セカンド・セレナーデ―full complete version (新装版) (ビーボーイノベルズ)

著者 :
  • リブレ
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本棚登録 : 290
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862638076

感想・レビュー・書評

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  • 群青小説。どちらも年下攻め。もう木原さんの作品いくつか読んでしまうとキャラがデフォルメしてしまいますね。あらすじは、二番手のcpの話なのである意味初めのcpのネタバレですね。
    で、どちらも嫌なやつが相方(笑)正直、四人とも惹かれる要素やエピがあったか疑問だけど、自覚してからの心理描写は上手い。そんで一人称「僕」なのがキャラと合わんくて、それなら全員「俺」で良かったのにな。

  • ■水のナイフ

    木原さんのデビュー作。投稿作だったようですね。
    いや~デビューからなかなか根性悪い主人公です。
    外面のいい優等生の明智は学校一の美人の大友さんに片思い。
    でも大友さんは冴えない教師の砂河に片思い。
    大友の気持ちをこちらに向かせようと、
    故意に協力するふりをして妨害し、
    はずみで砂河に「好きだ」とデタラメな告白をして、
    もうほんとめちゃくちゃです。

    小心者に見えて手首切ったりするややこしい男…。
    砂河の気持ちをこっちに向けておいてこっぴどく振り、
    大友さんの恋を破壊してまでこちらを向かせたのに
    なぜか振ったはずの砂河に気持ちが向いてしまい
    大友さんにもおざなりになり…

    いいところ一個もない気がするけど
    砂河が惚れてしまったなら仕方ないか…(?)

    面白かったけど応援する気にはなれなかった。



    ■ONE NIGHT

    案外砂河が幸せそうなのでまあいいかと思えました。


    ■セカンド・セレナーデ

    明智の同級生で砂河に片思いしていた掛川。
    水のナイフではキャンキャンうるさいなーという
    印象しかなかったけど、こちらもなかなか…。

    失恋して自棄になっていた掛川は
    偶然男同士の別れ話に出くわして、
    性格最悪な橋本と関係を持つように。

    初めは完全に遊びのつもりだったのに
    橋本の見え見えの見栄っ張りが
    可愛く見えてくるようになって
    気持ちが傾いていったところで
    橋本が結婚。ひどい。

    …と思ったら、破談になって
    仕事も失ってボロボロで戻ってきます。
    都合よすぎるだろ!!!

    でも橋本は自分勝手ではあるけど
    単純でもあって、掛川の言うとおりに
    馬鹿正直に家族にカミングアウトしたりなど
    抜けてるところがあって放っておけないのですよね。

    う~ん、分かる気はしなくもないけど、
    お人好しが貧乏くじ引く話だなーと思いました。


    ■その後のセカンド・セレナーデ

    橋本視点の話。
    う~ん、自己中ではあるけど
    根性が悪いというより空気読めないのかも…
    悪気はなさそうだなと思いました。


    ■わがまま

    掛川が強気の条件も飲んでもらえる
    俳優になってたことにびっくりしました。

    案外執着攻めなんだなー。
    過去色々あったけど幸せならいいか。


    ■いじわる

    大学生になった明智視点の後日談。
    う~ん…砂河がしあわせならいいけど
    こいつはいい奴じゃないぞ…。

  • ぬあ~~~ってなりました。
    どっちの組み合わせも、それはそれはもだもだぐちゃぐちゃ思い悩んでていいなぁ。

  • 恋愛とは自分勝手なものだとつくづく思い知らされます。BLらしいファンタジーな部分と、どろどろした現実的な部分のブレンド具合がクセになり、惹きこまれてしまいます。人としては好きになれないキャラクターばかりですが、それぞれにはそれぞれの見方があり、善悪の判断がある。傍から見たら最低なのかもしれませんが、当たり前だけど彼らだって自分なりにまっとうに生きているのですよね。作中の言葉を借りると「その人の99が嫌いでも1好きになってしまったら仕方がない」は概ねの木原作品における真理だと思っています。

  • 性格の悪い受けと、歪んだわんこ攻めがかわいかったです♡
    続きの芸能界編とかあったら読みたいですー!
    掛川大好き!

  • 最初に読んだのは、すっごく昔のこと。
    しかしながら今回読みなおし、過去と印象が違うことに驚く。
    年を取った証拠なのか。

    年を経て読み返した読後感を一言で言うなら「鬼畜」
    性的なものではなく、精神的な鬼畜。
    過去にはむしろ好感が持てた流れも、今になってみると「なんとなく気持ちの推移がちょっと判らないかな?」という感じか。読み取れなくなったのかもしれないが。
    しかしながら胸に迫る切なさが、BL感ビシビシでなんとなく良かった気はする。

  • 表題作よりも、1作目に入っている『水のナイフ』に衝撃でした。
    この作品、投稿作品で期待賞を貰ったそうなんですが、投稿作品で
    この鬼クオリティって…と愕然とします。
    も先が気になって気になって、大事に噛みしめるように読もうと思う
    のに、それを許されずにぐいぐい強制的に引っ張られます。
    読んでると周囲の音がなくなるくらい、夢中になってしまいました。

