WEED (新装版) (ビーボーイノベルズ)

著者 :
  • リブレ
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862631848

感想・レビュー・書評

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  • 寡黙男×下衆医師
    ある日、若宮は同僚のセフレ医師と見も知らぬ男を拉致して無理矢理3P
    しかしその男は先日病院で亡くなった女児の父親だった。あまりのバツの悪さに謝罪をしようとしてもけんもほろろしかも何かと運悪くかえって迷惑をかける始末。
    冷静に拒絶されていたはずが思いもかけずやっと向き合ってくれた岡田に若宮はどハマりする。何をやっているのか、常に気になって束縛しまくる。それに岡田も応えてくれていた。
    しかし気持ちか膨らみすぎるあまりに岡田に近づくもの何もかもが許せなくなっていき…

    まぁ下衆な遊び人が本気で恋愛にハマった話。
    しかも相当な束縛。相手はあんまり言葉とかには表さないけど、かなり溺愛してくれてると思うんだけどねぇって話

  • エリート医師の主人公・若宮と
    その悪友・谷脇が一夜限りの遊びで
    雨の中歩いている男を拾って騙して
    強姦するという何ともすごい話。

    悪友って言葉ってちょっとやんちゃぐらいの
    イメージだったけど、文字通り悪。極悪。

    その犯した男・岡田が実は若宮が
    以前に担当して亡くなった患者の
    父親だったとわかります。最悪な展開…。
    (亡くなったのは若宮のせいじゃないけど)

    フォローしようとすればするほど失敗し
    慌てふためく若宮が滑稽で情けないです。
    そして岡田のことが好きになってしまいます。

    こんな無理目な恋愛なかなかないですよね。
    どうやってそこまでもっていくのかな?
    と思ったら、岡田は割とほだされやすくて
    意外にもべたべたな恋愛体質でもあり
    私が思ってたよりずっとスムーズに付き合えました。

    バリタチがひっくり返されて受けになるのも
    ざまぁという感じもあり、
    それほどに岡田が好きなんだとも思えて
    好きな展開です。

    でも、木原さんだからこんなうまい話はないはず。
    どこかでどんでん返しがあるんじゃないか。

    若宮が岡田の気持ちを今一つ信じきれないように
    私も信じきれずハラハラドキドキして読みました。

    結果的には束縛×束縛のナイスカップルでしたね!
    木原さんの執着愛の書き方、すごく好きですね~。
    攻めが陸上選手だけあって体力任せのエロもすごかったですw

    谷脇にいい印象ゼロなんですが、「FLOWER」で
    どんな話になるのか楽しみです。

  •  強姦しようぜ!で3P始めた谷脇がキャラ立ち過ぎてて笑うしかなかったです。
    受けが攻めに「なんでお前働いてるの?」って言ったときもかなり笑えました。お前もたいがい人間性が欠落してんな!wwと。

     従順で絶対の愛を寄せてくれて裏切らない攻めは好きだけど、
    受けがヒステリックでドコガイイノー?でもこの作品終始笑えるしギャグ小説だからいいのかー?となんか毛色が違った感じでした。
     自分で自分が愛せない受けは、攻めの愛を試し続けるってことで、安定を図ろうとしてるどうしようもなさを、
    谷脇とどっこいどっこい若宮もダメな人だって認識して読めればケラケラ笑って読めるかもです?
    谷脇が当て馬のくせにラスボスすぎて受けが小物に見えてしまってなんかもう、谷脇に全てもって行かれてしまうくらいインパクト強かったです谷脇。
    岡田も好きだけど!

  • 木原センセらしいぶっとび設定に( ̄ー ̄)ニヤリとさせられます。

    エリート医者がつるんで道で男を拾って犯して3Pって、酷いじゃないですか。偶然居合わせたノンケにそんな大それたことをするなんて、良識あるはずの医者のやることではありません。
    その上、若宮は陵辱した岡田と一週間後に避けようもない状況で再会してしまうんです。気まずい。しかも、その岡田は若い学生だと思っていたら違っていたり若宮と以前に出会っていたり、驚愕するような事実がわかってきます。

    これはまだまだ序の口。これだけじゃ終わらない思いもよらない展開に、最後までドキドキさせられてしまいました。
    プライドが異常に高いツンツンなクールビューティの若宮が、それまでの価値観がすべてひっくり返るような恋に堕ちてしまうんです。
    傷つくのが嫌で、マトモな恋をしたことがなかった若宮が、運送屋で働く地味で平凡な男のことをめちゃくちゃ好きになってしまうんです。
    自分が傷付けた相手にぴしゃりとやられて自尊心が傷ついたとか、訴えられるのが怖かったとか、保身を考えていたところへ、さらに嫌がらせをされていると誤解をしてしまった若宮。また恥をさらします。
    細かいことをすごく気にしていたのに、岡田は案外大ざっぱな体育会系ww
    それがよかったのかもしれません。正反対な性格だったから惹かれあったんでしょうね。岡田は、ツンなのに抜けている若宮に淋しさが癒されてしまった?

