未来を変えるためにほんとうに必要なこと――最善の道を見出す技術

  • 英治出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862760814

作品紹介・あらすじ

リーダーシップ、組織開発、マネジメント、コーチングなど、多分野で関心が高まるほんとうに有効な「変化の起こし方」とは?伝説のチェンジ・エージェントからのメッセージ。

感想・レビュー・書評

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  • 南アフリカの民主化にむけて大きな力となった伝説のワークショップを担当したファシリテーターの新著。

    しばしば、対立概念でとらえられる力と愛であるが、それは補完的なものである。愛のない力、力のない愛では、いずれも社会変革は失敗する。これらは、二者択一の概念ではなく、ディレンマ、つまり両立させるべきであるが、なかなか両立が難しい問題である。で、解決策としては、歩くように、愛→力→愛→力といったぐあいに、交互に進んで行くことが大切というメッセージである。

    言われてみれば、当たり前のことだけど、なかなかこれをストレートに言った人は、すくなくともファシリテーションとかやっている人では、少ないと思う。

    特に、「学習する組織」とか、ホールシステムアプローチとか、やっている人は、基本的には、性善説なので、こうした「力」に言及することは少ない気がする。

    善意に基づくプロセス重視の取り組みをやっても、なんだか、それだけではうまくいかないなー、と思っていたので、とてもスッキリした。

    もちろん、この本は、そういうファシリテーション哲学だけでなくて、さまざまな事例が紹介されているわけで、そこがすごく面白い。

    こういう本では、感動的な成功事例ばかりが紹介されるのだが、カヘンさんのこの本では、ここまで書いていいの?というとこまで、失敗事例を書いている。それも、自分のファシリテーターとしての未熟さがもたらした失敗例もあり、こころを打たれる。

    この誠実さというか、率直さが、本当に素晴らしい。

    そのうち翻訳でるだろうけど、それほど厚い本じゃないし、英語もわりと平易なので、ファシリテーションやっている人は、読んでみる価値があるのではないだろうか。

  • 愛なき力は暴力であり、力なき愛は無力である。
    両方ともバランスを持っていることが大切。
    翻訳した本であることと、内容の難しさが相まって、私の読解力ではなかなか理解ができなかった。

    気になったポイント
    「愛の反対派力ではなく、両者を成功させることは大変難しい(が、できたらすごい)」
    「これから先の未来はどう何るんだろう。良い、話し合おうじゃないか」
    「力のあるものとないものの争いから手をひくということは、力のあるものを味方するということであり、中立ではない」
    「プロジェクトの準備
     エクササイズの目的をはっきりさせ、共有する。
     適任で熱心な主催者を集める。
     チームの基本原則と作業方法を慎重に策定し、合意しておく。
     ワークショップは静かな民家にする。
     プロジェクトのリソースもスタッフも十分に確保する。
     チームは人間関係を築くために時間を割く。」
    「力と愛のどちらかが弱ければ、弱い方に注意を払い、強化をしていかなければならない」

     愛とパワーの例はたくさん載っていたが、具体的に今自分がどうしたら良いのかはわからなかった。

  • 10年ほど前に読んだ本で、本棚を整理したら付箋だらけで出てきました。
    読み返さなくても、自分の思考の道標になっていることが多くて、若い人や悩める人に読んでほしい良書だと思います。

  • コンフリクト理論

  • ”原題は"POWER AND LOVE"。力(=自己実現の衝動)と愛(=統一・再統合の衝動)を両足に喩え、両方が必要であり、そのバランスをとって歩くことが大切と説く。まず最初は自分から。積極的に「私がやる」という決意をし、責任をもって取り組むことで最初の一歩を踏み出す。

    <トリガーワード>
    ・複雑性(ダイナミック、ソーシャル、ジェネレイティブ)
    ・愛なき力、力なき愛
    ・転ぶ、よろめく、歩く、一歩を踏み出す
    ・未来=新しい現実
    ・する力、させる力、
    ・ジレンマ
    ・Uプロセス(センシング、プレゼンシング、リアライジング)


    <質問>
    ・今の会社に明るい未来を見出すには、最初の一歩として何をするのがいい?
     →まずは「積極的に、決意をもって、自らの責任でやる」と宣言すること。皆が主体的に「明るい未来を自ら見出したい」と思えるよう育もう
    ・自分の輝く45歳の姿のために身につけるべき力は何?
    ・わが家族にとってグローバル時代に、心豊かに暮らすために新たに始める習慣は何?
     #ん?、これを著者に尋ねても仕方がなかったか…(^^;


    <きっかけ>
    110125『U理論』ミニワークショップにて実物を手に取り、目次にならぶ「転ぶ」「よろめく」「歩く」「一歩を踏み出す」がとても気になったため購入。”

  • 何とも言えない徒労感に満ち溢れた本。であるが、言わんとしていることに納得もできる。精神のずば抜けたスタミナが必要ということか。

  • 英治出版から

  • 力に偏っても、愛に偏ってもだめ、どちらも丁寧に見ていかないと、というのだけれど。どうしたものかは書けないんだろうなあ。

  • 図書館

  • 重要な考え方はいくつか見られたが、あくまでも自己啓発本のひとつであろうと感じた。

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著者プロフィール

レオス・パートナーズ社パートナー。オックスフォード大学経営大学院「科学・イノベーション・社会研究所」特別研究員。過去にはロイヤル・ダッチ・シェル社にて社会・政治・経済・技術に関するシナリオチームの代表を務める。1991~92年には南アフリカの民族和解を推進するモン・フルー・シナリオ・プロジェクトに参画。以来、企業や政府などの問題解決プロセスのオーガナイザー兼ファシリテーターとして、これまで50カ国以上で活躍している。アスペン研究所ビジネス・リーダーズ・ダイアローグ、組織学習協会(SoL)のメンバー。カリフォルニア大学バークレー校エネルギー・資源経済学修士、バスティア大学応用行動科学修士。2022年には、シュワブ財団の「ソーシャル・イノベーション思想的指導者2022」に選ばれた。著書に『敵とのコラボレーション』『未来を変えるためにほんとうに必要なこと』『社会変革のシナリオ・プランニング』『共に変容するファシリテーション』(以上、英治出版)など。

「2023年 『それでも、対話をはじめよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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