U理論――過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術
- 英治出版 (2010年11月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862760432
作品紹介・あらすじ
未来から現実を創造せよ。人・組織・社会の「在り方」を鋭く問う現代マネジメント最先鋭の「変革と学習の理論」、待望の邦訳。
感想・レビュー・書評
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過去の経験から学ぶのではなく、未来から学ぶ方法が書かれています。
「プレゼンシング」がこの本の肝です。
1.この本を一言で表すと?
・未来から学ぶ方法
2.よかった点を3〜5つ
・ダウンローディング
→自分の思考が、かなりの部分がダウンローディングに依存しているのではないかと思い知らされました。
・4人のCEO(p165)
→実際に会社にいそうで現実味があり、納得できた。
・U の実践と24の原則(p544)
→Uの左半分の下りの部分が、他の本にはない特徴。プレゼンシングの部分がとくに重要ではないかと感じた。
・プレゼンシングの経験から現れた未来の可能性に照らして自分自身の可能性に照らして自分自身の意図を「試し」、明確にする。
→プレゼンシングを経験しない結晶化は意味がないということ。会社の理念なども同じことが言えると思う。
2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・内容自体はいいと思いますが、全体的に、表現が抽象的で難解。
・「感じ取る」を実際にやってみて、何も感じなければどうすればよいのか、いつまで待ち続ければよいのか。
・「領域構造」の図はよくわからない。
3.実践してみようとおもうこと
・毎朝、静寂の中で自分と向き合う時間をつくる
4.みんなで議論したいこと
・この理論を、具体的にどのように活用しますか?
5.全体の感想・その他
・この理論を実践して、結果を出した人はどれくらいいるのだろうか?
・書かれている内容がかなり抽象的で、実際にやってみないとわからない部分が多いと思う。
・自分自身に、Uの左半分の経験がないのがわかりにくさにつながっているかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
分厚さにびっくりしたが、とても読みやすく自分の経験と照らし合わせて読み進めると理解しやすい。内省するのに自分にとってはとても大切な本。
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僕は幸運にも、訳者の中土井さんのU理論についての1日セミナーを受講できたけど、それでもわかったようなわからなかったような。500頁を超える難解なこの大作と向き合うには、それなりの決意と覚悟がいるような気がする。僕は今回途中で挫折したけど、本当に自分と向き合いたい時が来たら読んでみようと思う。でも、この内容が腹落ちした時は、人間を超える何かに進化した時かも知れない(笑)。自分なりの解釈で、何かヒントが得られたらそれでOKって割り切った方がいいかもね。
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ビジネス書に分類されているものの、内容はほとんどスピリチュアルや哲学に近い本。
既存のパターンの使い回しによるソリューション(本書では、ダウンローディングと呼ばれている)では、現在の我々が共有する課題や問題は乗り越えられない。著者は、我々が共有する根源的な問題を解決するためには、新しい創造、すなわち個を超えた源(ソース)につながり、最高の可能性を持つ未来を出現させることが必要と説く。
村上春樹がインタビューで、自らの創作手法について、意識の地下二階に潜って、何かを掴んで浮上することと語っていたが、それに類似している。
本書では、著者の洞察・経験に基づいて、最高の可能性を持つ未来を生成させるための、プロセス・手法が詳述されている。
かなり長いし、読んですぐに役に立つタイプのビジネス本でもないが、3.11以降の個人や企業が目を向けるべき方向が示された、数少ない本ではないかと思う。 -
