なぜ危機に気づけなかったのか ― 組織を救うリーダーの問題発見力

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制作 : 飯田 恒夫 
  • 英治出版 (2010年2月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862760647

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なぜ危機に気づけなかったのか ― 組織を救うリーダーの問題発見力の感想・レビュー・書評

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  • 軽めの内容を予想して読み始めたが、教科書的・網羅的な書き方で非常に役に立つ内容だった。折に触れ、読み返してみる価値がある本。

    ・問題の指摘はそれが間違った警報であっても学習の機会になりうる。コストの削減や顧客満足度の向上につながる場合も多い。また、問題を見つける能力も時間とともに進歩していくので、間違った警報を出したことを後悔させるようなことをすればその代償は高くつく。

    効果的に問題を見つけるために
    1)フィルターを避ける
    組織のトップは通常、下からの情報を取捨選択するゲートキーパーを置いているが、時には自分の目で見る。耳障りな情報でも歓迎するような雰囲気を作る
    ・自分の耳で聞く
    ・さまざまな意見を探して聞く
    ・若い人とのつながりを持つ
    ・周辺部にも足をのばす
    ・利害関係者でない人と話す

    2)人類学者になる
    ただ人の話を聞くだけでなく、人の行動を注意してみる

    3)パターンを探す
    過去との類似点を見る

    4)点を結びつける
    大きな危機に先立って、組織のさまざまな部署で小さな問題が起きていることが多い

    5)価値のある失敗を奨励する
    許される過ちと許されない過ちの違いを部下が理解できるように指導する

    6)話し方と聞き方を教える

    7)ゲームの録画を見る

    直感とは基本的にパターンを認識することであり、往々にして現在の状況と過去の状況の類似性を見つけることである。

    統合的思考能力(相反する、調和しないアイディアを統合する)の持ち主に特有な四つの点(ロジャー・マーティン)
    1)状況における「それほど明らかではないが、関連性がありそうな要因」を探す
    2)単純に直線的な原因と結果の関係を考えない。ほとんどの結果は複数の原因によって生じる
    3)問題を全体として考える
    4)単純な二者択一的な選択をしない

    既知のこと、不明瞭なこと、推定したことの三つを区別するための7つの質問(ニュースタットとメイ)
    1)この状況における事実は何か
    2)曖昧な、あるいは不明瞭なことは何か
    3)明確な想定と暗黙の想定と考えられることは何か
    4)事実と想定を混同していないか
    5)偏見のない考え方を持った外部の人は、自分の想定をどのように評価するだろうか
    6)重要な想定が間違っていることがわかれば、自分の結論も変わるだろうか
    7)重要な想定の正しさまたは間違いを立証するために、データを収集したり、簡単な実験をしたり、あるいは一定の分析をしたりすることができるだろうか

    ・ストレスが高まるにつれて、上下関係や権威の意識が高まるため、緊急時には一種の集団的無知ともいうべき上司に対する盲目的な従属が生じやすい。

    ・不都合なことを発見しても、急いで過失を探し、責任を追及するようなことはすべきでない。問題を一歩離れたところから見て、なぜミスが起きたのか、もっとシステム上の問題があるのではないか、と考える。

  • Know what you don't know

    この言葉に尽きます。

    そして、それを実行する7つの手段を詳細に。
    ①情報フィルター
    ②参与観察
    ③パターン認識
    ④点から線へ
    ⑤価値ある失敗の奨励
    ⑥話し方と聞き方
    ⑦リフレクション
    これらの基盤になるのが、飽くなき知的好奇心、システム思考、バランス感覚。

    実は取り立てて目新しいものはなく、それなりに意識して取り組んでいるところだけど、企業経営者への豊富なインタビューも含めて、実例をもとにしているので、とにかく身近に捉えることができるし、わかりやすい。

    「大方のマネジャーは問題について話し合うことを好まない。自分の部署が抱える問題を明るみに出す機会を大切にしようという気持ちなどさらさらない。」
    監査という活動を通じてでは限界あるかもだが、本書にある「包容力をもって問題を受け入れる」文化に貢献できるといいなと思う。そして、そういう態度を持ちつつ、問題を明るみに出すための洞察、観察、検証、こういった能力に磨きをかける。監査人が気づかないと、話し合うことすらできないですからね。

    プロアクティブな監査(未然防止、早期発見)を目指すにしても、やはり監査ではなく、各組織リーダーを軸に現場で問題発見を行っていくのが最善解。

    監査人用の推薦図書としてリストアップしてる本がかなりたまってきた。ちょいとエッセンスを抽出して、監査人育成研修資料にしてみたいが、はてさていつになることやら。

  • 系推薦図書 3系(情報・知能工学系)

    【配架場所】 図・3F開架 
    【請求記号】 336.3||RO
    【OPACへのリンク】

     https://opac.lib.tut.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=132050

  • 2015年46冊目。

    「問題解決」以前に、組織が危機に陥る前に「問題発見」するために必要な7つの要素を、リーダーシップ・意思決定分野の専門であるマイケル・A・ロベルト氏がまとめた本。
    リーダーは、部下から上がってくる問題に対して耳を傾けるだけでは足りず、ハンターとなって組織に大きな危機をもたらす可能性のある問題を積極的に探す必要がある。
    部下から上がってくる情報には、様々な気遣いを反映したフィルターがかかっていることが多い。
    たとえインタビューを実施しても、往往にして彼らが口にすることと実際に行動していることは異なるため、文化人類学者のような観察眼が必要になる。
    必要不可欠でありながらそう簡単ではない問題発見という課題において、役に立つ本だと思う。

