豪華客船で恋は始まる〈7〉 (ビーボーイノベルズ) (B-BOY NOVELS)
- リブレ (2009年12月18日発売)
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感想 : 7件
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- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862636980
感想・レビュー・書評
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回送先:町田市立木曽山崎図書館
豪華(すぎる?)クルージングも今回で7回目。舞台はマダカスカル。
バルジーニ家の秘宝が取り交わされるこの作品ではあるが、考え方によっては至極真っ当な言説がようやく登場する作品でもある。エンツォのお父様の言葉「騎士道精神は立派だが、少しは加減をしないと死んでしまうぞ」(P242)がそれである。この世界においては渋い表情なのだろうが、読み手の世界ではこれは「当たり前」という言葉で代弁することが出来る。
無論褒めているのである。クリティカル(批判的にかつ多様的)に世界を捉えなおし、そして次の世界へとつないでいくという当たり前の行動が、誰も取れていなかったということは既に明白な事実として存在していたことを読者の前にさらけ出す。
これは、いわば作者にとっての「カミングアウト」だったのだろうと推察する。人気作家にあってはある意味で禁じられた手段だ。今回の加点評価はその部分においてしている。なので、もし本書が別の方向に転んでいれば当然「自称王道を行く」という厭味と痛さだけが一人歩きしただろう。皮一枚でつなぎとめた世界なので今後も要注意物件なのは確かだ。しかし、BLという世界がこれ以上になく「つまらない」世界になってしまっている昨今にあって、長続きしてきたシリーズの自主的な総括は安堵の言葉以外見当たらないのもまた事実なのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示