    とにかく、若宮は一人で悩んで、ぐるぐるしちゃいます。生まれて初めての独占欲!Hはやりまくっていたのに恋愛はしたことなかったというのがすごくでていて、胸がきゅーんとなってしまいました。
    そんな若宮に、岡田がやさしい!甘えることも忘れないw
    一番萌えたのは、愛することで弱くなった若宮ですね。
    なにしろ、タチを譲らなかった人生で初めてその立場を明け渡したんですからねwww
    愛ですね。リバになる瞬間に萌えまくりました。

    犯した相手を本気で好きになっちゃうというところが、なんともブラックです。相手がノンケだってことでちっとも安心できなくて、女と岡田が話をしているだけでも悶々としてしまうなんてところも、生々しかったです。
    若宮の恋心は読んでいて切なくて苦しかったけど、総じて甘い仕上がりです。
    あくまでも木原センセのレベルで見たら、ですが。
    マラソンが岡田のキャラを上手く表現していて、爽やかです。そこでまた悶々と悩んでいる若宮が残念で、またきゅーんとなっちゃいました。

    くせ者の谷脇がとても気になります。

  • 正直突っ込みどころは満載なんだけど、気分は盛り上がってしまったので☆4つ(笑)

    もし、こんな医者が主治医だとちょっと不安だよね。
    そして、岡田が若宮に惹かれるのがどうしてもピンとこない。そのへん説得力があればもう少し楽しめるかもなあ。

  • 何回か読み直す程に好きでしたー

  • 人を尊敬せず、自分の社会的地位に胡坐をかいているような、いわゆる「嫌な奴」である若宮と言う男が、人格をまるごと改めるような話ではなくて、たった一つ、一人の人間に対して「好きだ」と言葉にして言えた、と言う事だけを
    書いている物語だとも思った。人に対して「好きである」と言う自覚をすること、それが如何に難しく、滅多にないもので、自分を顧みるきっかけになったりするか、若宮にもそう言う事が幸運にも訪れたと言うお話だと思った。訪れたものに気付かずに済んでしまう事もあるわけだから、若宮も捨てたもんじゃないな、と(笑)

  • 裸ん坊3部作の中で、このWEEDが一番好きです。
    傍若無人でプライドはエベレスト級。
    嫌なことがあればすぐに人に当たり散らし、後輩相手に嫌味をたれる、超我儘男、若宮。
    人としてどうかと思うような、兎に角いちいち腹の立つ男なんですが、こいつが何だか憎めない……。
    注いでも注いでも満杯にならないコップみたいな若宮相手に、岡田は本当に懸命に愛を注ぎます。
    でも、岡田も若宮と一緒で、やっぱり愛に飢えてる感じがたまらなかったです。嫉妬深くて、愛がないと生きていけないタイプなのが身悶えするほど萌える。

    2作目を示唆する内容の書き下ろしが、とてつもなく良かったです。
    読んでてすぐに松本の事だなと思ったんですが、先を知ってるだけに涙でそうになる……。

  • 微妙に(?)リバだけど、リバ苦手でもこれなら読めるっていう内容
    若宮は悪友の谷脇と一緒に雨の中ふらふら歩いていた岡田を強姦するけど、色々あって若宮は岡田を好きになって、最終的に相思相愛
    最初は若宮+谷脇×岡田で、岡田が無理矢理犯されますが、その後は岡田×若宮です

  • 最初は悲惨すぎてどうしようかと思った。結局ハッピーエンドになったけど読み終わった後にじんわりと寂しい気持ちが湧いてくる。木原さんの本は全てそう。

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著者プロフィール

高知県生まれ。1995年「眠る兎」でデビュー。不器用でもどかしい恋愛感情を生々しくかつ鮮やかに描き、ボーイズラブ小説界で不動の人気を持つ。『箱の中』と続編『檻の外』は刊行時、「ダ・ヴィンチ」誌上にてボーイズラブ界の芥川賞作品と評され、話題となった。ほかの著書に『秘密』『さようなら、と君は手を振った』『月に笑う』『ラブセメタリー』『罪の名前』など多数。

「2022年 『コゴロシムラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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