チョコレートの真実 [DIPシリーズ]

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制作 : 北村 陽子 
  • 英治出版 (2007年8月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862760159

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チョコレートの真実 [DIPシリーズ]の感想・レビュー・書評

  • チョコレートが南米の暴虐な植民地支配からアフリカ奴隷貿易、時を経てアフリカでの栽培開始による一次産品モノカルチャー化と市場価格暴落による農村の破壊と飢餓、そして人身売買を伴う児童奴隷労働な実態を追った迫真のノンフィクション。
    HERSHEYなどの多国籍食品メーカーによる第三世界の収奪と労働環境に対する冷淡さは心を冷め冷めとさせます。

  • 2015年28冊目。

    決して甘くない、ビターなチョコレートの歴史。
    「神々の食べ物」と呼ばれるカカオを巡って、遥か3000年前から生産者と消費者の間には格差があった。
    輸出先で何に使われるかも分からないまま過酷な労働状況でカカオを収穫し続ける少年たち。
    その闇を深く追求すれば身の危険が生じるジャーナリスト。
    見せかけのだけの慈善で都合の悪い事実から目を背ける巨大企業。
    世界史が生み出した歪みの縮図が描かれている。

  • [ 内容 ]
    カカオ農園で働く子供たちは、チョコレートを知らない。
    児童労働、政府の腐敗、巨大企業の陰謀…チョコレートの魅惑的で危険な世界へ。
    気鋭の女性ジャーナリストが徹底取材した、今なお続いている「哀しみの歴史」。

    [ 目次 ]
    序章 善と悪が交錯する場所
    第1章 流血の歴史を経て
    第2章 黄金の液体
    第3章 チョコレート会社の法廷闘争
    第4章 ハーシーの栄光と挫折
    第5章 甘くない世界
    第6章 使い捨て
    第7章 汚れたチョコレート
    第8章 チョコレートの兵隊
    第9章 カカオ集団訴訟
    第10章 知りすぎた男
    第11章 盗まれた果実
    第12章 ほろ苦い勝利
    エピローグ 公正を求めて

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • チョコレートの原料のカカオ豆。古くから歴史があり疲労回復の食物として重宝され通貨の代わりにもなっていた。コロンブスがカカオをスペインへ持ち帰り、イギリスがスペインからジャマイカを獲得してからカカオの生産拠点としてキャドバリー社はチョコレート会社として発展する。
    20世紀初頭、カカオの生産にはすでに奴隷制度が関わっていることを、クエーカー企業でさえ目をつぶってきた事実。アメリカ資本主義の欺瞞がここに。

    アメリカのハーシー社はもともとはキャラメルを製造していたが、創業者はキャドバリー社の製造を参考にし、アメリカでチョコレート産業が花開く。雇用を促進し、住居を確保し、孤児院までつくる優良企業に発展するが、従業員のストライキの憂き目にも合う。

    主にコートジボワールでの子供奴隷による生産の話が中心だが、近隣のマリやブルキナファソからの出稼ぎ労働者をコートジボワールが排斥し、近年の内戦でさらに混乱するという現状も語られる。

    この問題の根が深いのは、コートジボアールの児童労働だけれではなく近隣のさらに貧国から仕事を求めてカカオ産業を目指すこと、よって国は利権のために安い労働力を求め、弱者が搾取されることは止めようがなく、そして結局、西アフリカ全体の貧困の問題ということに立ち戻ってしまうということだ。

    大麻もコーヒーもカカオも嗜好性の高いものほど外貨を稼げるがゆえに発展途上国にとってみれば金のなる木に見えることだろう。
    大麻なら倫理的な問題もあるが、コーヒーよりもさらにポピュラーなカカオ、なんといってもチョコレートは子供から大人まで需要がある。

    日本も貧しい時代は子供を働きに出すというのは珍しいことではなかっただろうが(富岡日記ではなく、あゝ野麦峠のイメージ)そこで今の時代に、個人がなにを選択するのかということを考えると途方に暮れる。

    個人的にはチョコレートが好物というわけではないのだが、カカオの生産がコートジボワールの児童奴隷によるもので、その恩恵を世界が受け取っているのであればもはやチョコレートを口にすることに罪悪感を持たずにはいられない。

    (なお、読後に調べたところ、日本のチョコレートメーカーのカカオの仕入れ先はガーナが中心である。ガーナについてはこの本には全くの情報がない)

  • Tシャツのような世界規模の搾取の話が書かれた経済の話。
    そう踏んで手にとったが、心が痛くなる奴隷労働の話に辿り着いた。
    ナイロビの丘がさもドキュメンタリーだったかと思わせる内容。
    チョコだけの話ではないし、胡散臭い本で一面が書かれるような利益に関わる腐敗には太刀打ちできないのだろう。
    もっと卑近な世界でも利権のために暗躍する人はいるし、結局群集として見ぬふり以外の選択肢は思いつかない。
    切ない話だった。