2階集密 : 336/SCH : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410168297
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力作でボリュームがスゴイ。オカルトチックというかニューエイジっぽい感じもあります。人によっては拒否感が生じるかもしれません。しかしそれはメンタルモデルを取り扱っているからで、ある意味必然性もあるのかと思いました。かなり納得できるところも多いです。
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NDC(9版) 336.3 : 経営管理
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自分の思考が、ダウンローディングに依存してないか自己俯瞰するべき。
後半に行くほどスピリチュアルな感じになっていくので苦手。 -
個人が変革でなく、社会を変革するための理論。
内面に向かい合い集中し、手放し、その後再び集中して作り上げる。
最近ブームのサウナなどにも通じるものかもしれない。 -
”これからの時代にとても大切なことが書かれているように思う。腹落ちする理解のためには、この本について人と話すことが必要かも。1/25 の中土井僚さんのミニWSを受けて、レベル2 と 3 の差が少しわかった気がする。
<読書メモ>
★三段階の「気づき(アウェアネス)のレベル」(p25)
開かれた思考(マインド)
開かれた心(ハート)
開かれた意志(ウィル)
・私はこの出現する未来から行動することを「プレゼンシング(presencing)」と名づけた。プレシングとは「プレゼンス[presence:存在]」と「感じ取る[sence:感知する]」からなる造語だ。プレゼンシングの意味は、未来の最高の可能性を信じ、同調し、そこを起点に行動するということだ。(p39)
・意識の領域(アテンションフィールド)構造の違いを生みだすスタンスや立ち位置は4つに分類できる。
(1)私の中の私??習慣的なものの見方、考え方でものごとを認識する
(2)それの中の私??感覚や思考が大きく開かれた状況でものごとを認識する
(3)あなたの中の私??開かれた心(ハート)で同調し感じる
(4)今の中の私??私という存在の源(ソース)から理解する。すなわち、開かれた意志(ウィル)で注意を向ける
★Uプロセスの5つの動き(p52-53)
共始動(co-initiating)??人生があなたに求めていることに耳を傾ける
共感知(co-sensing)??もっとも潜在性を秘めた場所へ行く
共プレゼンシング(co-presencing)??静寂な場所に行き、深い叡智の源(ソース)を開き、内から出現しようとする未来につながる
共創造(co-creating)??生きている小宇宙(マイクロコズム)のプロトタイプをつくり未来への滑走路を用意することによって、実践を通じて未来を切り拓く
共進化(co-evolving)??より大きく革新的な生態系(エコシステム)をともに築き、人々が「全体を観て行動すること」によって境界を越えて互いに結びつける場所を確保する
・U理論は生きている場の理論であり、機械的・直線的なプロセスではない(p78)
・これらのまったく異なる探究と行動の世界で学んだことをひと言で表現するならば、「学習には二つの源がある。それは“過去”と“現れようとしている未来”だ」ということだ。(p90)
・二十世紀全体を俯瞰してみたとき、システム理論とシステム思考における最も重要な進展 by フリッチョフ・カブラ氏 (p146-147)
- 現代システムの思想家たちが、出現(emergence)という現象を歓迎したこと
- すべてのシステムと知は状況(context)に根ざしているということ
★組織学習と変化を阻む4つの障壁(p169-170)
1.見たことを認めない(認知と志向の分離)
2.思ったことを言わない(思考と発言の分離)
3.言ったことを実行しない(発言と行動の分離)
4.したことを見ない(行動と認知の分離)
・「人々の最高のエネルギーとコミットメントを結集できる、より高い目的は何だろう」(p184)
・サークルオブセブンにおけるベス・ジャンダーノア女史(p201-202)
- 何もしていないようにみえるのに、一瞬のうちに部屋全体と心と心のつながりを持ってしまう
