グラミンフォンという奇跡 「つながり」から始まるグローバル経済の大転換 [DIPシリーズ]

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制作 : 東方 雅美  渡部 典子 
  • 英治出版 (2007年7月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862760135

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グラミンフォンという奇跡 「つながり」から始まるグローバル経済の大転換 [DIPシリーズ]の感想・レビュー・書評

  • ■概要
    バングラデシュで生まれ、アメリカでベンチャー・キャピタリストとして活躍していた36歳の起業家イクバル・カディーアが、貧困に苦しむ祖国の発展のために携帯電話サービスを立上げ、企業や投資家を動かし、事業として成功させるまでの険しい道のりを、丁寧に描いたドキュメンタリー。

    アジアやアフリカの発展途上国、未だ固定電話はおろか電気さえ通っていないような農村地域で、携帯電話が急速に普及している。それも、利用者は、1日2ドル未満の所得で生活するBOP(Bottom of the Pyramid:貧困層)にまで及ぶという。利用方法は通話に留まらず、クレジットカードの代替であったり、携帯電話を元手にしたビジネスであったりする。

    礎を築いたのが、カディーアが設立した、グラミンフォン。同じくバングラデシュにてマイクロファイナンスを行うグラミン銀行の総裁、ムハマド・ユヌス(ノーベル平和賞受賞)とノルウェーの電話会社、他多くの関係者から協力を得て、1997年に事業を開始した。今や1千万人以上の加入者、10億ドル以上の売り上げを誇る。

    1億4800万人の国民のうち、多くは農村部に住み、約半数が1日1ドルで生活しているバングラデシュ。80%の家庭に電気が通っておらず、識字率はわずか37%。普通に考えたら、携帯電話は嗜好品であり、それより先に解決すべきことに着手しそうなものである。しかし、カディーアは、「つながることは生産性である」という自身の信念と、「援助でなく融資を通じた自立の促進」をうたうユヌスのマイクロファイナンスに着想を得て、新しい事業を立ち上げる。小額融資を受けて携帯電話を購入した各村のテレフォンレディが、村人に電話を使ってもらい、手数料収入の一部をローン返済にあてるという、持続可能なモデルである。これにより、村人に多くの富と利便性をもたらしただけでなく、識字率や電力といった社会問題解決への取り組み、事業の横展開、健全な競争の促進、新たな需要の創出といった好循環につながっている。

    ■仕事に活かせる点
    「私には戦略がなかった。ただ、次にすべきことをやってきただけだ。・・・銀行と反対の行動をとること・・・。銀行が金持ちに貸すのなら、私は貧乏人に貸す。男性に貸すなら、女性に貸す。担保を要求するなら、私は無担保だ。多くの書類を求めるなら、私は文字が読めない人でも利用しやすいローンにする。あなたを銀行に行かせるのではなく、私の銀行が村々に行く。」 ユヌスによる、逆張りの戦略。(千)

  • 昨日までそこに存在しなかったもの。存在出来るなんて1mmも思われてなかったもの。誰からも必要だと思われなかったもの。それでもやってみる。
    その情熱の源泉は強烈な体験から、自己の信念から。
    つながることは生産性。
    だれもが持つ根本的欲求。

  • つながることがビジネスを生むという信念の元、バングラディシュで携帯網を作り上げた筆者の活動をまとめた自伝。
    世の中を変えるのは強い思いなんですね。

  • YOU CAN HEAR ME NOW:
    HOW MICROLOANS AND CELL PHONES ARE CONNECTING
    THE WORLD'S POOR TO THE GLOBAL ECONOMY ―
    http://www.eijipress.co.jp/book/book.php?epcode=2013 ,
    http://www.youcanhearmenow.com/

  • 「貸したこともないのに、なぜ信用力がないと言えるのか」グラミン銀行のユヌスの言葉が印象に残っている。
    予想というのは、大事なことだが、あまりにも消極的な理由に使われるとダメだと思った。
    こういった、予想を超えた行動と情熱が合わさると何か変わり始めるのだと思う。