  • カカオ農園で働く子供たちは、チョコレートを知らない。

    --
    Bitter Chocolate ―
    http://www.eijipress.co.jp/book/book.php?epcode=2015

  • チョコレートの歴史としての前半部分は非常に面白いが、おそらく作者の言いたいことではないのだろう。
    巨大企業は必然的に生産者を搾取できる力を持つ。例外の無い法則がこのような夢のある業界でも成り立っているということだ。

  • カカオ農園で働く子供はそれが何になるか知らない。
    コートジボワールに行けば自転車が買えると隣国マリやブルキナファソから来た子供はだまされてカカオ農園で働かされるが給料をもらえることもなく搾取されている。穀物メジャーのカーギルやADMが買い付け、製菓メーカーがチョコレートを作る。児童労働を禁じる法律に対して製菓メーカーは調査をしぶり、見ないふりをする。
    子供達を働かせる農家も儲かっている訳ではなく、カカオの集配人は私兵に賄賂をせびられ、カカオ公社は権力と結びつき輸出した代金は闇に消える。
    チョコレートを食べる人が責任を感じる事はないが、真実は苦い。

  • 成毛眞氏書評からのリファレンス。タイトルのとおり、古代マヤ文明において神々の食べ物とされたカカオ歴史、チョコレートの製品化とリーディングカンパニーの変遷。そして世界規模の格差を浮かび上がらせる現代のカカオ生産ビジネスが抱える暗部。

    チャーリーとチョコレート工場(あの映画は1971年にも、チョコレート工場の秘密として映画化されている)にはちゃんとモデルがあって、それは自身の名前を冠する町ハーシーを建築し、孤児を引き取り育てたミルトン・ハーシーだった等のくだりは、当時のヨーロッパ企業とアメリカ経済の絡みかたまで俯瞰でき楽しい内容だった。

    しかし、カカオ生産ビジネスが今なお抱える、児童強制労働にまつわる疑義は、ジャーナリズムの錯綜などに起因し問題が混迷を極めており、読んでいて出口のない迷路にいるような錯覚を覚えた。

    本書によれば、カカオ生産世界一を誇るコートジボワールの農園で、マリから労働力として調達される児童は10年近くに及ぶ無償の労働と虐待を強いられているケースがあり、こうした児童は、自分たちが「奴隷」であるという認識すら持たされず、労働を終えて帰国して以降も社会に適合することができず、ギャングになるほかの人生は残っていないとされている。

    カカオ生産に限った話ではないかもしれない、このような人権問題を可哀想だなどという気持ち一つで、助けてあげたいというアプローチを取ることは、真実と解決への道を曇らせてしまうのかもしれない。一方で、本質的な問題の一つは、マリの児童たちは家族によって送り出されており、それを輸送する人も、罪悪の意識は希薄だという。人格すら十分形成されていない児童から人生を奪ってしまっている行為の連鎖を、本質的に断ち切るのは、「自尊心」なのかもしれないと感じた。

  • (欲しい!) 成毛眞(今のところ)オールタイムベスト10

  • 普段何気なく食べているチョコレートがどうやって作られているか知っているか。
    私はそのほとんどを知らなかった。

    その影には、カカオ原産地の国々の貧困、政治の腐敗、そこからくる児童労働、児童奴隷、大企業の思惑、どっち付かずの消費者の倫理観が影を潜めており、複雑に絡み合っている。

    特にチョコレートが児童労働、奴隷の犠牲の上に成り立っているとの指摘は自分のあらゆる食品についての姿勢を考え直すきっかけになった。

    カカオ原産国の収入源の確保と向上、フェアトレードの仕組みの見直しなど、やるべきことは多い。

    綿密な取材に基づいた衝撃のノンフィクション

  • 流し読み
    カカオがもともとはアフリカのものではなく、アメリカ大陸から輸入させられたものであり、奴隷にちかい労働により、チョコレートの原料のカカオは生産されている。フェアトレードの制度も骨抜きなっている、この現状を変えることはできるのか、チョコを口にするたび思いを馳せるだろう

  • 【必読】
    チョコレートの歴史がわかります。
    一般的な農作物とは違う、闇に包まれたチョコレート産業の実態。
    歴史が苦手なので読み辛かったですが、必ず読むべき1冊だと思います。

    過去の奴隷制の事、現在の児童労働、などなど。

  • チョコレート史のような感じ。それもそれほど昔でない、最近の歴史。
    身近なものほど、その原料まで想いを馳せることができにくい代表例なんだろうな。
    世界史好きとしては、読み物として興味深かった。
    現在でも奴隷のように過酷な環境で働いている子どもたちがいるのだろう。日本にいると考えもしないことを考えさせられる一冊。

  • 旅行の前に読んでいた前半のことをすっかり忘れてしまったのだけど。。。カカオの歴史の最初からして、アステカ文明の奴隷たちが出てくる。
    そして現代のコートジボワール。
    これ以上ないぐらい腐敗しきった国家と多国籍企業、国際的なマネーゲーム、貧困にあえぐカカオ農家たち、騙されて売られる子供たち、消されるジャーナリスト、暴力、民族浄化。

    それでも私はチョコレートを食べるべきなのか?それともボイコットすべきなのか?