- ベスはただ立ち上がり、心からの笑みを目に浮かべるだけで、すぐに全員を引きこんでしまう
→「とっても簡単なことです。立ち上がる前に心を開き、部屋中の人に無条件の愛を意識的に送るんです。30年以上やってきたことなの。それが愛の場というか環境を作るのです。サークルオブセブンという女性サークルと何年にもわたって関わってきたことが、そのように存在していられる能力を深めるのに力を貸してくれたのです」
・プレゼンシングの瞬間の「感情の動き」(p225-226)
取り組んできた課題は正しかったのだろうか、やってきたことは正しかったのだろうか。対象にした人々は的確だったろうか。(略)
階段に足を掛けた途端、足ががくがくしているのに気が付いた。(略)突如、彼らの前に立ったとき、私はばらばらになって崩れていくような気がした。私は死んでしまう。完全なもろさの瞬間。集まった人々と私は互いに見つめ合ったまま数分が過ぎた。物音一つ立てずに、永遠に。
不意に、すべてが変わった。私は空中にざわめきのようなものを聞いた。突然、優木が湧いてきた。我々がやっていることは正しいことだという確信からくる勇気だった。この未知を進むしかない。
・三種類のつながりとコミュニケーションの仕組みを確立し、未来への滑走路のプロトタイプを作る(p278)
上とのつながり…インスピレーション、直感や意図の最初のひらめきへつながること
横とのつながり…そのコンテクスト(環境)からのフィードバックに耳を傾けること
下との、または現場のつながり…現場の状況(コンテクスト)の中で速いサイクルのプロトタイプを実施し、それから学ぶこと
・組織は3つの軸で展開する(p291)
現行の価値創出の流れを統合すること(横軸)
継続的な革新と学習の並行的なシステム(縦軸)
変化する社会的状況との活発なつながり(第三の軸、つまり周囲の軸)
★3つの障壁(p313)
- 評価・判断の声(VOJ:Voice of Judgement)
- 皮肉・諦めの声(VOC:Voice of Cynicism)
- 恐れの声(VOF:Voice of Fear)
Uの旅があまり実行されないのは抵抗があるから。抵抗は内面から起こっている。
・図16-1 Uの空間と反空間(p336)
・図17-2 会話の4つの領域(p345)
↑ 出現する未来の具現化
プレゼンシング | 対話(ダイアログ)
←全体性の優位性??+???部分の優位性→
ダウンローディング | 討論
↓ 過去のパターン再現
★私は自分が橋の上に立っているのがわかりました。その状態に変化を起こすために飛び降りなければならないこともわかっていました。(略)「心を開きなさい。彼を通してお前を変えるのだ」。(p366)
#対話を引き起こすにはダイブが必要
・ジャム・セッション??ひたすら観察する(p369-370)
インタビューの記録の中で自分が大事だと感じた文を一人が引用して読み上げることから始める。その人はそれに感r念して、一言か二言何かつけ加えてもよい。そのあとしばらく間をとる。その休止が導火線となって別のメンバーが別の文を読む。(略)それはコラージュに似ている。それぞれの引用は絵の中の小さな断片だ。それらの断片から、やがて集合的に一つの絵が現れ始める。(略)メンバーは一つのリズムの中に入り、次々と読み上げられる文章の合間にあって言葉として表現されなかったもの??その間にある空っぽの空間??が語る音楽に耳をかたむけるようになる(深く潜る)。
#★これ、読書会でもできそう。
・ほとんどの人々が、個人としては会話と知のより深いレベルから機能することを望んでいるのに、今の現実はそうなっていない。組織やシステムの大半は、破壊の病理的パターンの中にがっちりと取り込まれている(略)
それは、図17-4に示された目に見えないプロセスの育て方がわからないからだ。そのプロセスとは、衝動のままに発言する前に、まず自分の意識の方向性を深めることである。(p378)
・ここでは組織をあたかも生き物であるかのようにとらえ、みてみよう(p406-)
★ですから組織横断型の協働(コラボレーション)とイノベーションの新しい形を実現する生きた例を作ることに、時間とエネルギーを注ぎたいと思っているのです。(p411)
・表20-1 出現の社会的文法 ?? 10のカテゴリー(p457)
・「どんなインタビューにおいても、耳を傾けるということが絶対必要条件だ、ということです。つまり聞き手である私にとって、私の内面に「他者」の為の空間を作ることが必要だ、ということです。」(p475)