  • 何か問題が発生していないか気づくためには、気づかなくなってしまう原因をつぶしておかないといけない。それは自分の中にもあるし、環境もある。自分の中には問題を見えなくしてしまう人間の性質を知ることやや振り返る習慣をつける、見かたや聞き方によっても問題が隠れてしまうことがある。環境は情報の集約方法や意見を聞く人によって情報が遮断されてしまったり偏向されてしまうことがあることを認識し、環境を見直したり情報を収集する手段を変えたりしないといけない。
    悪い情報は伝わりにくいなど失敗学に近い内容だけれどもこちらはインタビュー方法があったり問題の発見に主眼がおかれている。

  • 組織での問題は、世間一般に出てしまった際はすでに手遅れか、対応可能であったとしても影響や対策コストなども大きなものになりうる。

    問題をいかに小さいときに発見するか、発見するにはどのような心構えが必要となるかに述べられている名著。

    これからは「トラブルシューター」を一歩進め、問題を自ら発見して小さく対応する能力が求められていると思う。

    一回ノートにまとめて、かつ折に触れて読み返そうと思う。

  • 医療ミス、チェルノブイリ原発事故、ベトナム戦争、金融危機、企業の不祥事、企業の収益悪化、大惨事...etc
    失敗学はかなりケースで捉えられて来ている気がする。失敗を避け、克服する為にどうすればいいのかを示唆させるケース化がかなり進んでいる。本書もその類。

    本書はcase study手法をある程度批判していて、問題解決の為のパターン思考が備わるには良くても、問題がそもそも"何"なのか、という発見面では余り効果的ではないと述べている。ところが本書自体多くの経営者に聞きまわったケース集なので「おぃっ」ってなってしまう。

    興味深かったのが【人類学者のように観察する】スキル。
    人の発言と行動は必ずしも一致しない。だからこそ質問力以上に、その"場"、環境や現象を観察する力が重要なのだという論点。純粋にナルホド。

  • 2010.04.11 日本経済新聞に紹介されました。

  • 書籍情報

    なぜ危機に気づけなかったのか

    組織を救うリーダーの問題発見力
    Know What You Don't Know
    著者 : マイケル・A・ロベルト
    訳者 : 飯田 恒夫
    四六判 上製 320ページ 本体1,900円+税 2010年2月発行
    ISBN10: 4-86276-064-3 ISBN13: 978-4-86276-064-7
    ジャンル : 経営・マネジメント
    キーワード : 問題発見, 問題解決, 危機
     
    問題を解決する前に「発見」せよ
    問題を解決するには、まず「問題」がわかっていなければならない。企業をはじめ、多くの組織において問題は隠れてしまい、いくら問題解決法を知っていても、「解決すべき問題」が何か、わかっていないことが問題になっている。
    問題が起こり、大事故・大惨事に発展してから解決策を見出すより、問題になりそうなことを早くに発見し、まだ軽微なうちに手を打つことのほうが価値がある。
    しかし、手遅れになってからやっと危機に気づいたり、見当違いの問題を解決しようとしている場合さえある。現実の世界では、リーダーはまず問題を発見しなければならない。解決すべき問題が何かを把握する。真の問題を見極めることが最も難しい課題である。
    優れたリーダーが実践する、問題発見7つのスキル
    優れたリーダーは、危機を未然に防ぐべく、問題を発見する能力を身につけている。本書では、150人以上の経営者へのインタビューと、ビジネス・政治・軍事・スポーツ・医療など数々のケーススタディを分析。優れた問題発見者となるために、リーダーがマスターすべき7つのスキルと能力を示す。
    もくじ
    著者紹介
    推 薦
    はじめに
    第1章 問題の解決から問題の発見へ
    ―包容力をもって問題を受け入れる
    ―なぜ問題は隠れるのか
    ―得失評価をする
    ―問題を効果的に見つける能力を身につける
    ―孤立化の落とし穴
    第2章 フィルターを避ける
    ―情報のフィルタリングが起きる理由
    ―ゲートキーパーを避けるために
    ―きわめて先見の明があるリーダー
    第3章 人類学者になる
    ―どうして発言と行動が一致しないのか
    ―観察力に磨きをかける
    ―若干の注意事項
    第4章 パターンを探す
    ―直観とは何か
    ―不完全な類似性
    ―問題発見のソリューション
    ―パターンを認識する能力を高める
    ―ビジネススクールで学ぶこと
    第5章 点を結びつける
    ―「システムは赤信号を点滅させていた」
    ―情報の共有を阻む理由
    ―少数集団における情報の共有
    ―情報の共有を促進する方法
    ―「防止する」という心構え
    第6章 価値ある失敗を奨励する
    ―なぜ失敗を容認するのか
    ―容認できる失敗と出来ない失敗
    ―役に立つ、低コストの失敗
    第7章 話し方と聞き方を教える
    ―クルーリソース・マネジメントによる訓練
    ―コミュニケーション上の過ち
    ―対人コミュニケーションの改善
    ―個人ではなく、チームとして訓練する
    第8章 ゲームの録画を見る
    ―事後検討会:期待と危険
    ―競合他社に関する情報活動:期待と危険
    ―デリベレイト・プラクティス
    ―鏡を見る
    第9章 優れた問題発見者の心構え
    ―新しい心構えの3つの要素
    謝辞
    原注

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なぜ危機に気づけなかったのか ― 組織を救うリーダーの問題発見力の作品紹介

優れたリーダーは、危機を未然に防ぐべく、問題を発見する能力を身につけている。本書では、150人以上の経営者へのインタビューと、ビジネス・政治・軍事・スポーツ・医療など数々のケーススタディを分析。優れた問題発見者となるために、リーダーがマスターすべき7つのスキルと能力を示す。

なぜ危機に気づけなかったのか ― 組織を救うリーダーの問題発見力のKindle版

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