白い海へ (季刊文科コレクション)

著者 :
  • 鳥影社
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862653574

作品紹介・あらすじ

「白い海へ」は、主人公が20年前に制作したTVドキュメンタリー「消えゆく海女の集落」にまつわる余話とその後日譚として構想されている。取材過程のエピソードに加え、そのとき中心となった海女のその後の生涯も、もう一つの物語として描いている。

感想・レビュー・書評

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  • 献本御礼。
    酒を飲むと川上明日夫のように表情が一変し、恐ろしく陽気になり、とにかく暴れ回る、ギャグを言いまくる、しゃべり続ける、からむからむ。
    文学学校の先生として、また医者としても活躍している方です。
    やはり表題作が一番気合いが感じられて面白かったが、何より、一冊の本を出したい、人は誰でも一冊の本になれるという大阪文学学校のテーマを成し遂げたかのような、大切な大切な、一ページ一ページの紙の肌触りすら宝物のような、すべすべ感のある書物で、スポンジをしぼるように大事さがいくらでもにじみ出てくる。

    一番良い一編は「埋める」である。歯の白さ、骨の白さ、死の白さだが、痛みは生きている証拠と逆転させるのがいい。

    さて、確かに献本御礼云々していて、いざ書評的なことをしようとすると、ほめることぐらいしかできないが、文校という場では、書き言葉でなく話し言葉で容赦ないレビューにさらされ、心身ともぼこぼこにされる。そのぼこぼこをかいくぐってきたものは文校生であった著者の作品からも感じられ、やはり一つ一つを好意的に受け取ってしまう。

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