★すべての人間は一つではなく二つである(p496)
一つは過去の旅路を経て現在に至った自分。もう一つは、今後の旅路を通して我々がそうなりうる可能性のあるまだ現れていない未来のの自分。未来の自分は、今の自分の選択と行動で決まる。
・最初の集まりを開くときは、自分自身を超える共通の目的を明らかにする。(p509)
★その努力は流れになるのだ。大きなコミットメントをすることで(犠牲ではなく)初めて、ものごとは前へ進む。ということは、基本的に自分がもっているすべてをあたえなければならない。(p514)
#chiedas 立ち上げのときは、全てを与えたと思う。
★手を使って探せ。考えず、感じろ。手にある知恵には頭は永遠にかなわない。(p521)
・ワークショップや集まりの場をファシリテートするときは、前の晩に少し時間をとって、自分の意図をそのグループやコミュニティの未来の最高の可能性に一致させる(p539)
★図21-7 Uの実践と 24の原則(p544)
#行動(実践)の視点から Uのプロセスをみたもの。
・プレゼンシングインスティテュートコミュニティジャパン
http://www.presencingcomjapan.org/index.html
メーリングリストは presencingjapan-subscribe@yahoogroups.jp から。
<きっかけ>
twitter で話題になっているのをきっかけに購入。著者オットー・C・シャーマー氏は『出現する未来』の共著者の一人。” -
デザイン思考における「中身=実践する人の頭の中」を考えるのに参考になる本
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2012.12.05 冬休みに読む。
2012.12.16 借りる -
【由来】
・U理論の本で北海学園大以外にある本がこれだった。しかも、多分、本家?
【期待したもの】
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※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
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【ノート】
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【目次】
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432号室に一冊あり
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・ 保留とは普段の習慣のパターンを保留することだ。仏教の瞑想では腰を据えて普段の生活から一歩上のレベルに達し、物事にとらわれない視点を得ようとする
・ 視座を転換することは意識を「外側」から「内側」に向けること、つまり対象に注目するのではなく、思考プロセスの源に注目することだ
・ あなたの仕事の根底にある問いは何ですか
・ システム思考の本質は、行動レベルにおけるシステムの作用と、その見えない意識や思考の源をフィードバック・ループで結びつけられるようにすることではないか
・ 上流からの戦略アプローチとして、知の源は、企業の周辺にあって眠っているイノベーションやアイデアを活用することで生まれるのではないか(初期の戦略論は、製品と市場の組み合わせでポジショニングを論じることに終始していたが、真の戦略はそれを生み出すコアコンピタンスを明らかにすること。さらに将来の成功のためには明日のコアコンピタンスとチャンスを感じ取る能力が必要)
・ 組織横断型の場所こそが今日の組織の盲点だ
・ 生態系は変動し続けるネットワークである。すべての変数は最適値の周辺で変動する。単一の変数だけが最大化することはない
・ 生態系では、どんな生命もネットワークから排除されない
・ 認知→思考→発言→行動のループに障壁があると学習と変化が妨げられる
・ ダウンローディングから実際に「観る」ことへ移動するには、三つの明確な原則が役に立つ。
1) 問いと意図を明確にする
2) 問題のコンテクストに入り込む
3) 判断を一時停止し、好奇心の感覚を目覚めさせる