  • バングラディシュでの電話の発展とともに、本来の電話の役割、あるべき姿が書かれており、感動した。

  • どんな風にして最貧国ともいえるバングラデッィシュで携帯事業を発展させたのかといj話。
    グラミン銀行の話は知っていたけれど、携帯にまで手を出していたとは知らなかった。
    起業するってことの意義とは意味とは何か?と考えることもできるし。
    中間をすっ飛ばしても技術は伝えられるってこととか、色々興味深かったです。

  • バングラディッシュでの携帯電話普及に向けた社会起業の話。<br />発展途上国への進出の壁、トップセールス、起業の情熱、など刺激を受ける。

  • 従来、貧困層は「情報」を買うために高いコストを支払っていました。例えば遠い市場まで徒歩で言って、「この薬はありますか?」「野菜を買ってくれる人はどこにいますか?彼らはいくらで買ってくれますか?」的な感じに。仮に市場までの往復時間が半日かかるとすれば、彼は半日分の機会費用を支払って「情報」を買っていたわけです。

    で、携帯電話はこの往復時間を節約します。仮に電話代が10円だとすれば、

    10円≦半日分の機会費用

    ならば、貧困層は同じ情報をより低価格で購入することができます。

    そんなメカニズムから途上国の貧困層で携帯電話が爆発的に広まったというお話。BOPを知る上ではいい本かと思います。

  • これは学術書に入るんか?
    きっと入らないでしょう…

    目から鱗の話が色々ありました。
    言えることは、
    アフリカは十分マーケットになり得ます。
    これからはアフリカ株もアツいかも笑

  • バングラディシュの携帯電話会社グラミンフォンの物語。

  • 勝間フレーム32で紹介、NPO法人、社会貢献の可能性を広げる

  • 最近読みあさっている中でも特にビジネス色が強く、おもしろかった。東南アジアで働いている身としては、さりげなく書かれている政治とのかかわり等でかなりの労力を要したのではないかと思うと頭が下がる。後半の後進国における携帯電話の発展の歴史もまた興味深かった。

  • 2部構成。
    前半は、グラミンフォンの創設の物語をカディーアという起業家を中心に描いている。後半は、ケータイが貧困撲滅にいかに貢献するかを各国のケータイ浸透の様子が描かれる。特に、各国のモバイルバンキングの浸透の仕方は日本のモデルとはかなり違っており興味深い。
    全般に、ビジネスによって利用者(ここでは貧困層)のスモールビジネスを後押しするポイントが具体的に書かれておりわかりやすい。
    ステージとしては、情報通信や電力など社会インフラに関わるビジネスがメインであり、サービスまではいっていないことがよくわかる(モバイルバンキングはサービスに近いが、レベル的には社会インフラ)。
    社会インフラの構築が、利用者のスモールビジネスの展開に役立つのは、ある意味自明なので、サービスの提供によって同様のモデルが成り立つのかは思った以上に不確定だといえそう。

  • バングラデシュ(バングラディッシュではないので注意)の携帯電話会社「グラミンフォン」ビジネスの軌跡を追う内容だ。途上国でのビジネスが十分なリターンを投資家にもたらすことを証明した(しかもそれがブラックなイメージなしに)という意味で、社会事業の成功事例として読まれるべき本だと感じる。

    今もその本質は変わっていないだろうが、バングラデシュの政治(官僚)腐敗の度合いは根深い。そして何より国営電話会社と同じ土俵で戦うわけだから、その抵抗も乗り越えなくてはいけない。しかし、独占企業にもかかわらず携帯電話はビジネスにならないと決めつけており、政府の民間企業へのライセンス交付を大して気にかけてはいなかったのだ!