  • "Bitter chocolate"
    映画で見た"Blood Diamond"に似てた。
    バレンタインを前にして、いい本を読んだ。

    「チャーリーとチョコレート工場」映画化には、ネスレとかハーシーとか多国籍企業がかなり巨額の投資をしたんじゃないかな、と予想。甘いチョコレートの裏側にあんな甘美な世界があるわけもなく。

    その裏にあるのは、市場を牛耳る投資家と、巨大な資本をもつ多国籍企業、そして貧弱な経済の上に成り立ち、彼らに振り回される途上国のカカオ農家と、さらに彼らを食い物にする腐敗した政府。

    歴史的にみれば、マヤでも西インド諸島でもコートジボワールでも、
    チョコの存在も知らずにカカオを作る農家、
    不当な労働の上に成り立つカカオを安値で仕入れ甘いチョコを作る企業、
    そんなことも知らぬ顔で安くておいしいチョコを求める消費者。
    という三者の関係は変わらない。

    チョコのパッケージや、バレンタインに踊らされてちゃいかん。フランスだろうがベルギーだろうがそのチョコの原料はアフリカからやってくるんだ。
    「ガーナ」ときいて、プラスイメージが浮かんでくるぼくらの頭の中はロッテとか明治に毒されちゃったんだろう。


    ・コートジボワールを知りすぎたフランス人ジャーナリストは政府の手で闇に葬られた。そんな状況でおれならどうするのだろう、と悩む。


    ・児童労働について、「人権と経済的要請の間に一線を引くのはかなりの難しい」。印象に残った。

  • ガリガリガリガリとチョコレートを一気食いしてしまうピーナッツも、流石にこれを読んだ後は考えさせられました。

  • 魅惑のお菓子チョコレートをめぐる古今の出来事を丁寧に追っていくルポルタージュ。
    チョコレート以外に共通点のないバラバラな場所と出来事を手広く追いながらも散漫にはならない。
    論点は終始一貫している。
    常に付きまとう「材料の作り手」と「製品の受け手」の断絶。

    不平等は悪の大企業と経済大国が強欲な独裁者を利用することによってのみ起こるものではない。
    搾取の裏には、それを許し、動かし、もっと良い物をもっと沢山もっと安く欲しがり続ける消費者の存在が常にある。

    くわしい感想⇒http://melancholidea.seesaa.net/article/184557541.html

  • フォトリーディング&高速リーディング

  • チョコレートの甘さに隠された真実の姿を描き出した本。チョコレートの歴史から現在の状況に至るまでを書き出している。チョコレートは過酷な労働環境で作られ、冷酷な世界市場経済に左右されている実態がわかる本。

    チョコレートを今までみたいに単純に楽しんでは食べれなくなるかもしれません。

  • チョコレートのまさに真実が描かれている。

    チョコレートの生産農家の人たちはチョコレートを食べた事がないというのは知っていただ衝撃だった。

    チョコレートの歴史、チョコレートの原料のカカオをめぐる原料国と生産・消費国との現状。

    そして生産現場での子供の奴隷、人身売買。

    現状は昨今を示している。

    カカオ農園で働く少年の言葉が胸にささる
    「チョコレートを食べている人は僕のお肉を食べているのと同じだ」

    この発言が物議を醸す。

    ノンフィクションであり、専門書のようにも思える。
    重い現実がそこにある。

  • 多国籍企業と、国家間、そして国内の利権争い。
    その底辺にいまもある奴隷。
    なくなるまでにどれだけ時間がかかるのだろう。

    補助金目当てのNGOとスクープ目当ての記者と、何がどこまで本当の情報であるか創作の話か。

    すべてが正規の値段になったとき、自分たちの生活品の値段はとんでもない価格になる。
    それを受け入れるボランティア精神者はいるのか。
    弱肉強食といって終わるのか。

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カカオ農園で働く子供たちは、チョコレートを知らない。児童労働、政府の腐敗、巨大企業の陰謀…チョコレートの魅惑的で危険な世界へ。気鋭の女性ジャーナリストが徹底取材した、今なお続いている「哀しみの歴史」。

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