・ 人々が変化に抵抗するのは、厳しい変化や犠牲を強いられるにもかかわらず、より大きな全体像を観ることができず、変化が必要なコンテクストを理解できなかった時のみである
・ 個人のレベルで関係づくりや維持に努めることはすべての前提。そのうえで、次々に新しいアイデアを発見し、かつては有効だったとしても新たな時間と空間に合わなくなったり役に立たなくなったりした方法は手放していく
・ ほとんどの組織横断型の変化のプロセスが失敗するのは、出発点を見逃しているからだ。その出発点とは、境界を越え、ともに感じる共感知だ
・ 認知主導型の参加:人々が「私になにをしてくれるのか」ではなく「私にはなにができるだろうか」と問うような環境は、どうすれば生み出せるか。それには二つの決定的に重要な手段がある
A) 例えば基調となる共有知的資本のような、最初に持っている能力でスタートすること
B) 共通の知識基盤を豊かにする貢献が認識され、理解され、感謝されるような、共有認識の方法を確立すること
・ 言語の4段階
1) ダウンローディング:あたりさわりのない発言をしたり、丁寧な言葉を交わす
2) 討論:意見の主張、あるいは互いに異なる意見をぶつけ合う
3) 対話:多様な視点からともに考える
4) プレゼンシング:真のプレゼンスと静寂のソースから共同で創造する
・ 組織の4段階
1) 規則と中央の計画に基づいて運営される中央集権的な官僚主義的機構
2) 規則や戦略を現状に適応させるため、決定権を組織階層の中で市場や顧客により近いところにおろす分権的な部門制の構造
3) 階層に基づいた部門から、固定化した組織構造では通常浮かび上がらない事柄に注目する進化する関係性のネットワークへと権力の分布形態が移行する、ネットワーク型組織構造
4) 必要性と機会を現実として人々がともに感じ取り、形作られ、そして解消する流動的な革新的エコシステム
・ 観察するためには、「意見をいう」まえに「自分が大事だと感じたことを読み上げる」ことが有効
・ 企業が分権型構造(領域2)からネットワーク型構造(領域3)平衡すると、調整はネットワークでつながった関係性を通じて行われるようになる。ミンツバーグはその結果生まれるものを問題別随時組織(アド保倉シー)と呼んでいる。ヒエラルキーや競争の構造とは異なり、相互の連携はキープレーヤー間の関係性の質に大きく依存する。したがって、組織がこの全体的な連携の領域に入ると、会話の質が中心的課題になる。
・ 領域3から領域4の調整へ移行するとき、メカニズムはネットワーク化された関係性を通しての相互補正から、出現している全体性から観るというところへ移行する。出現する可能性の領域へと波長を合わせるためには、組織はそれ自身を超え、出現している適切なコンテクストにシステム的に波長を合わせる必要がある
・ 新たなプロセスの始まりをファシリテートする
・ リーダーの認知は周囲の環境によって巧みに管理されている。トップリーダーを取り巻く人々は、リーダーのメンタルモデルに合致する情報は通るが、そうでない情報は通らないことがわかる
・ システムを観るときに、自分自身を全体の一部としてみることができるか。認識の対象に自分自身、つまり観察者も含まれているか。システムはシステム自身を観ることができるか
・ あたかも自分自身を外側から観るように、毎晩4分間その日のことを振り返る。他人とどのように交わったか、他の人からなにをしてほしいといわれたか、あるいは提案されたか、何も判断せずにこれを行う。そのうちに、内面の観察眼が成長して自分自身を他者の視点で観ることができるようになる
・ 自分の内面に「他者」のための空間を意図的に築く
・ 深く潜る旅の活動を計画する:訪問すべき重要な人々、や組織、探求すべきコンテクストを明確にする
・ 耳を傾け、そのうえでさらに耳を傾けることを学ぶ
・ 様々な利害関係者を選び、相手の立場に立って対話をする。そして相手の視点から自分自身の仕事を見てみる。(何のために私が必要ですか)
・ 自分が確かに成し遂げた小さなことに注意を払い、コースから外れたらすぐに修正する。エネルギーは自分を責めることにではなく、修正する方向へ向けるべき
・ 創造性に到達する道には3つの段階がある。1)あまり変化はない2)退屈3)自分の内面で徐々に進化する衝動に気づき、対応する(内面の動機になる=自分でおもしろいと思えるまで取り組むことが必要といえる?)
