「社会を変える」お金の使い方――投票としての寄付 投資としての寄付
- 英治出版 (2010年12月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862760821
作品紹介・あらすじ
画期的な「病児保育」サービスで社会起業家として脚光を浴びた著者。その行く手に新たな課題が立ちはだかる。-日本社会を蝕む「貧困」。必要な人に支援が届かず、子どもの7人に1人が貧困状態におかれている今、自分には何ができるだろう?試行錯誤の中で見えてきたものとは…。あなたにも、きっとできることがある。注目の社会起業家が贈る、「社会の変え方」実践ガイド。
感想・レビュー・書評
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ワーママ界のカリスマ病児保育の駒崎さんの著書(今や本当に有名人・・)。
「寄付」の考え方を根本的に覆される本!
寄付とはほどこし、赤い羽根募金、といったイメージではなく「投票や投資のように、自分が支持する活動に対してコミットすること」なのだと。
読んでいてハッとしたのは、プロボノもある意味寄付であるという記述。
考えてみれば私が頑張ってる保護者会活動も一種の「プロボノ」活動であり、「企業で培ったノウハウを活動へ寄付している」こととも捉えられる。
そうかー、なるほどーーと感心させられっぱなしの一冊でした。
病児保育そのものには賛成半分・反対半分という気持ちの私(病児保育よりも子どもが病気のときは親が休める仕組みにするほうが大事と思う、でもそんなこと言っててもどうにもならないから目の前の病児保育を何とかするというのも賛成、という気持ち)だけど、駒崎さんの考え方にはブログ等を通してもいつも勉強になってます!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【2014.1.7】
ビジネスの基本は「見返りを求めずに、まず与える」こと。
しかし、人は何かを与えると何かが帰ってくる環境に慣れすぎている。
寄付は無条件で与える練習になる。
寄付の大切さ、素晴らしさを学んだ。
けれど、それでもまだ寄付をする気になれないのは単にめんどうなだけか、それとも何か他の理由からだろうか。 -
著者の駒沢弘樹氏は、若手の社会起業家でフローレンスという病児保育を行うNPOの代表だ。氏が事業をおこなっていくなかで感じてきた疑問や問題意識が語られる。
そして、この本の中心テーマとなる寄付税制の改正の提言。読んでいると、まさにここが社会を変えるたえめのブレイクスルーポイントになりうると分かる。
公共を支える自治体や国に「税」として治めるか、公共を支える民間主体であるNPOに「寄付」として社会投資できるか市民が主体的に選択できれば市民は納税者(タックスペイヤー)としての意識を強く持ち、寄付がきちんと機能しているのか、と同時に税金がきちんと使われているのか、という感覚を強くもち、ひいてはそれが国家をきちんと監視し、意見を述べていく参加する民主主義への建設へつながっていくのだという主張。
ある問題が起きても、政府はすぐに対処することができない。制度化となれば何年もかかる。そのあいだに誰かがその新しい問題に対処しなくてはいけない。そんなときに欧米のように寄付が集まれば、国民が自律的に、かつ迅速に社会問題に対応できるだろうと・・。
第6章では「もし寄付が当たり前の社会であったなら。」というタイトルで寄付が当たり前となった社会の様子が活き活きとえがかれている。NPOが活発になり公務員や政治家もうかうかしていられない。また世界中の不公平に国民が自ら立ち向かえるようになる。
この本を読んで、NPO、税制、寄付、新しい公共などのキーワードでモヤモヤしていた部分がすっとつながり見渡せたような気がした。
・・・良い本なのだが最期の「寄付先のご紹介」だけは余計だと思う。 -
自分たちのNPOにとどまらない支援の輪を広げようとする姿勢に強く共感しました。
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寄付に対する考え方がガラッと変わり、寄付に対する他人事意識がなくなります。読めば寄付マニア?になること請け合い。
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フローレンスの駒崎さんの本。ファンドレイジングについて学びたくて、導入としてはちょうどよいかと思って購入。
それにしてもこの人の本は外れがない。今まで2冊(「社会を変える」を仕事にする、働き方革命)著者の本を読んできたけど、
今回も例外なく面白い。
テーマは「寄付」。日本人には浸透していない「と思われている」寄付文化。テーマがテーマなだけに、まずのっけから意外な発見が。
実は古くから日本では寄付文化が成り立っていた!
東大寺を建てることができたのも、高杉晋作が奇兵隊で明治維新を起こせたのも、江戸時代の寺子屋も寄付が起因しているとのこと。
これは意外すぎた。やはりイメージだけではなく、事実をしっかり調べるべき。
一貫しているのは、寄付がどれだけ社会のために有益かということはもちろんだが、自分のためにとってもどれだけタメになるのかを効果的に説明していること。
効果的にというのは、セリフ調で大事なことを説明しているから。
p55~の知人の社長との会話部分。まるで、自分自身がその社長から話をされているかのような感覚になるくらい。
なぜ寄付は社会にとって有益なのか?
それは未来を選択する「投票」であり、洗濯を実現する「投資」だから。
なぜ寄付は自分にとってタメになるのか?
それは「無条件で与えること」の練習になり、自己肯定感を育む効果的な手段だから。
詳しく知りたい方はぜひ本書を読んでください。 -
寄付についての意識が、前向きに変わります。
歴史で学んだ人たちのイメージも。
歴史教科書が取り上げる部分は、一面だけなんだと。ら -
寄付についての本その2。自分が社会に対してどのような行動を起こしたいかの表現として、寄付という行動がある。その考えや行動を手助けする本。自分の興味は可能性と環境問題。とりあえず、やってみる。
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この先の日本いや、先進国のビジネス構造はこのような方向性を持って進んでいくのか、と痛烈なパンチを与えてくれる本でした。
資本主義の進展によりますます進んでしまった2極分化の社会。
その未来に楔を打ち込むかもしれない概念がここに示されていると感じました。
お金をたくさん持っていて、それを社会のために使いたいと考えている企業そして個人、おそらくこの方々の数は自分の想像を超えているのでしょう。
国に税金として取られるより、自分の意思でそのお金を活かしたい、
大変まっとうな考えです。
その媒介としての社会起業家の存在。
著者の立ち上げたもののひとつである、ひとり親向けサービス
などもまさにその典型的な事例。
ファンドレイザーなる言葉は初めて認識しましたが、
とてもよくわかる、そしてやりがいのある仕事と感じました。
もっと多額の寄付ができる人物になりたい
寄付が当たり前の社会になるように自分もその一助たりたい。
と、この本を読んで強く思うようになりました。
定期的に読み返すべき本がまた一つ増えました。 -
本書は、「寄付」という名の投資と投票について、駒崎氏がNPO経営者として経験した話と読者の行動の道しるべになるような内容を語った本。
駒崎さんの本はどれも読みやすく、胸打たれます。
社会を変える波にムーブメントに自分も乗っかっていたい、そういう衝動に駆られます。
「寄付」という行為に対しての概念が変わりました。
大それたことでなくても、身近に自分ができること、見渡せば沢山あるなーと。
【プレゼントを寄付にしてみる】
プレゼントにあてる予定だったお金を寄付に使う。
お祝いの仕組みを寄付の機会に変えることによって、相手も自分も良い気分になり、子どもにとって教育の機会になる・・とても良い試みだなと刺激を受けました!