- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862760180
作品紹介・あらすじ
その小さなアクションが、世界を変える!元ITベンチャー経営者が、東京の下町で始めた「病児保育サービス」が全国に拡大。「自分たちの街を変える」それが「世の中を変える」ことにつながった。汗と涙と笑いにあふれた、感動の社会変革リアル・ストーリー。
感想・レビュー・書評
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コネも人脈もない若者が起業する過程がよく分かり面白い。無知な青年を騙そうと近寄る大人たちや、ノウハウを丸パクリする厚生労働省など、人間不信になりかねない問題が多発してもめげずに進む駒崎氏。全体的に軽い文章で書かれているが、かなりのタフさを持ち合わせているはず。
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ソーシャルアントレプレナー。
学生の力で風穴を開ける。
役所のぱくりが痛い。
「育児保育」の先駆けとなる。 -
病児保育に取り組むNPO法人「フローレンス」の駒崎さんの本。
同じく社会企業家の元マイクロソフトのジョン・ウッドさんの「マイクロソフトでは出会えなかった天職」が充分に仕事の経験を積んだ上で、さらなる充足を求めた転身ならば
こちらは、まだ社会経験も少ない学生でありながら、社会の欺瞞にたいする憤りや、熱情や、焦りや、そんな目一杯の若々しさの中、何かを求めて道を進んでいきます。
この若々しさに感動しました。
そして著者は最後に「溺れる赤ん坊のメタファー」にたどり着きます。
それはこんな話です。
あなたは旅人だ。旅の途中、川に通りかかると、赤ん坊が溺れているのを発見する。あなたは急いで川に飛び込み、必死の思いで赤ん坊を助け出し、岸に戻る。
安心して後ろを振り返ると、なんと、赤ん坊がもう一人、川で溺れている。急いでその赤ん坊も助け出すと、さらに川の向こうで赤ん坊が溺れている。
そのうちあなたは、目の前で溺れている赤ん坊を助けることに忙しくなり、実は川の上流で、一人の男が赤ん坊を次々と川に投げ込んでいることには、まったく気づかない。
この寓話から筆者は病児保育を生み出す、「構造」に思い至り、ワークライフバランスのさまざまな問題を解決すべくあらたな提言活動を始めます。
これからまだまだ発展しそうな著者から目が離せません。 -
学生ITベンチャーのCEOだった筆者が、病児保育の必要性を感じてNPOを立ち上げ、社会を変えようと取り組んでいく過程が書かれている。社会を良くしていくのは国や自治体の仕事だと思っている人は多いが、現代は個人が事業を立ち上げて社会問題を解決できる時代だという。筆者の社会を変えたいという思いから行動していく姿に感銘した。
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NPOは稼ぐことを目的にせず、収支プラスマイナスゼロのギリギリでやっていくものと勝手に思い込んでいたけど、それだと長続きしないということに気づかせてくれた本。自己犠牲で成り立つものは長続きしない。
共感できるところも多く、駒崎さんの赤裸々な文章も親しみが持てて良い感じでした。 -
【内容】
まさに社会起業家の”熱意”に触れられる本。
社会を変えたい!という決意を胸に、失敗しながらも試行錯誤を続けていく筆者の姿勢に勇気付けられました。
また文体が軽快で読みやすく、入門書としてもオススメです。
【文責】
堀江 -
努力して、よい中学に入って、よい大学に入って、よい会社に入れば幸せになれる。そう言われて中学受験から就職活動まで、ずっと先の将来を夢見てきた我々の前に待っていた21世紀は、不景気から始まりました。
就職氷河期では就職に苦労して正社員にすらなれず、正社員になったとしてもリストラの業務リソース不足のしわ寄せで馬車馬のように働かされ、未来にもらえるはずの年金もないような現実が現在の20代後半〜30代前半を待ち受けていました。
この本はそんな私と同じ世代の若者が、ITベンチャー社長を経て病気の子供を預かる「病児保育サービス」のNPOを始めた経緯について描かれています。 ITベンチャーを経営しているけれども、決してIPOで一財産を築いて六本木ヒルズで暮らして外車を乗り回すような願望はなかったという筆者が、等身大の言葉で自分が社会に対して何をしていきたいのかを問い続け、行動した物語が書かれています。
一貫した上昇志向を持ち続け、大企業や官庁で出世していく生き方はある意味レールに乗っていて、ただその組織において評価されるような要領を会得していけば収入もステイタスも上がっていきます。そのようなモーレツサラリーマンな父親の姿を見てきた我々の世代にとっては、高収入もステイタスもそれほど魅力的には映らなくなっています。
社会起業家、ソーシャルベンチャーと呼ばれる若者たちの動きは、アメリカではすでにかなり活発になっています。代表的な存在であるビル・ゲイツは、自らの資産を慈善事業に寄付しましたし、 GoogleはITで得た収益をグリーンエネルギーの開発に費やす方針です。シリコンバレーで財を成した起業家たちは軒並みソーシャルベンチャーを立ち上げ、自らの能力と資産を社会的意義のある目的に対して発揮しています。
そのような流れがようやく日本にも根付いてきて、社会起業家という新たな成功方式が生み出されました。一昔前のホリエモンのようなIT起業家はすでにトレンドではなく、エコや福祉の分野で自らの意志で活躍するアントレプレナーが人間としても尊敬できる存在として学生などの目標になっています。
実際に銀行の内定を辞退して飛び込んできた新卒や、年収1,000万のコンサルタントの参画など、この本には自らのベクトルを自らの意志で変えた輝かしい人々が描かれています。
右肩成長による20世紀型の成功方程式を捨て、持続可能な21世紀型の成功方程式を我々の世代は見つけようとしています。まず自分の周りから、住んでいる街から、自分たちがアイデンティティを保てる環境に変えていくことがいずれ世界や地球まで住みやすくしていくと思うのです。 -
社会起業家としてのエネルギッシュさが本を通じて伝わってくる
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いやー、パワフル
あっという間に読み終えた