・ 戦略的マイクロコズムは想像したい未来の小型版であり、そこには自分のビジョンの核となる要素がすべて含まれている
・ 戦略的マイクロコズムを機能させるための5つのタイプの実践者
1) 結果に対して説明責任がある人々
2) 問題に直接向き合っている第一線の現場の人々
3) システムの底辺にいて、自分たちのお金がどう使われているかについて、通常発言のバヤ影響力を持たない人(患者や市民)
4) システムの外にいてプロジェクトの成功に不可欠な視点や能力を提供できる人
5) プロジェクトがうまくいくように完全にコミットメントしているひとりもしくは数人の活動家
・ イノベーションで興味深いのは、人間の頭の中で新しいことが浮かぶ順序はこれまで考えられてきたこととは逆だということである
1) まずは漠然とした感情、あるいは気持ちが起こる
2) その感情はなにか(what)という感覚、すなわち新しいひらめきやアイデアに形を変える
3) そのなにかは飛躍的なイノベーションを生み出すことのできる状況や問題、あるいは挑戦と結びつく(where = context)
4) そこで初めて、whatとwhereに筋道だった構造と形が与えられる(論理的な理由why)
・ ミーティングなどの状況の質を決定する重要な変数のいくつかは、最も見えにくいもの詰まるわれわれの意識の向け方と意図の質である。(このような意識で)臨んだために(そうした結果が)生じる
・ ワークショップや集まりの場をファシリテートする時は、前の番に少し時間を取って、自分の意図をそのグループやコミュニティの最高の未来の可能性に一致させる。このつながりをつくっておけば、その場の状況やとっさに対応しなければならないときに、頭の裏口から入る直観の質が高まる -
なんか大事そうなんだけど、長すぎて...読む時間を取れず、、、
漫画の方を読もうかな。
「変化の5つのレベル」の図が、たぶん重要。 -
読み始めて2ヶ月。紆余曲折をへてやっと読了。
いやー、難しかった。
結構、速読の私としては、時間がかかってしまったのは、途中で、「ン?これって、結局、ダウンローディングな読み方だよね」と思って、読むのをストップしたため。
内容が難しくって、事前になんとなく知っていることを確認する以上の読み方ができない。また、これって、「十牛図と一緒だよね」とか、「プロセスワークと一緒だ」という読み方になって、それと比較して、何が新しいのか、という読み方しかできない。
結局、これのなにが本当に新しいのかはわからない。どちらかというと東洋系の神秘思想を精緻に理論化し、組織や社会変革のテクノロジーとして体系化したというところが新しいのかな?
でも、なんだかそれに収まらないパワーも感じる。
命をかけるというか、投げ出すような行動が世の中を変えて行くというような。
Uのプロセスは、一見、ステップ論のようだが、いわゆる変革のステップ論とか、いうようなものとはかなり違うものなのかな。
意志的、意図的ではあるのだが、事前にデザインしておきるものではないようなもの。
もう一度、最初から読み直さないと多分分からないと思うので、★は一つ減らしておく。 -
ビジネス書であり、心理学の本であり、自己啓発書であり、スピリチュアル本であり、哲学書でもある。ジャンル分けは難しいけれど、ありそうでなかった面白い本。
世界の国家が壊れかけている今、我々はどう変容すればいいのか?
個人は?会社は?
