませんでしたので、正直、『中年の門』が目の前に差し迫っている身の上としては読んでいてかなり息苦しゅうございました。

    時々勉強を怠けたり、感情的に不安定になる箇所が見受けられるのは思春期特有のものなのでしょう。そして宇都宮女子高校に入学した彼女はバスケットボール部に入部しますが、心臓を患いマネージャーに転向しますが、後に退部してしまいます。正直、この辺のところは僕自身も似たような経験をしているので、(とはいっても病気ではないのだが)彼女のことは人事とは思えませんでした。そして大学を受験する際の心の揺れ動きは、自分自身の浪人時代を思い出して、かなり気分が重くなったことを覚えています。そして、彼女があの怒涛の大学生活になだれ込むのかと思うと、
    読んでいて複雑なものを感じずにはいられませんでした。

    今、手元に在りし日の彼女が正面を向いてはにかむ様にして笑っている写真があるのですが、もし許されるのならば彼女をそっと後ろからぎゅっと抱きしめて
    『僕が傍にいるよ、それじゃダメか?カッコ(高野悦子のあだ名)…。』
    と耳元でささやきたい衝動に駆られます。

  • 二十歳で命を絶った高野悦子の十四歳から十七歳までの日記。

    私も日記は飛び飛びになりながらもつけていたので(今はもう残っていないけど。残しておけばよかったな)、なんだか懐かしいような気持で読んだ。

    彼女の日記を読んで受けるのは「なんて自分に厳しい人なんだろう」という印象だ。「思想は裏付ける行動を必要とする」なんて中学生で書くんだもんな。二十歳で自ら死を選んだという出来事を知っている読者にとっては、彼女の真摯さは痛々しくも感じる。だが、それはあくまでも未来から過去をさかのぼって見た時の話である。

    定期試験の点数、勉強の予定、読んだ本。バスケットボールの練習メニュー、心臓の病気のこと、部活をやめるときの葛藤。友達に対する優越感、劣等感。志望校をどこにしようか、どんな勉強をしようか。女性としてどんなふうに生きていけるか。

    先に起こることを考えずに彼女の記述に寄り添えば、私よりも少しだけ真面目でストイックで内省的で不器用でもあるかもしれないけど、同じクラスにいたって全然おかしくない、ひとりのふつうの女の子だと思う。生徒が記す葛藤と通じるところも多い。

    一冊読み通して面白く感じるのは、年齢が上がるにしたがって書かれている文章も少しずつ大人っぽくなっていくこと。また、非常に理屈っぽいことを論じるかと思えば、さらりと書かれた詩が結構すてきだったりのも印象的だった。

    決して要領の良いタイプではないけれど、知的で魅力的な少女。彼女が今後どんなふうに成長していき、あの結末につながっていくのか、とても気になる。

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著者プロフィール

1. 高野悦子(たかの えつこ)
1949年1月2日 - 1969年6月24日
『二十歳の原点』で知られた女性。逝去当時、大学生だった。栃木県生まれで、栃木県立宇都宮女子高等学校を卒業し、立命館大学文学部史学科日本史学専攻に入学、京都に拠点を移す。ジャズ喫茶に通い、詩作、そして学生運動に励んでいたが、1969年6月24日、列車に飛込み逝去。死後、20歳の誕生日から続く内面の吐露を記した日記が、同人誌「那須文学」に掲載され、1971年に『二十歳の原点』という題で書籍化、ベストセラーとなった。2019年に没後50年を迎える。

2. 高野悦子(たかの えつこ)
1929年5月29日 - 2013年2月9日
映画運動家、岩波ホール総支配人。『母 老いに負けなかった人生』『岩波ホールと〈映画の仲間〉』などの著作がある。

高野悦子の作品

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