    紆余曲折はあれども、理念だけでなく現実的なところをみつけて事業を進めなくてはいけない過程も書かれている。携帯基地局感の通話は基本的に地中のケーブルの利用が必要だが、それは国営鉄道会社の構内線(なぜか外国援助機関による光ファイバー。それに見合う利用はされていなかったが)を相手に顔を立てつつ利用契約をする。こういう感覚は大事だろう。

    結局、事業は成功し途上国での携帯電話ライセンス取得金額が高騰したのはこの成功があったからだ。ライセンス料がどう使われたのかはともかく、各国政府が市場をオープンにしたことによりテクノロジーは生活は多かれ少なくとも変わっただろう。(政情不安の国でも携帯基地局は破壊しないという話もあった。不利益を受けるのは自分だからね)

    「つながることは生産性だ」この言葉が意味するように、今までつながっていないことによって著しい不効率な生産活動が送られていた。人と会うのに、数時間かけて出向き、あえなければまた戻ってくる、など良くあることだったのだ。今まで無視されてきた農村部でも利用者が増えたのはまさにニーズがそこにはあったのだ。(電話は個人所有ではなく公衆電話のように利用されている)

    通話コミュニケーションだけでなく、しっかりとデータコミュニケーションについても利用されているのはちょっと意外であった。すなわち送金手段としてだ。SMS(ショートメールサービス)だから、セキュリティは?などと考えてしまうが、途上国における少額決済にとっては十分なのかもしれない。

    自分が社会を変えている、そんな実感を得つつビジネスをおこなう。なんともうらやましい話だが、そのアイディアと実行力(実現力)に敬意を表したい。

  • グラミンフォンを作った人たちの話。ただの慈善事業じゃなく、しっかりしたビジネスなんだ、と。本当は、グラミンフォンがどういう風に貧困層の助けになるのか、をもっと読みたかったのだが…

  • 分類=経済・グローバライゼーション。07年7月。発展途上国への経済「援助」にはこういう方法もある。ただし、忘れてはいけないのは、貧困にあえぐ人々や途上国の存在は、与え合うのではなく奪い合うことを前提とした現在の経済・社会システムそのものが必然的に生み出すものであること。物事の根本が変わらなければ、問題の解決は覚束ない。また、携帯電話というツールを用いる事で、電磁波問題への対応が必須となる。日本国内では軽視されすぎているが、電磁波の問題点を知れば、グラミンフォンの活動が手放しで喜べるものではない事がわかるはずである。

  • イクバル・カディーアXユヌス(グラミン銀行)☆援助ではなく投資を。☆ITX現地企業家X外国人投資家。

  • バングラデッシュのBOP(ボトムオブピラミッド)に携帯電話を普及させたグラミンフォン。

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グラミンフォンという奇跡 「つながり」から始まるグローバル経済の大転換 [DIPシリーズ]の作品紹介

アジア・アフリカの発展途上国で、携帯電話が急速に普及している。その波は、これまで電気すら通っていなかったような地域、1日2ドル未満の所得で生活する「貧困層」の人々にまで及ぶ。携帯電話によって、経済・社会全体がダイナミックに変化しはじめた。情報通信が活発化し、農業も工業もサービス業も一気に発展。アフリカの「貧困層」の人々が、ケータイで買い物をしているのだ!だが、なぜ、そんな「貧しい」人々に、携帯電話が広まったのか?物語は、世界でも最も貧しい国の一つ、バングラデシュから始まる。戦争で荒廃した祖国の発展を夢見る起業家イクバル・カディーアは、バングラデシュでの携帯電話サービス立ち上げを考え、ただ一人、さまざまな企業や投資家に、その夢を説いて回る。彼の夢に共鳴し、協力を申し出たのは、2006年ノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行の総裁、ムハマド・ユヌスだった。さらに、ノルウェーの電話会社、ジョージ・ソロスら米国の投資家、日本の総合商社・丸紅、NGO、そして現地の人々…夢は多くの人や企業を巻き込み、「グラミンフォン」が誕生する。その衝撃は、アジア・アフリカ各国に、野火のように広がっている。生活が変わり、ビジネスが生まれ、経済が興り、民主化が進む。「貧困層」として見捨てられてきた、30億人の人々が立ち上がる。世界が、大きく変わり始めた。その全貌をドラマチックに描いた、衝撃と感動の一冊。

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