それを問われているような内容だった。
個人的には、書くことに通ずる部分が多くあると感じて納得したし、似たような体験もあったので、理屈抜きに共感できた。そして行動に移すことの大切さ、捨て身の覚悟の大事さを知った。実際にこの本のお陰で自分を反省でき、相手の気持ちになってアクションを起こせたので感謝している。
色んな人たちが本書と同じようなことを仰っていると感じる最近。
これからは個々が責任を持って主体的に動く時代なのかもしれない。そして同じ考えや気持ちの人と繋がっていって、いい社会にしていきたい。 -
とりあえず、ななめ読み〜
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辞典のような分厚い本。しかし内容は読みやすいので案外すらすら読めました。U理論、面白いと思うのですが大事なことは書いてあるけど重要なことは書いてない、という不足感もあり。団体、企業、社会と理論は幅広く展開しているけど、結局のところ目の前にいるたった一人の人間とちゃんと深いコミュニケーションが取れるかということなんだと思います。むしろ現代はこれを理論にしないと「気づき」「手放し」そして「受け入れる」ことも出来ない時代になってきているのか、とちょっと考えさせられました。・・・とまあ好き勝手書きましたが良い本だとは思います。
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基本的には「出現する未来」(P・センゲらとの共著)で描かれた「U理論」の実践的な解説書といえる。前著では必ずしも明確でなかった個人レベルと組織レベルの「U」がしっかりと区分されており、Uのプロセスがより細かく、深い部分まで言及されている。ともすれば神秘主義的に取られかねなかった前著に比べて、経営書としての体裁をしっかり整えている印象。ただし、出てくる枠組みが多すぎて、やや冗長・総花的な印象も無くはない。500ページ強の大作は、本来U理論を実践すべき現場のリーダー達に相当な覚悟を要求する。
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未来を感じ取り形作る能力の話。
今まで読んだ、ビジネス、スピリチュアル、哲学、認知学問の集大成のような本だった。
Open mind, heart, will.
次元を超える視点で実践すればいいだけ。
なお、3年後に振り返って読み直すと目あたりさはなく、今となってはシンプルな物事の考え方と感じる。 -
キタキター☆
もう訳者まえがきから「間違いない」という手応え。
シュタイナー業界?の中でもバイオグラフィーワークとともに、一般社会で高く評価され、広く浸透している理論と実践。 -
ずっと本棚に眠ったままになっていましたが、ようやく読むことができました。
U理論。
もっと早く読んでおけば良かったとも思いますし、
今が読むタイミングだったんだなとも思えます。
U理論で展開されるUの旅は、
いまから、そして、出現する未来から学ぶには、どうしたらよいのかをめぐる学習プロセスです。
過去から学ぶのではなく、出現する未来から学ぶ。
そして、
それは、個人での学びにも多様なステークホルダーの学びにも、組織の学びにも適用できるものです。
とても深くて読み応えがある1冊。
消化するにも、実践するにも時間がかかりそうですが、
たしかに良書です。
開かれた思考、開かれた心、開かれた意志でもって、
反応に生きる世界を離れ、
保留し、新しい目で観て、視座を転換し、場から感じ取り、手放し、源につながり、
迎え入れ、結晶化し、具現化し、プロトタイピングをし、実体化をし、実践をする。
この一連の流れの1つ1つを丁寧に掘り下げています。
「新しい目で観る」という基本的な行為だけでも、知る価値はあるかと思います。
いかに、私たちが、今と未来を観ていないか、相手や場を観ていないかを考えさせられるのではいでしょうか。
“24の原則は互いに密接に関連しあって一つの集合体として機能している。これはUの課程にあわせた5つの運動としても表現できる。その5つの運動とは以下のとおりである。
共始動-人生があなたに求めていることに耳を傾ける。そしてそのことに関わりのある人や状況とつながり、共通の意図を持ち、互いに触発しあう仲間を招集する。
共感知-もっとも潜在性を秘めた場所へ行く。そして、ただ、ひたすら観察する。開かれた思考と心で耳を傾ける。
共プレゼンシング-静寂な場所に行き、深い叡智の源を開き、内から出現しようとする未来につながる。
共創造-生きている小宇宙のプロトタイプをつくり未来への滑走路を用意することによって、実践を通じて未来を切り拓く。
共進化-より大きく革新的な生態系をともに築き、人々が「全体を見て行動すること」によって境界を越えて互いに結びつける場所を確保する。” -
「U理論-過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術-」の読書会
日付:2013/11/8 作成者:とことこ(大塚 拓)
〇この本を一言で表すと?
