- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862760029
感想・レビュー・書評
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感じるマネジメント
社員をどうまとめていくか、そこに必要なのはビジョンであり、理念だと思っているが、じゃあそれをどうやって社員に浸透させるのか。そんな疑問に対して、正面から取り組んだデンソーの事例を紹介しながら、理念と人、人と人とを繋ぐためのはどうしたらよいか、紐解いている。
欧米では、評価制度に理念の実践度合いを加え、理念の実践具合が雇用に直結する体制を敷いているが、日本の企業には合わないのではと判断した。無理やり運用するとやらされ感が生じる。
松下幸之助が引退式典で何千人もの従業員を前に深々と頭を下げて「ありがとうございました」と言ったその姿から、社員は「感謝の心、音を忘れない心」という理念を強く感じ見習いたいと思ったといいます。理念の浸透にはトップ自らの実践とそれをみた人々の行動の伝搬が効果的だ。
添付の写真は、理念・ビジョン共有のポイントをまとめた概念図。以下その補足。
◯そもそもビジョンとは?
・ビジョンとは「憧憬」、あこがれの情景、理想とする景色。
ビジョンがこうありたいという気持ちを喚起することができれば、人々は能動的に動く。
◯共感を生むビジョンの伝え方
・1:大人数というシチュエーションで参加者にビジョンを伝えるためには共感してもらうことが必要。
・ビジョンについての説明だけでなく、話し手がビジョンをどう捉え、どう実現に取り組んでいるかという自分の想いを率直に表する。
・聞き手に対する共感の姿勢を持って話すこと。聞き手の表情をよく見て、聞き手の立場になって話す。
◯ビジョン共有の方法(浸透ではない)
1. 全ての基礎はトップの意思と言動
2. 研修、冊子、ポスター等のプロモーション。職場での実践。物語の伝承。
3. 人事制度に落とし込み、評価する。サーベイで浸透具合を評価。
◯↑の2における3つの道筋
1. 語り伝える 理念は物語として伝える、物語が物語を誘発し、人と理念、人と人を繋げる。知識としての学びとなる。
2. 体験を共にする 実際に行動に落とし込んでいく。
3. 対話する 自分、そして他人と対話することで、理念と自分、他人と自分の繋がりを理解していく
特に経営層➪マネジメント層に対してどのように意識付けをするか、といった部分で具体的な葛藤やノウハウが詰まった本だと思う。現在走っているリブランディングで、理念が再定義されるということなので、これをどうやって社員一人一人に落とし込んでいくか、という観点でとても参考になると思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
理念、浸透、共有、判断基準、社是、ビジョン、ミッション、バリュー、行動規範、共感、聞き手に対する共感の姿勢、理念と自分自身のとのつながり、仕組み、作品という「コンテンツ」をダウンロードしている訳ではない、作品を自分に投影し脳の作用を楽しんでいる、物語を語る、登る山を示す、憧憬、愛、教えるのではなく共に学ぶ、浸透ではなく繋ぐ、語り伝える、体験を共にする、対話する、face to face、side by side、余白、スピリットは自分の中にあった、ブランドは人々の認識の中に存在、信頼…
示唆に富む言葉が多い本だった。組織を変えていこうと思った時に自転を促すのが良いのは解るが、そのために自分がなすべきことは耳を傾け、信頼し、同じ方向を見るということだと感じた。基本的には教えたり、授けたりするものではない。さて、当社はどうだろう??? -
①自分の人生のハイライトをかける幸せ
②そういうことを感じた一冊
③その話を本だけではなく、直接も聞ける幸せ -
高津さんらしさが出ている。やはり品のある人なのだと。かなり的が絞られている。文量が多くないので読みやすい
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世界30カ国、10万人に、価値観を浸透させたい。自律的な組織をつくる!リクルートHCが挑んだデンソー・スピリット共有プロジェクト、現場からの報告。セミナー、事例研究、キリスト教、俳句、ハチ公、…3年間の試行錯誤から見えてきた、人と組織にとって、ほんとうに大切なもの。
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デンソーの理念を共有するプロジェクトストーリーに感動。
理念とは、組織における最大の[意義の源泉]
そうであるとするときに、どのように理念を物語るのか?の方法論としても参考になる。
それらをデンソーらしく、出来るようにするために、他社事例、キリスト教、俳句、ハチ公など様々なところからエッセンスを取ってくるというストーリーもおもしろいね。
また、理念が共有された状態をありありと描くことの大切さも身にしみた。
その実現のために、各プロセスで、ありたい姿にむかって努力し続けることへの決意とその実践が
さらに大切だよなぁ。
自分の中でも、今一度、内省の機会をもらえた一冊だった。 -
本書はデンソーがリクルートとデンソーの理念であるデンソースピリットを世界各国で働く社員と共有するプロジェクトを書いた本である。
本のタイトルのマネジメントとは内容が異なる。
本書から学んだ点は以下。
-理念と言う形のないものを共有することの難しさ
-理念は伝えるのではなく、浸透させるものでもない。相手の心の中にある宝物と理念をつなげるということ。
-理念は相手の心の中に既にある
-face to faceという向き合うだけでなくside by side
-はるかな地平線のような憧れに向かって並んで歩く姿勢が大事 -
企業側からの目線ではなく、コンサルタントとしてどのように関わったか書かれた本。きれいごとで終わらず、何がポイントかわかりやすく説明されています。10年以上も前からこのようなことに取り組んでいるデンソーさんはすごいと思います。
読みやすくてオススメです。 -
本のタイトルと内容は少しずれている。まさしく、ビジョンをどう従業員や世の中にシェアし、共感していくかが我が社の課題。デンソーが取り組んだ事例で多くの試み、アプローチは参考になる。目指したい社会=憧憬。昔、会社に入る時、こんな人と働きたいという憧れ、上司や先輩が自らの言葉で語る憧憬にリスペクト。改めて、憧れるというキーワードが印象に残った。
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face to faceではなくside by sideの関係構築。そしてキーワードは「信頼」。素敵すぎる(。-_-。)♡