政治の発見 第8巻 越える (政治の発見 第 8巻)

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制作 : 押村 高 
  • 風行社 (2010年12月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862580481

政治の発見 第8巻 越える (政治の発見 第 8巻)の感想・レビュー・書評

  • 《第一章 領土概念の定着とその矛盾ー創造的越境のために》by 押村高

    領域的な民主主義についていえば、脱産業化やグローバル化にともなう政策アクターの多元化、また多国籍企業、国際金融資本、格付け機関などのいわゆる私的権威体や外国政府の国内政治への参入によって、国民の自己決定の基盤が奪われつつある。民主主義もまた、グローバル化の中で代表制の基盤が揺らぎ、正当性の危機に直面している。p9

    【地図の登場】p23-24
    近代的かつ世俗的な空間認識の定着に貢献したものとして、「地図」の存在を忘れることができないだろう。
    世俗的な土地や領民を効率よく管理するには、所有についての具体的なイメージを湧かせてくれる、脱神話化された地図が不可欠であった。
    かつて、国境は線ではなくゾーンとして認識され、そのゾーンを巡って争いも絶えなかった。しかし、地図という平面上で各国の位置関係が明確になるにつれて、領土についての係争点も合理化され、とりあえず休戦、停戦、講和から次回の戦争までは領土にそれなりの尊重が払われるようになる。
    こうして、地図の誕生によって、戦争の在り方や国家の形態に変化が生まれた。

    【越境するアイデンティティ】p43-44
    ウェストファリア講和条約が締結されるまで、ヨーロッパの人びとの主要なアイデンティティは家族、地縁、血縁、教会、宗教共同体などに向けられた。
    そして19世紀以降のナショナリズムの時代にあって、その対象は民族や国民に収束していったのである。
    しかし今日、欧米や日本などの先進民主主義国において、グローバル化が、インターネットの普及とも相俟って、国境や統治の枠にとらわれずにネットワークを構築することを容易にした。人々はコミュニケーション技術の発達の恩恵を受けて、国家の内部あるいは外部で新たな集団へ帰属心を育むことができるようになった。
    Cf. アラブの春、「ウォール街を占拠せよ」
    ⇒アイデンティティの広域化によってネットワークで結ばれた人々は、単に信仰のため、そして趣味や友好のためではなく、環境運動、階級闘争、反戦運動、反グローバル化運動などの形で、弱者や犠牲者の間の(ための)連帯を組織していく。

    われわれが土地と政治についての創造的思考を回復し、新しい空間パラダイムを模索する第一歩とは、領土国家のリアリティをいまいちど根底から疑ってみることなのかもしれない。

  • 国境線を画定する最大のメリットは主権社であれ、国民であれ、自らの権限に属するもの、国の中を行きかう物の把握が可能になり、国内の統治が容易になった。
    人類共通のルールは実際のところ、キリスト教新興と切り離せない内容であること。
    現代における人の越境移動の特徴の一つは、このようなグローバル化が主に発展途上国の経済システムを転換させたプロセスのうえに見出すことができる。
    今後の反グローバリズム運動は象徴的な権力闘争において霊的超越を遂げる為に、祝祭的なアナーキー空間の実現に向かうのか。それとも濃く差連帯勢のような新しい民主統治の財源を求めてネット・メディアを駆使した世界的な世論形成へと寄与する方向に向かうのか。
    1980年代には批判理論、ポストモダニズム、コンストラクティビズムなどの認識論を重要視するポスト実証主義の理論が台頭し、宗教を国際関係の中で論じる素地が生まれたことも見逃せない。
    イスラムの活動の重要な
    手段としてインターネットが非常に重要な意味を持つようになった。
    グローバリズム擁護派は、インターネットを中心とした技術発展が膨大な人、物、金、情報の事由で安価な移動を可能とし、主権国家はその有効性を失いつつあると主張する自由主義と現代グローバリゼーションは規模や量において以前の相互依存減少とは異なる大規模かつ迅速なものであり、その影響は経済、文化、軍事などにもおよび変容を引き起こしているという変容主義に分けられる。

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