個人や組織が破壊的イノベーション思考を得るための能力開発・プロセス転換の事例集&実践書
〇よかった点
・ 著者のストーリーや事例が豊富で図表も多いため、抽象的な概念が具体的に理解できるように工夫されていると思った。
・ プレゼンに対する気付きも多く、これからのプレゼンに工夫したい。(ピーターセンゲの例P109、いきいきとしたイメージを送るP254、日記:私はばらばらにP225など)
・ ドイツ企業家、ゲッツベルナー氏の基本所得の提案(P435)は面白いと思った。後の経済的インフラのイノベーション(P550)に繋がる内容で、創造的な社会にはなると思った。反面、社会主義や生活保護の闇の部分と同じ失敗を犯さないような工夫が必要かと思った。
・ 『強い決意を持った市民の小さなグループが世界を変えられるということを絶対に疑ってはならない。実際に変えてきたのはそれしかない』(P258)私の行ったことで少しでも世界が良くなったと実感したい。
・ 『三歳の子供から学ぶ』(P330)子供の着眼点や発想力、好奇心の凄さは毎日驚きです。私も二歳の我が子からたくさん学びたいです。
・ 『ほとんどの人は、四つのレベルをすべてたびたび経験している』(P339)私の経験の振り返り、これまで私が影響を受け、頂いたものを振り返りたいと思った。
〇突っ込みどころ
・ 本がデカイ!(内容が重複しているところも多いので、もう少しコンパクトにすればもっと売れるかと…)
・ 経済学、社会学、哲学に精通している反面、統計学な思考は盲点。例えばP420、テレビと心的外傷後ストレス障害は相関であり、因果ではないと思われる。数値がでてきてもサンプリングや有意性については語られていない。ビジョナリーカンパニー2なども
・ 膨大な参考図書数!(この著書の参考図書というより著者の影響を受けた本という感じがする)
・ ダイナミックな複雑性の図(P92)が違う気がする。私は指数曲線だと思う。
〇実践してみようと思うこと
・ 『まずやりますと言い、それをどのようにやるかは後で考える』(P476)
・ 『子供たちを外にある見返りではなく、自分の内面の動機にしたがって行動するように』(P506)(2歳の子を持つ親として実践したいです)
・ 朝の習慣(P498)(著書のレベルでなくても簡単な日記や瞑想といったものから習慣化したい)
〇みんなで議論したいこと
・ U理論読書会の私以外の参加者は皆さん読書会の主催者かコミュニティの管理者なので、読書会やコミュニティ運営の上で気を付けていること(事前の準備、根回し、共通の土台、お礼のギフトなど)
・ 過去の必要性について著書の前半と後半でトーンが違う気がする。やはり手放したり、内省するためには過去の経験やパターンも重要なのではないかと思った。皆さんは過去の必要性についてどう思う?
・ このイベントの目的、目標の個人的な考え
・ 四つのレベル(感じ取るとプレゼンシング)の経験 -
分厚い、読み切っていないですが、読み応えあり。
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一見おもしろいけど、共感できなかった。
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☆3500円
●奥が深い・・・ -
僕が体験した自分自身の転換点の状況がU理論に表わされていると感じました。
3年前、大学で何年も留年したことや彼女がずっといないことなど、どうしても認めたくない、人に知られたくないコンプレックスがありました。それまではそのコンプレックスを隠して、見栄を張って嘘ついていました。でも、その時だんだんとFAJやその他の機会でオープンな雰囲気を持つ人たちと出会うようになり、誠実でない自分が辛くて、そんな風になりたいと思って全てをやり直すつもりで自己開示しました。その後はコンプレックスを気にする度合いがへり、より活動的になった気がしています。
その時の過程がU理論にあるUの谷を降りる過程と似ていると感じています。感覚的にはUの谷に潜るどころか、νの井戸に落ちる感じでしたが。
Tomtom