    作品自体が15年も前なので、携帯電話が存在しない。
    そんなレトロな世界観がモノクロの映画を感じさせるようで、ものすごく
    胸に来ました。
    痛いところはそんなにないです。痛さの後にしっかり甘みを用意して
    くれてるので、いい塩梅になってたまらない。
    書き下ろしでその後のエピソードもはいってるので二度おいしいです。
    その後の話が大好きな身としては、凄くお得な気分になりました。
    価格はちょっと高めで分厚いですが、木原本導入にはもってこいだと
    思います。
    いやぁ……いいなぁ、この話。

  • 攻めの行動に苛々しすぎて苛々通り越したら呆れて逆に落ち着いて読めました。
    木原さんなので物語は面白いし全体的な部分では好きだけど、木原さん作品はホントに人として最低だなって思うキャラに割と出会う。
    でもそこが読んでて面白いのかもしれない。

    表題作、『セカンド・セレナーデ』の橋本さんはBLでついぞ出会わないタイプで読んでてとても新鮮。他のBLに出てれば明らかに脇役の嫌なヤツで終わるタイプなのに敢えてそこに焦点を当てて書いた物語。こういう人でも物語の主人公になれるんだなって思った。
    自分だけしかいない状況に追い込んで部屋に閉じ込めておきたい、BLで割と出てくる台詞で実行に移す経済力豊かな攻めさんは割といるけど、どちらかと貧乏学生で精神的に壊れる寸前まで追い込んで自分の元に来るように仕向けた掛川のやり方に脱帽。
    その後のラブラブなのか依存なのか分からない関係は大変萌えました。

  • BLといえば、夢とロマンを追求するのが楽しみで、隣の恋愛事情を覗き見したような気持ちになる現実感いっぱいの作品に、入れ込む日が来るとは思いませんでした。

    「水のナイフ」は、性格がお世辞にも褒められない主人公というだけでも規格外。包容力もないし、ウソもつくし。けれど、読んでるうちにいつの間にか明智と気持ちがシンクロしていました。もう、砂原がほんとにほんとにいい人で、明智みたいな奴でもどうにかして一緒にしてあげたいと思わずにはいられません。明智はだんだん砂原に心が惹かれているのに、その曲がった性格ゆえに自覚がありません。分かってるのは読んでるこっちだけなのがもどかしくなる。
    明智は読み進むうちにだんだん愛しくなるキャラです。後半、砂原を独占したがって、執着するのもかわいく思えます。

    「セカンド・セレナーデ」で、明智が砂原を大切にしているのがわかって、安堵しまくりです。
    そしてこちらでは、明智以上に性格が難儀なオトコが登場!失恋した掛川が勢いで寝た橋本。かつてないジコチュー、傲慢ぶりに驚愕です。インパクトありすぎじゃないの?
    とにかく、やることなすこと、こんなオトコとだけは付き合いたくないの見本みたいな橋本です。掛川も我慢ばかりしてないで相手に分からないような仕返しで、ウサ晴らししていて面白い。
    そんな優しくもなく、嫌味ばかり言う橋本に惚れてしまった掛川の気持ちがさっぱりわからなくて、でも、わからないのが恋愛の本質なのかもなーって、身につまされるストーリーです。

    橋本が初めて掛川に誠意を見せて、ボロボロの姿になって帰ってくるところは見直しました。そこからは、橋本の毒舌もなんだかもっと聞きたくなるくらい楽しくなりました。

    「その後のセカンド・セレナーデ」は、橋本の空気読まない発言と、ガサツな山岡のバトルが見ものです。笑わずには読めません。ハブとマングースと周りに言われてるけど、まさにそのもの。
    橋本に対してプンプンしてる山岡に、ベタベタする掛川って図が、身悶えするくらいツボった。
    「わがまま」はさらに掛川がメロメロだなーと思わせるエピソードです。で、橋本の毒舌が冴えまくっていて素晴しい。大爆笑。橋本、自分の性格の悪さに自覚あるんだ。

    同人誌や書き下ろしのSSが収録されていて、大満足でした。これがデビュー作とは、その才能ぶりにひれ伏したい。

  • 「水のナイフ」
    明智×砂原は、生徒×教師モノです
    砂原先生のなかなか素直になれない所がいじらしかったです

    「セカンド・セレナーデ」
    掛川×橋本
    こちらも年下×年上
    橋本は性悪な高飛車受けで、良かったです

    どちらも読んでいて、木原さんは性格悪いキャラが上手いよなぁと改めて思いました

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著者プロフィール

高知県生まれ。1995年「眠る兎」でデビュー。不器用でもどかしい恋愛感情を生々しくかつ鮮やかに描き、ボーイズラブ小説界で不動の人気を持つ。『箱の中』と続編『檻の外』は刊行時、「ダ・ヴィンチ」誌上にてボーイズラブ界の芥川賞作品と評され、話題となった。ほかの著書に『秘密』『さようなら、と君は手を振った』『月に笑う』『ラブセメタリー』『罪の名前』など多数。

「2022年 『コゴロシムラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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